劇場公開日 2021年10月30日

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「お金をテーマに様々なことを考えられる、意外にも明るいエンターテインメント作品。」老後の資金がありません! 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0お金をテーマに様々なことを考えられる、意外にも明るいエンターテインメント作品。

2021年10月30日
PCから投稿

本作は、2019年にメディアや政治家によって大いに世間を騒がせた、いわゆる「老後2000万円問題」が関係しています。
映画の冒頭では、実在の評論家が「国は『老後2000万円が必要だ』と言っていますが、これには医療費や介護費は入っていません! 本当に必要なのは4000万円です」といった持論を展開しています。
【実は、これはメディアや評論家らの問題が大きく、真相は、国はそんな断定的な事は言っていないですし、いわゆる「老後2000万円問題」の試算には、医療費や介護費などもすべてキチンと入っています】
ただ、あくまでこれは「つかみはOK」というレベルのものなので、ツッコミも無粋かもですね。

普通に生活していると、親の「葬式代」「香典代」などといった様々な「お金の相場」を意外と知りません。
これは天海祐希が扮する、少し贅沢なバッグが欲しいだけの主婦も同様で、ちょっとした出来事で、気が付けば家計は火の車になっていきます…。
本作は、それらをテンポ良くコミカルに描かれているので、楽しみながら見られます。
「お金の相場などを考える教材」としても非常に意義深い作品で、主人公が修羅場を経験しながらも、だんだん成長していき評論家のことも疑えるレベルにまで達しているのは爽快感もありました。
天海祐希をはじめキャスト陣も良く、笑いだけでなく心にしみるシーンもあったりで、一本の映画としても良作だと思います。

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細野真宏