「その怒りもあなたのもの」幸せへのまわり道 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
その怒りもあなたのもの
メンズデーに観賞
翌日がファーストデーなのであんまりやってないのを
ということで…
フレッド・ロジャース氏のことは知らなかったので
簡単に予習してから観ました
感想としては
シンプルなテーマ
お伽話のようで心理状態に則した描写
誰にでも受け入れられる大事なこと
色々感じ取れる良作でした
実在したアメリカの長寿子供番組
「Mister Roger's Neighborhood(ミスター・ロジャースのご近所さんになろう)」
の実際(風?)のオープニング映像から始まる今作
突撃取材で賞も貰う雑誌記者ロイドは
心を閉ざした立ち振る舞いのひねくれ者
結婚し幼い子供がいるのに仕事に明け暮れ
ある日姉の結婚式にやってきた父親ジョリーを
母の死に目に会いに来ず蒸発した事で許せず
酔った勢いで母の話をされたときに怒りが爆発し
暴力を振るってしまいます
その後所属する雑誌「エスクァイア」のデスクから
フレッド・ロジャースの取材を言い渡されます
なんで子供番組の司会者なんかとロイドは反論しましたが
ロイドの取材を受けてくれたのがフレッドしか
いなかったと言われ渋々受けますが会いにいくと
そこには気まぐれな子供に大らかに接するフレッド
その後対面すると「待っていた」と歓迎され
フレッドはそのいきさつをすぐ見抜きロイドは驚きます
そこから始まった交流から自分を見つめ直していきます
昨今よく聞くアンガーマネジメントというやつでしょうか
その怒りは信念から来るのか?訴えか?
フレッドはむげに否定せず付き合い方のヒントを与えます
次第にロイドは自分の父への怒りは
自分が苦しんでいる事を誰かに訴えたかったんだと
気付いていきます
実在するフレッドは番組向けに演じ方を変えることなく
また子供番組だからといって遠慮せず戦争やいじめなどの
重いテーマを取り扱っていたそうです
そうしたオープンさが自然と視聴する子供や見せる親に
伝わっていた部分があったのでしょう
再現なのか当時の映像なのか区別が付かない番組シーン
ちゃんと4:3に切り替わったりアナログっぽいエフェクトが
かかるとこまで拘っていたのは驚きでした
トム・ハンクスも本人を非常に研究したのでしょうね
日本人には馴染みが無いアメリカのヒーローなため
邦題もなんかヘンですがこうした映画から日本の
ガメラやウルトラマンを作ってきた人々の熱意にも
想いを馳せるのも良いと思いました