「Won't you be my neighbor? やっぱりトム・ハンクスは凄かった」幸せへのまわり道 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
Won't you be my neighbor? やっぱりトム・ハンクスは凄かった
事前情報はあまり知らずにトム・ハンクスがアカデミー賞助演賞にノミネートされた作品って情報だけで観に行って来ました。
今回トムが演じているのはミスター・ロジャースという実際にいた子供向けテレビ番組の司会者。いや、何だろうこれ。途中からトム・ハンクスというかミスター・ロジャースが出てくるだけで、何だか泣けてきたんですけど。どういうことだ?ミスター・ロジャースの人を悪く言わない話し方が妙に心に染みたのでしょうか?良いセリフも多くって、言葉の1つ1つにグッと来てました。
このフレッド・ロジャースさんはアメリカで40年近く子供向け番組をやっててアメリカ人なら知らない人はいない人物らしいです。地下鉄でのシーンが象徴的ですが、それこそ誰でも主題歌を歌えるぐらいに有名。とっても優しい語り口で、聖人とまで呼ばれていたみたいです。日本人だと例える人がちょっと思い付かないですね。
でも本人は聖人なんて呼ばれるのは嫌がってたみたいで、今回トム・ハンクスはそこの部分にもちゃんと焦点を当てて演じています。最後のプールで泳ぐ場面とか、ピアノの低音を叩きつけるように弾く姿とか。自分で言ってた怒りのコントロールを実践しているシーンがちゃんと入ってて、トム・ハンクスの人に対する真摯さが伺えますね。聖人と呼ばれる人物でも一人の人間で、自分をコントロールする努力していた描写があるので、フレッドがテレビの中の人から生身の人間にグッと近づきます。
今回のストーリーのメインはロイドの家族問題で、ミスター・ロジャースはナビゲーターというポジション。ストーリー的にはミスター・ロジャースが人に与える影響についてのお話なのである意味、ずっと子供に向けてメッセージを発信し続けていたミスター・ロジャースへの讃歌なのかもしれません。
で、本作ってスッゴく人物をじっくり撮っているんですよね。1分間の沈黙のシーンは勿論の事、ロイドが父親を見るまでとかも顔をアップにしてじっくり撮ってある。震える瞼で視線が父親に向くまで。あれってけっこうレベルの高い演技が必要ではないのでしょうか?トム・ハンクスに注目が行くのは当然ですが、マシュー・リスも良い仕事しています。
何はともあれトム・ハンクスがコロナから無事回復してホント良かったと思える作品でした。トムが亡くなったら映画界の、いや人類の大きな損失だよ。そう言えば「ミスター・ロジャースのご近所さんになろう」がAmazonプライムに上がっていたので、今度観てみようと思ってます。
近大さん、コメントありがとうございます。
あ、日本では「笑っていいとも」がありましたね~。「徹子の部屋」はまだ続いているんですね。
あんな優しい感じの国民的番組を長年続けるのは稀有な才能ですよね。あ、日本にもガチャピンとムックがいる!
コメントありがとうございます。
『徹子の部屋』や『笑っていいとも!』が思い浮かびましたが、これらには毒気があったり笑いに走ったりで。
今日本のエンタメ業界で、フレッド・ロジャースのような人がパッと思い付くほど居そうで居なくて、本当に稀有な人だったんだなぁと思いましたね。