ステップのレビュー・感想・評価
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親子愛に涙
「泣くな赤鬼」以来に鑑賞する重松清さんの作品。予告から、感動の親子物語が描かれるのだろうと期待して鑑賞してきました。その期待どおり、心温まる素敵な作品で大満足です。開幕後、わりと早い段階から涙がにじみ始め、乾いた頃には次の涙、その間隔が徐々に短くなり、終盤は目が潤みっぱなしの2時間でした。
シングルファーザーとして、仕事と家事・育児の両立に奮闘する中で、どんな時でも娘を最優先に考え、父親としての愛を注ぎ続ける父親役を、山田孝之さんが好演しています。熱く感情的な愛し方ではなく、悩み、戸惑いながらも、誠実に娘に向き合う姿がすばらしかったです。
その良き理解者として、時には実の父親以上の存在として彼を支える義父役を國村隼さんと、その妻役の余貴美子さんが、貫禄の演技で脇を固めます。さらに、娘の通う保育園の保母さんを伊藤沙莉さん、職場の同僚として広末涼子さんと、これまた演技派を起用し、キャスティングに一分の隙もありません。そして、最も重要な娘役を、子役の三人が抜群のリレーでつなぎ、それぞれの年頃の微妙な心情を見事に表現していました。中でも白鳥玉季ちゃんは秀逸。山田孝之さんとの間が絶妙で、本当の親子のようでした。
作中、部屋の壁の落書きが何度も映されます。母が倒れた時に、カレンダーから床まで引かれた線は、家族の絶望を表すかのようでした。その後、ここに娘がいろいろと書き足していきます。これが、母の死により一度は地に落ちた家族が周囲に支えられ、互いに励まし合って、形は違えど、もう一度幸せを取り戻すさまを表しているようで、じわじわと心に染みてきました。
親子とは、家族とは、死とは何か。日本人の心の機微に触れる、すばらしい作品でした。
フィクションだからってね
全体をハートウォーミングな作品にさせながらも、随所に感じたやり過ぎ感や違和感や時代錯誤感は、観る者を泣かせる為ゆえに仕方無いのかと。でも喫茶店女がああいう展開とか、娘の各年代での考え方や発言力の違和感というか大人過ぎんだろ!みたいな所は、何かね。もう少し繊細にリアルに細部を作り上げて欲しかった。
山田孝之の普通人演技は最初は何か気持ち悪かった(笑)が、後半にはピタッとハマった。それに作品全体を包む彼のナレーションは、声質含め本当素晴らしく泣ける映画にはピッタリ。奇妙人役が多い山田孝之の、新たなステージへのまさにステップとなる作品だったなと。
で、東京03のアノ人の役柄は、正直鬱陶しさしか無かった。
涙腺ヤバし!
さよなら じゃなくても
若くして妻に先立たれた主人公が、男手ひとつで残された娘を育てることを決意し奮闘する物語。
子育てと仕事の両立に苦しみながらも、力になってくれる人が周りに多くいる主人公。
取り囲む登場人物たちは皆魅力的。
義父母や義兄夫婦、ケロ先生や元部署の上司。力になってくれたり、気にかけてくれる人ってのは良いですよね。中川大志も絡んでほしかったのだが(笑)
あまり目立っていなかったかもだけど、個人的には総務部の同期(?)の女性社員がお気に入り。
地味ながらあれは凄く助けになっていたのでは?
そして何より、幼き娘。あの環境がたくましくさせたというのもあると思うけど、小学生の女の子ってあんなに性格的に大人びているんですかね?
子供の頃、先生に「同級生の女子たちはお前らなんか相手にしてない(笑)」っていってたのが、成程今になってよくわかる(笑)
お気にいりのシーンは、1章(だったかな?)の最後でケロ先生とのやり取りのシーン。
実は健一ちょっと残念がってた?
天国の妻にそのことを報告するところが微笑ましい。
余談だけど、義兄さんの名前がちょっとややこしい(笑)
ヨシヒコと呼ばれて山田孝之じゃない人が返事をしているのがどうにも違和感w
(未だに映画化信じてまってますよ(笑))
父子家庭で色々と悩みながらも、たくましく育つ親子にしみさせられた良作だった。
思春期編なんかもやってくれたら観に行きたい。
父は辛いんです!娘も辛いんです!
2020年映画館鑑賞48作品目
原作未読
泣ける映画
優しい映画
美しい映画
早くに妻に先立たれた父親と物心つく前に母を亡くした娘の奮闘記
周りも二人を支えてくれる心配してくれる応援してくれる
心が綺麗になる映画だ
泣ける場面多い
残業で遅くなり保育園に迎えに行ったとき娘を抱っこしていた先生が父親にいろいろと話すシーン
母の日で母の絵を書く件で担任の先生に相談されるシーン
ステップマザーをお母さんと呼ぶシーン
などなど
映画の画っていうのかな
うまくいえないけど構図というかこの監督の映像は好き
とてもセンスがいい
シンゴジラ以来のツーショット國村隼余貴美子コンビが良かった
保育園の先生役の伊藤沙莉も良かった
こけるのは下手くそだったけど
3人の子役のなかではやっぱり白鳥玉季ちゃんが良かったかな
子役の良し悪しがわからない自分でも彼女はずば抜けていた
今後が楽しみな逸材
リアルな家族映画
映画なのだから、話にメリハリがあった方が印象には残るだろうが、現実はそうでもないのかも知れない。
この映画は、シングルファザーの激しい苦悩や葛藤を静かに表現しているので非常にリアルに感じた。
内にいろんな想いがあるだろうが、娘を思って吐き出せない。出さない。山田孝之の表情や、静かな時間のシーンが非常に心に沁みた。是枝作品を見た後のような感情に陥った。素晴らしい。
子役の3人も素晴らしい。特に白鳥玉季が良すぎたため、最後の子役の子の印象が薄れてしまった。個人的には白鳥玉季のまま行って欲しかったが、女の子の成長は早いようなことを印象づけるためにはあれでよかったのかな。
そんな静かな映画なのに、たまに中川大志挟んだり、東京03角田の演技が棒すぎて、ん?となるシーンがちょっとあったのが残念。
凄く女の子が欲しくなったし、家族にも会いたくなったんだけれども思ったよりも泣けなかったのは、そういう映画の構成だから仕方ないのか。
蕎麦屋、鰻屋に必ずいる中川大志
重松清原作作品って、どうしてこうも感情移入できるのだろう。子育てしたこともなければ、結婚したことすらない自分にとっても、作品の中に入り込むことができる。他の映画でいえば、野球もしたことがなく、教師になったこともなくてもだ。
単に山田孝之演ずるシングルファーザーと一人娘美紀の10年間の軌跡なのに、そこには辛いことや壁にぶち当たることが多くても頑張る姿が常にある。一歩一歩親子ともに進んでいくステップと、“義理”にあたるステップという意味がダブルミーニングになっていることもあり、後妻となる広末涼子に「おかあさん」と呼べる日が来るのだろうかと、ありきたりながら興味深いものがあった。
義理という点だけでも、血のつながりのある親子と結婚による家族。健一にとっての義理の両親や、義理の兄夫婦、さらには養子にしたいと申し出たことも全て義理だ。そして、健一の新潟に住む実の両親が登場しないことも見事な影の演出だ。
マンションの部屋の落書き。亡き母親が死に際に書いた一本がやがて娘によって成長の大樹を描くという、絵の伏線も見事。家系図みたいな小さな幹と美紀。さらには巻き寿司さえ、それが太い樹になってる気がしてならない。義理の枝葉も国村隼と片岡礼子の孫である小さな美紀から繋がっているのも頷けるのです。
平凡な話ながらも味わい深い作品。亡き妻そっくりだったカフェ店員川栄李奈の優しさも良かった。富士山の見える病院も気になるところだし、それより最も気になるのは満員電車の描き方で、いつも顔をつぶされてるオッサンの姿だった。誰?
在る、父と娘の父子家庭の10年間のお話
想像とは違い…泣きました
面白かった。
育児したことないから、分からないけど…。父親が、一人で、女の子を育てるのって、本当に、大変だと思う。多分、母親が、男の子を育てるよりも…。美紀 役の3人の女の子たちは、どの子も、素晴らしかった。
妻に先立たれた…という設定柄もあり、泣くと思っていたけれど、思っていたより泣きました。母親との回想シーンは、全くなく(こういうの珍しい)、川栄李奈 の出演シーンは、母親役としては、手のみ。なので、回想シーンで泣くと思っていた私は、まんまと裏切られました。泣いたのは、子供たちのシーンでした。ちょっとして成長ぶりとか…。号泣こそしないけど、ずーっと泣いてました。きっと後ろの人は、ここで泣く?って思ってたはず…。
そういえば、中川大志くんの出演は、面白かったです。スピンオフとかで、ドラマとかあったら面白いのに…。期待します。
始まりがクライマックス
すべてのアクターに拍手喝采です!
題名の意味を考えてみた。
ステップ=歩
・シングルファザーとしてのステップ
・一歩踏み出すことのステップ
・成長していくことのステップ
・家族の歩を描いたステップ
・そして主人公から見た義父母のステップ、美紀から見たナナ継母のステップマザー
そういったものひっくるめての「ステップ」なのかなと。
登場人物が皆良い人ばかり。
保育士さん、会社の同僚、上司、義父母、義兄夫婦、ななえさん、、、、
この人達に支えられて、美紀は成長したんだと。
そして、これからも子育ては続いていく。
子育ては社会でするものなんだとつくづく思う。
そしてこの物語には、生・死・老・成長・愛全てがギュッと詰まっている。
また、一般的にはシングルマザーを多く取り上げ、シングルファザーにフォーカスされることが少ない。なのでシングルファザーの大変さも描写されていたので、ここも良かった。
山田孝之の歳の重ね方が上手だった。(メイクなど素晴らしい!)
ハートウォーミングな作品です。泣きたい人おすすめです。
娘の成長
東京ガス
終始心温まるエピソードで織りなす
自分自身も主人公と同じシングルファーザーでした、、、のちに再婚した...
自分自身も主人公と同じシングルファーザーでした、、、のちに再婚したことも、、女の子の父親だったことも、、、初めから最後までずっとあのころのことを鮮明に思い出して、、ずっと涙が止まりませんでした、、色々思う方はいらっしゃるでしょうが、、、あの頃同じ思いだったなぁとか、、、娘が聞き分けよ過ぎるとか言われる方もおられますが、、、私の娘もあんな感じでした、、、ほんとうに親や周りの方、、なにより娘に救われました。お弁当作ってご飯作って洗濯して掃除して仕事して、、忙しくて大変だったけど、、、、本当に娘の笑顔に、、助けられました。再婚相手も実の娘のように可愛がってくれて、、、今では娘は27、、妹ともすごく仲良くて、、、幸せです。
ほんとうに素晴らしい作品でした。心に残る映画になりました。
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