「パジャマ似合ってるじゃん」ステップ くりさんの映画レビュー(感想・評価)
パジャマ似合ってるじゃん
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子供が小さい時に
母親が亡くなった家族の
成長記でした。
幼い美紀の成長の様子が
柱ではあるけれど、
形を変えながらも
続いていく絆が描かれてました。
樹木が成長するように
経験した出来事を
壁に描いた枝木に記して
いく美紀。
子供の頃、成長に合わせて
木の柱に傷をつけていくのと
同じ感覚なんだろうけど
その壁の木は、
母の絶命の赤ペン軌跡が
幹になっていて、
親の死を生活の一部に
暮らしている様子が凄く伝わる。
母との作品として
継続性があり
彼女と、
この家で一緒に過ごしている
ような感覚なんだなと。
その家族と関わる人達全員の
矜持と良心に胸をうたれました。
そう、全員です。
会社の上司や保母さんまで…
父親の健一は、
どんなにしんどくても
子供を手放すことなんて
全然考えてないし、
義父、義母は
父娘のことを一番に考えて
言動が紳士的で
健一と奈々恵を近づけるために
運動会の件で嘘をいって
気をつかったりして
現実にはなかなか出来ないこと
をやってくれる。
病室での謝恩会のくだりは、
さすがに
泣けました。
スーツって。
パジャマ姿を
孫の目に入れない心意気は、
歳のとりかたとして
憧れますね。
美紀は、
体調悪くなるまで、
がんばって新しい母親を
迎えようとするし。
悪いヤツがでてこないので
最後まで純粋に
前向きな気持ちに浸れました。
卒業式の日
幼い頃に
通った坂道を見上げる場面は、
いくつかある人生の節目に
感じるノスタルジアで
満たされました。
ホントにたいへんだったけど、
あんたは、
まだ小学校卒業しただけだよって。
人生これから。
あのシーンの感じ。
観客それぞれが
覚えている
いつかの景色が
見えるんじゃないかな。
おすすめ。
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