「蕎麦屋、鰻屋に必ずいる中川大志」ステップ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
蕎麦屋、鰻屋に必ずいる中川大志
重松清原作作品って、どうしてこうも感情移入できるのだろう。子育てしたこともなければ、結婚したことすらない自分にとっても、作品の中に入り込むことができる。他の映画でいえば、野球もしたことがなく、教師になったこともなくてもだ。
単に山田孝之演ずるシングルファーザーと一人娘美紀の10年間の軌跡なのに、そこには辛いことや壁にぶち当たることが多くても頑張る姿が常にある。一歩一歩親子ともに進んでいくステップと、“義理”にあたるステップという意味がダブルミーニングになっていることもあり、後妻となる広末涼子に「おかあさん」と呼べる日が来るのだろうかと、ありきたりながら興味深いものがあった。
義理という点だけでも、血のつながりのある親子と結婚による家族。健一にとっての義理の両親や、義理の兄夫婦、さらには養子にしたいと申し出たことも全て義理だ。そして、健一の新潟に住む実の両親が登場しないことも見事な影の演出だ。
マンションの部屋の落書き。亡き母親が死に際に書いた一本がやがて娘によって成長の大樹を描くという、絵の伏線も見事。家系図みたいな小さな幹と美紀。さらには巻き寿司さえ、それが太い樹になってる気がしてならない。義理の枝葉も国村隼と片岡礼子の孫である小さな美紀から繋がっているのも頷けるのです。
平凡な話ながらも味わい深い作品。亡き妻そっくりだったカフェ店員川栄李奈の優しさも良かった。富士山の見える病院も気になるところだし、それより最も気になるのは満員電車の描き方で、いつも顔をつぶされてるオッサンの姿だった。誰?
Kossyさんコメントありがとうございます。自分で、書いて、嘘書いたと思いましたがぽくも全部みてません。
借りて見てみたいと思います。重松さんは、人間関係がみんな優しいですよね。あと教師、親子、野球とか、でてくるツボが僕の興味方向性とあってるのかも。😀