「何度か泣いてしまったことは認めます。」ステップ ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
何度か泣いてしまったことは認めます。
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突然妻に先立たれた男が、幼い娘と二人で生きていこうと決意してからの10年間の物語。
山田孝之さんが平凡な男を演じるのを久しぶりに観ました。普通の人の演技も上手です。他の出演者の演技も良かったです。
仕事と家事と育児に追われる親ってこうなんだろうなーと説得力があり、保育園でのシーンは泣けます。迷いながらも成長していく親子の姿は共感を集めるでしょう。
ただ、リアルじゃないなと思う所もありました。
血のつながりよりも心のつながり、という事を強調したいのかもしれませんが、健一の両親が全く出て来ないのは不自然でした。
それから、あまりに理想を描きすぎている。周りがいい人ばかりなのは文句ないですが、娘が聞き訳が良すぎです。父親は完璧を求めすぎ。料理はもっと手を抜いていい。シンクの洗い物の量が多すぎて、朝から何品作ったの、と思いました。掃除なんか週1で十分なんだからそれは娘にやらせて、買うならルンバじゃなくて食洗機でしょう。
”笑顔工場”というのは原作にもあるのでしょうか。笑顔って生産するものではなく、自然に浮かぶものと思います。確かに、意識的に笑顔を作ると思考もハッピーになると聞いたことがありますが、それは感情をコントロール出来る大人の場合であって、子供には、感情を素直に出せる場が必要だと思います。映画でもこのことはちゃんと描かれているから、このワードには引っ掛かりました。
でも全体としては、良い映画です。
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