劇場公開日 2021年7月8日

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「過去のMCUの作風ではなかったスパイアクション映画」ブラック・ウィドウ Y Kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0過去のMCUの作風ではなかったスパイアクション映画

2021年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

MCU作品は映画シリーズ、ドラマシリーズ共に全て観ています。
感想
観る前はアベンジャーズメンバーではアシスト担当であまり目立たず、過去作で亡くなったブラック・ウィドウの物を今更描いても面白いのか?という疑問がありました。しかし、この発言は前言撤回です。とても意義のある面白い映画となっていました。
・物語について
今作は明らかに007の様な名作スパイ映画を意識した描かれ方をしていました。ナターシャが暗殺者としての過去に悩む姿はスカイフォールのボンドであり、移動回数が多いこと、観光地感のある街並みを舞台にしたバイクのカーチェイス、雪原地帯でのアクション、変に大きな野望を持ついかにも悪らしいヴィランなどスパイ映画好きなら反応せざるを得ないサービスシーンの連続で楽しかったです。スパイである偽物の家族が本物家族としての価値観との比較に苦悩していく過程は辛かったですが、その中での会話劇は明らかに真の家族でした。血のつながりより家族の絆が重要というテーマはよく取り扱われますが今作はそのテーマをより強く感じました。素直に感動しました。
また、ナターシャがエンドゲームであの選択を選んだ理由である背負うべき罪が予想以上荷重く彼女に共感してしまいしました。彼女の後の運命を知っている観客の立場で観る今作は何気ない場面でさえも目頭が熱くなってしまいました。個人的はエレーナが感情をあまり表に出せず皮肉屋を演じているという部分が可愛いく好きになってしまいした。過去の栄光にすがり続ける筋肉バカ(いい意味で)キャラでありながら実は一番家族を愛しているレッドガーディアンも面白かったです。
ナターシャというキャラクターを改めて掘り下げることで今更ながら好きになってしまいました。
・アクションシーンについて
昨今のドラマシリーズとは明らかに迫力が桁違いで圧倒されました。女性キャラの強みを活かしたしなやかな肉弾戦のかっこよさ、映画らしい爆発場面の連続、動きをコピーするというある意味最強なのでは⁈と思わせるタスクマスターという敵の存在とMCUファンならにやけてしまう他キャラのコピーワザとの対決場面。全てが一級品でした。
・これからのMCUシリーズについて
今作はシビル・ウォーからIWまでの物語なので過去の出来事という感覚で観ていましたが、今後は新キャラの誕生譚が描かれる物語や既存キャラのその後が描かれていくことになります。そう考えると、この後が真のフェイズ4なのかな?と思いました。実は今作が最初のフェイズ4作品になる予定だったことを最後のオマケ映像で痛感させられました。まさかあのキャラが出るとは⁈今後の展開にも目が離せません。
総評
MCU作品のファン、スパイ映画好きには必見の作品。過去作との繋がりは薄いので新規のお客さんでも見やすいかな?
ナターシャがより好きなれたので満足です。次回作のシャンチーも楽しみ‼︎

Y K