リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
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本当のヒーローの名を映画タイトルにする事で永遠に刻む
同監督による「ハドソン河の奇跡」と同様に、本来多数の人命を数ったヒーローとして人々に記憶されるべき人物が歪められ、逆に糾弾される対象に追い込まれてしまった実話を元にした作品。
類似したその他の事件と同様に、マスコミや人々は、糾弾している最中にはエキサイトして騒ぎ立てるが、その後、疑惑晴れたあとの後始末はどうなんだろうか?
この映画の主人公も、後の真犯人の逮捕で完全に疑惑は晴れて復権したとは言え、結果的にその後亡くなっており、早死と言える。
恐らく、世間は「真犯人逮捕」の方には報道も過熱するだろうが、誤認された被害者のその後についての関心度はそれほど高くは無かっただろうと想像できる。
そうした、本来アメリカのヒーローとして永く記憶に刻まれるべき人物だったにも関わらず、人々の記憶が薄れて行きかけている人物に対し、クリント・イーストウッドの眼差しは優しい。
主人公の名前そのものを映画タイトルに冠する事で、彼の名前は人々の記憶に永遠に刻み込まれる事になる。
弁護士役のサム・ロックウェル、すごく良いです。
「ジョジョ・ラビット」でお気に入りとなったことも手伝って、今作鑑賞の動機にも貢献してまス。
キャシー・ベイツの演技もよかったですね。
主人公の彼は、実際のリチャード氏にソックリとか?
正直者と信念と尊厳と
リチャード・ジュエルを観てきました。
今回も、事前情報一切なし。
何の話で、誰が出てくるのかも一切分かりません。
最初、ぽっちゃりした方が出てきて、さぁ、何の話なんだろうと観ていきます。
出会いがあり、別れがあり、平凡な毎日があり、あれ? これは本当に何の映画なんだろう?
と思ってみていたら、話が急展開。
しっかり伏線を回収しつつ、ハラハラドキドキ。
憤慨しつつも、他人ごとではない、はたして自分がこの状況に置かれたときに、このような対応ができるのか、信頼にこたえることはできるのか。
正直者が馬鹿をみない
途中、あまりにも耐えられない仕打ちをうけて、主人公の本音がようやく出たときには、本当、やるせないなぁと心から共感しました。
そこまで追い込まれていながら、最後のセリフがさらに心に響きます。
根っからの正直者が本当にいるんだなと、びっくりしました。
もちろん、聖人君主の物語ではなく、ごく普通の、ただ、少しだけ正義感の強い凡人が、当たり前のことを当たり前にやろうとした結果、あやうく全てが台無しに、まさか、このまま報われないことがあってはいけないと思いながら、画面を食い入るようにみている自分がいました。
欲を言えば、相手側がなぜ、そうしてしまったのかの、心理描写もしっかり描かれていると、さらに良かったかなぁと思いました。
お母さんの演技が俊逸です。
もちろん、主人公と相棒は完璧。
相棒のパートナーもいい味出しています。
登場人物自体は少ないですが、瞬きするのを忘れるくらいに、丁寧に描かれている美しい映画です。
もう一度見てみたいと思う、心温まる作品だと思います。
素晴らしい映画をありがとうございます。
イーストウッドは間違いない
実際の事件をエンターテイメントにまとめ上げる手腕はさすがだ。
娯楽として成立させるために必要な人物のリアクションをキッチリと入れ込んでいる。
胡散臭い弁護士など魅力あるキャラクターの配置もいい。
職人イーストウッドは外したことない。
偏見
アトランタオリンピックでの爆発事件の犯人に仕立てあげられた警備員とその弁護士の話。
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このリチャード・ジュエルさん警察になることを夢見る警備員で太っててオタク気質で結構変わり者。だから英雄に憧れる爆弾犯のイメージにぴったりっていう偏見で、すぐにマスコミの餌食に。
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最初こそ爆弾から市民を守った英雄ってもてはやされてたのに、容疑者の1人になった瞬間に態度を変えるマスコミの怖さ。
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クリント・イーストウッドってここ最近『ハドソン川の奇跡』『アメリカンスナイパー』『パリ行き』で英雄と呼ばれた人達の話を結構作ってたけど、今回は英雄から一転して容疑者になった人って言うのが面白かった。
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朝起きたら急に自分が何かの犯人にしたて挙げられてたら、どうしますか。
マスコミの怖さ
この世は声の大きい人が勝つ傾向が初めは強いと思うけど、マスコミはその中でも影響力が大きく怖い。リチャードは少しお喋りが過ぎるが、それは自分の事よりは、人に対するものが多くそれが優しさとも言える。最後の証言は良かった。
ダーティなマグナム
爆弾。怖いですね。学校は、難しい公式や定理より、気に入らないことがあっても、爆弾を作ってはいけないことを、教えて。
疑わしきは、罰せずと云いますが、疑わしきは、サインさせる、音声録音をする。それが、法執行人の正義。
知る権利。概ね憲法で保証されますが、知る為なら、あらゆる手管を用いるのが、マスコミの正義。
弁護人。いかなる同調圧力にも屈しない、鋼のメンタルと、スニッカーズこそ、正義。
正しさ。どんなに不興をかっても、貫くことが、正義。
全米ライフル協会会長たる、イーストウッド御大の放つ、ダーティなマグナムは、御見物のどんな正義を撃ち抜くのか。取り急ぎ、ライフル協会が嫌いで、鹿狩りに興味ある方、及び、そうでない方も、みんな観てね。
前フリ長くて、ご免なさい。さて、本題です。
極東の島で起きた、第一通報者が疑われ、それをマスコミが助長した事件。あるいは、とある大陸で、通報して疑われたくない故に、轢き逃げされた子どもが、路上に放置された防犯カメラの映像。ある程度の年齢の方なら、ご存じですね。イーストウッド御大が、本当に撃ち抜たかった的は、何処なのか?。改めて御考慮願います。
#明日は我が身
彼は【英雄】or【爆弾犯】か(question)
死人に口なしとばかりに自分の出世と栄光しかみていない記者達、早く片付けたいFBIや警察官達のずさんで強引なやり口が本当に酷くてみていてとても辛くなりました。
ここから冤罪がうまれるんだなーって…日々メディアの情報右往左往している自分達も同じかもしれない( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
#リチャードジュエル #英雄か?#爆弾犯か?
#冤罪事件 #こわい #明日は我が身かもしれない
母と子の物語
本人としては「当然のことをしただけ」なのに、ヒーローに祭り上げられ、一夜にして社会の敵に貶められる。誰にでも起こり得るような恐ろしい事態。恐怖や不気味さをそこまで感じないのは、彼自身が、追い込まれてもなお「人々を守りたい」という信念を持ち続けているから。そして、息子を想う母の強さを改めて感じた。
まだこんな映画を撮れるイーストウッドに感服。
目のまわりが真っ黒メイクが最後まで気になった。
無実の罪を着せられる側と着せる側、両者の悪い部分も確実に描き、人間の本質を見せつけられた。
特に着せられそうになってるリチャードジュエルの内面をこてんぱんにえぐり出して、若干気の毒になる。
誇張気味な人物の描写も良かった。
金髪で目のまわり真っ黒メイクで胸元開けた服の新聞記者なんて、完全に軽々しくって完全やな奴じゃん!
誘惑される側も絵に描いた様なやな奴なのも笑えた。
そんな逆風を一喝する、サムロックウェル演じる弁護士ワトソンが気持ち良い。
唯一一片の迷いもないワトソンと理屈っぽいリチャードジュエル、イラッとさせながらも誘導する様は見事だ。
そしてこのコントラストが物語を面白くさせている気がした。
クリント・イーストウッドさすがです。こういう映画を観たいんだよ!
脚本、演出、音楽どれも整ってます。
いやー。淡々としてますが、全く無駄が無いし、俳優も引き立ってました。
ワトソン、ナディア、お母さん、本当に素敵でした。
信じてくれる人がいるって素晴らしいことですね。
シンプルでも、伝えたいことは十分伝わるんだなと感じさせてくれる映画です。
キャシー、リチャードのお母さんの会見で、泣く意味がわからない。なんの罰もなく、償う行動もなかったのは、不条理だなあと思っちゃいました。
ここでも光るサム・ロックウェル
前日にジョジョ・ラビットを見た中で主人公のジョジョを支える良い味俳優としてサム・ロックウェルが輝いて見えた。
ここでも主役をがっつりサポートする弁護士としてサムが熱演。良い俳優だー
さらに敵役であるFBIのクソ捜査官役にはなんとマッドメンのジョン・ハムじゃん!
そんな素敵なキャストに支えられて本物のリアルヒーローだったといえあまりにアメリカンな容姿のリチャード・ジュエルはマスコミに持ち上げられたかと思ったら、急降下させられるジェットコースター人生を歩む。
捜査段階での情報をリークしたFBIがほぼ全て原因(記事にした記者はそれが仕事っちゃ仕事だし)なんだけど、燃やすも消化するもマスコミのさじ加減というのは20年前も今もアメリカでも日本でも同じだなと思いました。ただアメリカの場合はこれを書籍化することなどで大逆転が図れるというのはアメリカンドリームというアメリカでしかできないワイルドカード。
外見に惑わされるなと云うほどに、外見は重要。
あの弁護士サムロックウェルだったのか… 松澤一之かと思った(うそつけ
人には 出来る事と出来ない事、したい事としたくない事があります。
『外見が重要』という視点なら「自分自身が」心がけるて事ですかね。 でも出来ない事やしたくない事だってあります そっちのが多いかも
で、『人を見た目で判断してはいけない』ですね。
「相手をみる」こちらの教訓がこの映画の話かと思いました
お粗末な先入観、偏見、固定観念をまんまプロファイリング捜査につなげてしまう無自覚な悪を感じます。
プロファイリングを盲信する、という恐怖。
悪意があるとも限りません。 日常でないことが起こると自分や家族を守るため ときには興味本位で または正義感から 人はいとも簡単に “そういう方向” へ飛ばされていきます
そうしてその噂や判断は大抵、力の強いもの、声の大きいものが優位になりがちです、人間てホント困ったもんですね
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権力を持った人間はモンスター
ワトソン弁護士が言ってた台詞に『確かにそうだ』と思いました。
ワトソン弁護士役の
サム・ロックウェルは
【ジョジョ・ラビット】にも出演していて、キャプテンK役で憎めない人柄を演じてますよね。
今さらながらですが、『いい役者』を発見しました。
この作品に登場する【権力モンスター】はどこの国にも生息していて厄介極まりない。何とか退治する術は無いものか?
視点
イーストウッドの作品は、普通の監督が作ると極々普通の映画になりそうだが、彼は視点を変える事によって見る者に違った観点で作品を鑑賞させる能力が高い優れた監督です。
今作品も御多分にもれず、普通ならリーク記事を書いた新聞記者をもっと掘り下げるとか、対峙するFBI側の視点に立って物語が展開してもよさそうなものを敢えて主人公のリチャード・ジュエルの視点だけに焦点を当てて、そこから最後までズレることはない。
いつも彼の作品には感心させられる。
最後に裏話を。
『クリント・イーストウッド監督『リチャード・ジュエル』で「悪役」にされている女性記者キャシー・スクラガスがセックスを使ってFBIからスクープを得るシーンは名誉毀損レベルの捏造。また、彼女はジュエルに濡れ衣を着せたと訴えられて自殺している。』(映画評論家 町山智浩氏のTwitterから引用)
アトランタオリンピック どんな大会だったか全く記憶にないんだけど...
アトランタオリンピック
どんな大会だったか全く記憶にないんだけど爆破事件があったことはうっすら覚えてる。
亡くなった方もいらっしゃるし
被害を受けた方が大勢いらっしゃるのに
不謹慎な言い方だけど
リチャードが真っ正直(過ぎる)で
余計なフィルターを掛けない心の持ち主
だったから発見出来たのかなぁなんて。。
そんなリチャードの性格や気質を
見せてゆくくだりの構成が素晴らしかったし作品の主軸となる人達の描き方は
余計なものを削ぎ落とした感じなのに、
それぞれの人物に感情移入できちゃうのは役者さん達の演技の上手さなのかなぁ。
キャシー・ベイツの弱さも強さも見せる
母親役は、早く安心させてあげたいって
思ってしまったし
サム・ロックウェルの抜け感からの信頼感を感じさせてくれた男気が頼もしかったし
そしてリチャード役の
ポール・ウォルター・ハウザーが
とにかく良かった。
終盤の対峙のシーンの真剣な表情にはちょっと感動したし。
「アイ・トーニャ」の時は
マジでムカつく💩野郎でしたけど(笑)
個人的には、本作でオスカーの主演男優賞にノミネートされてもよかったのになぁと思うくらい。
それとサム・ロックウェルの秘書?
事務員?の人。
サムとの絡みになんだかほっこり。
どこまで本当なのかはわからないけど
なんだかんだ言いながら相手を
動かしちゃうところ、
ああいうことを自然と出来ちゃう人
憧れます。
派手さはないけど
一つづつ積み上げてゆく
リチャードの人物描写や
思い込みで産み出してしまう
「冤罪」の恐ろしさ、
登場人物を通して
「差別意識」の怖さを訴えてくるあたりは流石な脚色だなぁと。
時代背景の演出も良かった
マカレナダンスには不意を突かれましたw
ただ、女性記者の人物像を
前半で結構な割合で映し出してたのに、
後半にかけての彼女の心の変化の描写が
乏しくて脚色が雑な感じになったのは残念。
映画を鑑賞した後で女性記者の扱いを
巡って論争が起きてることを
知ったんだけど、女性記者は故人だし
もう事実がどうなのかわからんけど、
死人に口無しの脚色だとしたら
それはそれで怖い
実話職人!
昨今、実話ベースの映画やドラマが増えているが、それはやはり実際に起きたという力強さがあるからだろう。もちろん実話だけに結末も調べたり、当時を知っていれば分かっている事だけに、報道されなかった裏を観れるのは映画やドラマの良さだと素直に思う。多少の脚色や改変はあるだろうが、最後のエンドロールに当事者たちの名前が載っていることがクリントイーストウッドの映画は、他と少し違うように思える。
実際、アメリカンスナイパーはイーストウッドだから許可が出たと聞いた記憶がある。
今作も、真面目で純粋な青年が犯人扱いされてしまうという日本でも何度も映画化されている題材ではあるが、イーストウッドが撮ると作品への没入感が半端ではない。あと何作イーストウッドの監督作が観れるか分からないが、一本でも多くこの世に残して欲しいと切に願う。
FBIの捜査、すでに捏造。
容疑者と扱われた人間が、疑いが晴れたら警官にもなれるっていうのが、アメリカのすごい成熟してるとこだなと感心した。
しかし、F BIひどい。確信的にでっちあげをしてる。彼らは罪に問われないものなんだろうか?
誰よりも正義を信じた愛すべきおデブちゃん
多くの人命を救ったヒーローが、たった1本の記事から凶悪犯の濡れ衣を着せられて、犯人扱いされてしまった実話。
メディアの暴力はなんと恐ろしい事か。
気がつくと、劇場で拳を握り締めながら、彼の無実が証明されることを家族の一員になった気持ちで祈り続けていました。クリントイーストウッド監督。素晴らしい映画をありがとう😭
でもアイトーニャを見た直後だったから「やっぱりお前がやったんじゃね?」て印象がなかなか頭から離れませんでした💦
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