リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
全296件中、181~200件目を表示
イーストウッドの看板に偽りなし
実際に起きた事件を題材にした重い空気を感じさせる作品。
事前にCMなどで作風だけ分かっていれば、その期待が外れることはない良くできた内容かと。
ただし、実際の事件を題材にしたからといっても「内容の全てが事実ではない」ことだけは混同してはいけない、注意が必要な点は多い。
エンタメはエンタメであり、面白くなるように創られたモノだと観終わった後に変な義憤に駆られないよう留意が必要だなぁ、とは感じた。
スピーチ大好きアメリカ人
1996年アトランタ五輪の裏で起きた爆破テロで容疑者としてスッパ抜かれ吊し上げられた無実の男の話、
当時日本でも報道されたのかも知れないが、少なく共、現在この事件の記憶はなく鑑賞。
イベント会場となっていたアトランタの公園で警備員をしていた33歳の男が爆弾を発見。
来場者を避難させている最中に爆弾が爆発するも沢山のひとを救ったと英雄として祭り上げられる中で、FBIから容疑者の一人とされていることが報道され巻き起こっていく。
人の良さと優しさは感じるけれど、それが故にうだつの上がらなさも感じる主人公。
それでいて俺が俺がとアピールするのはある意味アメリカ人らしい感じ。
いやーアメリカ人てホント雄弁というか語るの大好きだよね。
さっさと片づけたいのがみえみえで決めたストーリーに乗せるべく捜査や証拠をつくろうとしていくFBIに、スッパ抜いてナンボ売れてナンボの無責任なマスコミに、考えなしで鵜呑みにし流される民衆にと、悍ましさを感じる。
自分もそんな民衆の一人な訳だが…。
仕事だからという面もあるだろうけど、知人でもある弁護士のブレない姿勢と主人公に対する態度は救いだし英雄だし、無罪を勝ち取る為の戦いは、尚積み上げられる不快感と共に、熱さと心地良さがあり非常に面白かった。
クロと断言した訳ではないとはいえ、ここまで騒いで間違いに気づいても詫びの一つもないマスコミに、最後まで間違いを認めず都合良く記憶の上書きや解釈をしているFBIに、憤りと恐ろしさを感じた。
ゾンビの襲撃に備えよう!
いやーイーストウッド監督は本当に名作を作りますね。
このところ実話系が多いですね、今回もアトランタオリンピックと言うことで、ちょっと昔の話ですけどマスコミやFBI、権力をもった存在が誤解一つでどれだけその周りを苦しめるか、今この現代も変わらない、考えさせられる
FBIは汚いね、あの手この手でジュエルから自白を取ろうとする。
マスコミも酷い。
ヒーローともてはやした後、疑惑があれば手のひら返し。
影響力はかなりのもので、ジュエルや母親は相当なストレスを抱えたに違いない。
ジュエル自身ちょっと問題がある人物、体型もだらしなく少し極端な思考、犯人に仕立てあげたくなるのはわかる、現によけいな発言をしたりハラハラさせられる、自分が電気イスに座るかもしれないのに緊張感がない。
しかし後半、FBIにはっきりと自分の意見を言う。成長した証で、そのときのセリフはとても良かった。
ここで感動したのはサムロックウェルが弁護士役なのだが帰るときに少しだけ微笑む、彼はずっとジュエルの味方で本当にかっこよかった。
ちょっと前に鑑賞したジョジョラビットでも、かっこいい太尉の役でサムロックウェル、おいしい役もらいすぎじゃない?笑
連続で美味しいところを持っていく。
しかしイーストウッドの映画は毎回音楽がいいタイミングで入る、せつないピアノの音、感動もあるがイーストウッド映画はなんともいえない素敵な余韻を残して帰れる。
余談だが弁護士はジュエルに付きっきりで金銭面とかどうしたんだろうなーと思って色々調べたが、その後ジュエルは訴訟の嵐、弁護士費用と税金を結構払ったようだ。
サム•ロックウェル(♡ω♡)
ジョジョ•ラビットに続いてロックウェルの演技を見て、改めて惚れました。
ジュエルの悪気なく問題行動を起こしてしまう生きづらさは発達障害のせいでしょうね。根は気の良い愛すべき奴だと思いますよ。
だから母にも愛され、ブライアント弁護士との良好な信頼関係も築けたのですね。
イーストウッド監督らしい一本軸の通ったしっかりとした作品で、最後まで引き込まれました。
追:
終わってからのタイトルバックも凛としていい雰囲気だったのでそのまま余韻に浸っていたら、後ろからビニール袋のガサゴソガサゴソがず〜っと継続して聞こえて来るので一瞬それも効果音なのかと疑ってしまったら、オバちゃん二人連れの持ち物でした。
オバちゃんも発達障害なんかな?
いや退化ですね。
心打たれた
ごく普通の一般人、ノンフィクション。
だからこそ、この物語に引き込まれる。
リチャードは英雄から一気に容疑者に。政府、FBI、メディアを相手に、この大きな渦に巻き込まれて、どうやって、何処まで無罪を主張出来るか。
容姿も疑われる要因の一つかもしれない。。。肥満に対する非難、そんな国柄を、イーストウッド監督は暗に批判している、そんな風にも感じられた。
現状を理解する際に立ち止まってしまう人と、現状に対して感情的になってしまう人で、リチャードに対する感情移入に差が出る。
感情的になればなる程、自分の主張を通そうとして泥沼にハマる。FBIのやり方の汚さに怒りを覚えつつ、そんな警察とメディアの怖さを、思い知らされる擬似体験が出来る。
終盤近くになり物語の進み方が、リチャードからワトソンの視点に移った感があり、そこだけが唯一の違和感だった。
リチャードの母ボビについ自身を重ね、終盤のシーンでは涙が溢れた。冤罪の怖さ、思い込みの怖さを改めて考えさせられた良作。
素晴らしい監督
期待以上の仕上がりはさすがにクリントイーストウッド
事実への道程
警備員として人命を守る!自分の仕事を全うしただけの彼が・・何故?
かたや、スクープの為なら平気で誰かを傷付け貶める新聞記者・・
確実な証拠も無いのに無実の市民を権力で犯人にしたてるFBI
こんな不誠実や歪んだ正義の世界に我々は居る・・
SNSでの誹謗中傷が溢れる昨今・・誰もがリチャード・ジョエルになりかねない
こんな時代だからこそ伝えたいイーストウッド監督の想いを一人でも多くの方に観ていただいて知って考えていただければと・・
私も含め、この作品のみならず映画から学べる事はまだまだ有る事でしょう!
映画って本当に偉大な教科書ですね
息子の無実を信じる母キャシー・ベイツ
最近は「アメリカン・ホラーストーリー」シリーズでの怪演の印象が強かったのですが
流石の存在感と名演技に心、震えました
オスカーの期待も膨らみます
・・渦中の際、リチャード御本人が日本のニュース番組に出演され
日本滞在をとても楽しまれたと聞きました・・
本作の公開に合わせて再来日していただく事が叶わなかった事がとても残念です・・
乾いた視線の先
さすがのイーストウッド監督
人は見かけが大事?
今この時代だからこその題材
自身の監督作について、もはや題材選びに関して右に出るものは居ない御大。
今回もこの時代だからこそ、この題材を選んだのだと思う。
そしていつもの如く淡々と静かに主人公たちの行く末を見守るように進むカメラワークと編集がいつも通り素晴らしく、畏敬の念すら感じてしまう。
インターネットで誰もが自由に発言出来、誰もが主役になれる今の社会において、この実話は原点であり教訓であろう。
知らない人をちょっとした正しいかどうかも分からない情報や自分だけの尺度で考えた推測で、ネット上で軽はずみな発言をする事がどうなるのか。それを考えさせてしまう、御大からのメッセージかもしれない。
大いなる力とそれに伴う責任をしっかりと考える必要があるんじゃなかろうか。
映画の中身は他の方がレビューしてるだろうから今更だが、主人公が全ていいやつでもなく、時に言うことを聞かないちょっと鬱陶しいやつにしてる所がニクい。
典型的な善良なアメリカ市民は罠にハマってしまう。
かつてイーストウッドは言った。
軟弱な時代だ。
トランプが大統領になる間際だったし、グラントリノを撮ろうとした時だったような気がする。
正義感の意味が万国共通だった頃の話だ。
横並びの社会は日本独自のものではないらしい。
正義は何者にも公平で平等であるはずなのに多数決で決まってしまう世の中になってしまった。
それに加えて野心と性欲が入り混じりホントの事はどうでも良くなる。
マスコミは利用されるだけ利用され為政者の権威だけが生き残る。スクープ記者の哀れな姿が今のマスコミを象徴している。
マスコミの信頼性が失墜して喜ぶのは誰なのか?
誰が得しているのか、少し考えれば答えは明白だろう⁈
マスコミ人はこの映画を観て考えた方がいい。
目の当たりにした事実は真実なのかを…
イーストウッドはしたたかな映画監督なのだ。
イーストウッド監督ありがとう。もっと長生きしてください。
何だろう、今日はいつもの涙と違う気がする。ヒーローが艱難辛苦を耐えに耐えて怒りの反撃を開始した時のような高揚感とは全く別種な気持ちであることには間違いない。
ジョージア州都アトランタでは、ミリタリーオタクで太った白人青年は珍しい部類ではなく、キャップをかぶれば風景に埋没すると思うし、ジュエルのお母さんにいたっては、最も多いタイプだと思う。ワトソン弁護士もどこにでもいそう。そのごく普通の3人が魂の声を上げるから、自分もその声に心が揺さぶられしまうのだろう。
ほぼ犯人として報道する記者達の前で、母親が決死の思いで息子の無実を訴えたとき。ジュエルがFBIの取り調べの中で自分の尊厳を取り戻したとき。そして、ワトソンとジュエルが闘い抜いた後での邂逅。
このリチャード・ジュエルは、映画としての完成度が文句なしだよね。全く無駄のない編集。演じている俳優の自然でありながらも心のありようがまざまざと伝わってくる演技。効果的な音楽の使い方。エンディングの素晴らしい余韻。
イーストウッド監督には、一本でも多く映画を撮り続けて欲しい。いや、後5本くらいはお願いします。
ワトソン弁護士役のサム・ロックウェルには、本当に驚く。他のレビューワーの方に教えてもらうまで、バイスのブッシュJr.がサムだと気がつかなかった。バイスを見ている時もよくこんなそっくりさん見つけてきたなぐらいに思っていたし、先日みたジョジョ・ラビットでのキャプテンKでの怪演。これから、サム出演の映画は絶対見ないと。
追記
検察がマスコミを使って村木さんを犯人に仕立てあげた事件を思い出した。マスコミと検察がタッグを組んだら何でもできてしまう。芸能人の不倫なんかほっておいて、こっちの方を国民が監視しないと。
老いても枯れないクリント爺さん
依然ハイペースかつハイクオリティなクリント・イーストウッド監督作。今作は1996年のアトランタ爆破テロ事件の容疑者となった警備員リチャード・ジュエルを描く実録物。
無責任に人権を侵害するFBIやマスコミを痛烈に批判する社会派ドラマにして傑作。
まずはポール・ウォルター・ハウザー!疑われてもやむなしと思えるちょっとおかしなジュエルを見事に演じた。ホント危なっかしくて仕方なかった。
弁護士を演じたサム・ロックウェルは今一番脂が乗っている男優さんの一人ですね。一際光ってました。
そして『ミザリー』でオスカーを手にしたキャシー・ベイツが息子思いの母親を演じた。今作でも助演女優賞にノミネートされたようです。がんばれキャシー!
全296件中、181~200件目を表示