リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
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本当に怖い!!
FBIもメディアも本当に怖い!!!
マーダーケースが似ているというだけで、どんどん死刑レベルの犯人に仕立て上げられてしまうアメリカ!!!
クリントイーストウッドが監督だと、時系列がきちんと整理されていて、
まったく気が抜けない代わりに、伏線未回収もないし、
国事情もほとんどないので、とても見やすい。
脂肪袋と嘲笑され続けた、法の執行官であることに拘った純粋すぎた青年。
そんな息子を誇りに思い、ひっそり幸せな暮らしを続ける母親。
親離れできない子供、子離れできない親。
あぁ、母子家庭ってどこの国でも似たようなものだなと思ってしまう。
リチャードが犯人ではないということは、
観客は皆、知っていた。
なのに、真犯人がまったく影すら見せないもんで、
どんどん猜疑心が膨らむという設定。
これ、本意なのかしら?私だけ?!
最後にひやっとする場面があって、
私はエンドロールが上がるまで疑い続けてしまった…。
いやぁ、面白かったなぁ。
メディアによる扇動の元凶は、決めつけ捜査だった
クリント・イーストウッド監督はインタビューで「実際にあったことを再現するのが好きだ」と語っていた。
そのとおり、実話ものを連発している最近のイーストウッド監督だが、本作もいつものように淡々と出来事を見せていく抑えた演出だ。それがリアリティに繋がっているように思う。
そんな演出の中でも、ドラマチックな場面が二つ。
ひとつは、母親の記者会見シーン。
これは、弁護士ワトソン役サム・ロックウェルと母親ボビ役キャシー・ベイツの演技によるところが大きい。飾らない演出に合わせるように、感情を抑えて訴えかける語りの名演。
そしてもうひとつ、主人公リチャード(ポール・ウェルター・ハウザー)がFBIの聴取で「証拠があるのか」と確信を問うシーンだ。
警察官への強すぎる憧れから、理不尽なFBIの要求に盲目的に従っていたリチャードの突然の問いに、捜査官(ジョン・ハム)は絶句し焦燥するばかりとなる。
この場面は映画のクライマックスであり、イーストウッドの地味な演出が光る。
多くの観客はリチャードを応援はしても、好きにはなれなかったと思う。
彼は、自分のことよりも母親を気遣う優しい男なのだが、少し偏執的で状況認識力に片寄りがある、いわゆる変人だ。
そんな偏見の目で彼を見ている点において、映画の中の大衆と変わらない。
だから、弁護士や周囲に助けられて無実を勝ち取るのだろうと思っていた観客は、リチャードの毅然とした態度に意表を突かれる。
本作は、メディアの過ちが個人を追い詰めてしまう、大衆を扇動してしまう恐ろしさを訴える。
が、自分にはそれ以上に、人を偏見で区別してしまうことを責められたようで、心が痛んだ。
女性記者(オリビア・ワイルド)が、リチャードが真犯人ではないことに気づく場面と、母親の記者会見で涙する場面が描かれているが、彼女が後悔したり償おうとする場面は描かれていない。
彼女がどのように自分の過ちを理解し、償いの行動をとるかを描けば、観る側はある種のカタルシスを得られたかもしれない。
だが、そんなドラマ作りはしないのがイーストウッド。
あくまでも主軸はリチャードと彼の仲間たちなのだ。
弁護士と助手(事務員)が、犯行予告電話をリチャードがかけられなかったことを立証するため、現場から公衆電話まで歩いて時間を計る場面で、オリンピック短距離走の映像を挿入したのも見事な演出だった。
日本でも、松本サリン事件で謂れもなくマスコミから糾弾された被害者の事例がある。
強引な捜査による冤罪の事例も数多ある。
本作で、容疑が晴れた通知を持参した捜査官が、それでも犯人だと断言する。その後に真犯人が捕まるのだが。
東京電力OL殺人事件の犯人とされていた外国人が冤罪と認められて釈放されたとき、捜査担当刑事が犯人に間違いないと発言していた。その理由は「嘘をついた」からだと。犯人でなければ嘘をつく必要がないと言うのだ。
そんな一点で確信して、尋問し状況証拠を積み上げ送検するのだから恐ろしい。
刑事には刑事の経験的勘があったのかもしれないが。
…そんな事も思い出させる映画だった。
時代は変わったな。。
展開は分かってても、感動。
お母さんの涙の訴えを見て泣いていた女新聞記者
泣く資格ないでしょ!
気付くの遅いよ·····
良い人役が続くサム・ロックウェル
ツンデレな、さりげない優しさが良いですねw
あと、キャシー・ベイツは英雄の母親から容疑者の母親へと変わっていく感じ、「ミザリー」感出ててドキドキしたww
容疑者に「プロ」はいない
事実がベースとなっているため、誰が犯人であるのかということはすでに明らかだ。
知っていてもなお見ていられるサスペンス要素とは何なのか。
つまり、物語は逮捕したいFBIと記事を売りたいメディアと容疑者サイドの三つ巴で、
唯一「プロフェッショナル」でないのは容疑者だけだということだ。
そもそも容疑者に「プロフェッショナル」なんて存在しない。
そして捜査に司法はなかなかに専門職、「プロの世界」だ。
なら同じ舞台に立った時、一番不利なのは誰なのか。
幸いにも容疑者サイドには有能な弁護士が「プロフェッショナル」としてついてくれていた。紙一重の戦いだったのだろうと感じざるを得ない。
そして同時に自分も、この映画を見る人の半数以上が素人にちがいなく、
他人事にはできないと立場をすり替えてみてしまう。
なら考えずにおれないのは、ツギハワガミ? の恐ろしさだろう。
着眼点の良さはやはりイーストウッドレーベル、と思える1本だった。
ほかにもキャシーベイツの演技が絶妙。面倒見のいい弁護士さんでよかった。リチャードのFBIを前にふるう最後の熱弁もかっこよかったな。
マカレナなつかしい。
鉄人イーストウッドはどこまでいくのだろう。
そしてまたしてもサム・ロックウェルさん。ガラリと感じが違って孤軍奮闘する切れ者弁護士役でおいしい。キャシー・ベイツ演ずる母ちゃん、タッパー取られちゃってかわいそう。ポール・ウォルター・ハウザーのほっぺたとお腹をぷにぷにしたい。
ただ脚色するところはいろいろ間違っているような気はする。このクライマックスはクライマックスとして相応しかったのか? リチャードがひとつ成長した場面であるのは分かるのだが。むしろキャシー母ちゃんの演説がぐっとくる。すっぱ抜いた女性記者の描かれかたが事実と違うと、モデルになった新聞社と揉めているそうだが…。というかFBIはこれでいいのか?
イーストウッドはもっとやればできる子だと思う(何様)。
感動したよ。
こんな映画が見たかった
純粋にひたむきに仕事に向き合った男の物語
世の中に起こっている出来事の一つ一つに触れる機会は非常に多いが、そのニュースであったり一つ一つの真贋や当事者たちの人となりや経緯にまで気付くことはなかなか難しい。
今作は96年に起きたテロ事件において英雄から疑惑の容疑者へと祭り上げられた一人の青年のお話。
アメリカでは良く見る太った白人の青年は見ているだけで何か頼りないと言うイメージを彷彿とさせ、知識はあるが正義感なのか仕事への姿勢なのか行き過ぎた行動も度々見られる。
その行動が後に疑惑の温床へと変わっていくのだが、、、。
冒頭からサム・ロックウェル扮する弁護士とのやりとりが面白い。誰よりも細かい事に気が付き、そして気配りやポイントを掴んでいる。非常に好感の持てるキャラクターだなと感じた。
この様なリチャードの人となりを丁寧に時間をかけて描いていくので、お世辞にもテンポは良いとは言えないが、やはり追体験していくと言う点では非常に重要なパートだと気付かされた点でもある。
周囲を取り囲む俳優陣もかなり鬱陶しくw(褒め言葉)
キャシー・ベイツはかなり良いキャラクターとマザコン(とまではいかないが)の息子と良い距離感で接しているありきたりな親子と言う感じが良い。また会見のシーンは本当に見ていて辛いと感じさせる演技はさすが、、、。
ジョン・ハムも本当に見ていて「なんやこいつ、悪い奴やなー」と思いながらもワンシーン・ワンシーンでなんとしても犯人に仕立て上げようとする冷徹な感じがニクイ。
そしてなんといってもオリビア・ワイルド。非常に不快感と嫌悪感を抱いた人は多いはずww(まあ演技なんですけど)
彼女の一言一言にイライラとさせられるが、やはり報道の持つ力の大きさ、そして事件の真相が不明なままでの容疑者の取り扱いには細心の注意が必要だと感じた。
容疑者の容姿が太っていたから、、、。身だしなみが汚いから、、。
外国人だから、、、。そんな些細な事ではあるが、一定のフィルターを通すと容疑者では無いのか?と疑心暗鬼になり加速度的に不安も生じていく。
今一度そんなフィルターを取り除かないとこの様な冤罪は無くならないと感じた。
日本の警察にも言える事だが、FBIもろくな証拠も無く決めつけで動いてしまう、しかも国の中の大きな権力が、、、。これが一個人にむかうのだから非常に怖い。
リチャードにはブライアントと言う頼りになる弁護士がおり、その点では非常に恵まれていたが、取り調べや家宅捜索のシーンで協力的に行っている場面では「何やってんねんww」と心の中で連呼していたw
しかしここもリチャードの良さと言うか、「僕は容疑者だがあなたたちの立場もりかいできる」的な、自分には犯行の証拠が無いのでどうぞなスタイルは理解でき無くも無いが、置かれているミスマッチな状況と相まってイーストウッド感が半端ないw
所々に心にずっしりとくるセリフや演技が散りばめられていて、映画とは何かと言うのを今回も監督は自分たちに提示してくれたと感じました。
「権力は人をモンスターにする」はFBIを示唆している様にも感じましたし、最後のFBIとの対決のシーンではスカッと晴れ渡る気分と彼の職務に対する凄まじい姿勢を垣間見た気がして心打たれました。
事件当日、ただの忘れ物として処理しようとしていた警察を遮り、「ただの警備員」が指摘し多くの人命を救った。
人間の価値は給与で推し量られる事もあるかもしれないが、誰より人命や職務に対して真面目に取り組んだ彼は非常に素晴らしく称賛されるべきだと監督も感じたのではないか?
悲しい事に若くして亡くなったそうだが、彼の行った行為とその行動は見習わなくてはならないし、色々と公平な目で(見ていく自信はまだないが)判断をしていかないと感じた。
エンドロールも非常に静かで作品の余韻を楽しみながらまたジーンときてしまった。
また新しく素晴らしい映画に出会った。
淡々と
メッセージ性が強い
弁護士が素晴らしい
弁護士が良心派で良かった。それだけが救いだ。
罪なき一般人が犯人に仕立てられる構図は見ていて吐き気を覚えるほど醜いものだ。言葉巧みに誘導するFBIはハッキリ言って悪だ。
最後に救われてほっこりしました。表現が合ってはいないと思いますが、これを作ったイーストウッドには感服いたしました。
終始可哀想という感情。
昔の警察の露骨さ、醜さ、権力という力の強さを見せつけられた気がしました。
日に日に憔悴していくのが作り物なのに本物に見える程演技力がすごい。
特にお母さん。ヒーローになった息子を喜ぶのも束の間、家に家宅捜索に来た時の演技がすごい。本当に辛そうなのが伝わった。そしてスピーチ。
最後のシーンの無実を伝える時の伝え方が最後の最後まで皮肉を込めてて後味が悪かった。
でも、良かった。
人は誇りを忘れてはいけません
誇りを忘れてはいけない。たとえ権力が目の前にあったとしても。
テレビコマーシャルでは「メディアリンチ」なんて言葉が使われていましたね。マスコミの無責任さと恐さを改めて思い知らされる作品でしたが、FBIの強引で権力を悪用した捜査の在り方にもショックを受けました。
それにしてもリチャードの言動にはハラハラしました。FBIに協力的なあまり「リチャードは逮捕されたいのかな?」と思わされる程、自ら犯罪者に仕立て上げられる方向へなびいていってました。弁護士のブライアントやお母さんがヤキモキするのが良くわかります。
それだけにリチャードが目覚めFBIに対峙した時の勇敢な姿は清々しいものがありました。誇りを持つことの大切さが伝わるシーンでした。
また、母親役のキャシー・ベイツは素晴らしかったですね!勇気を振り絞って挑んだ記者会見は涙なしでは観られません。
クリント・イーストウッドの作品はハズレがないです。この作品も例外ではありませんでした。
自分の誇りとは何か?普段あんまり考えないことかもしれません。この作品を観て、自分の芯は何なのかを見つめ直してみるのも良いと思います。
老舗の味わい
やってない、としか言えないもどかしさ
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