リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
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爆弾を発見して人々を避難させ、被害を最小限に食い止めた英雄・ジュエ...
爆弾を発見して人々を避難させ、被害を最小限に食い止めた英雄・ジュエル。
しかし、自作自演ではないかとFBIに疑われ、新聞にも書き立てられる事態に。
何とも恐ろしい話だ。
ジュエルの無実を訴える母親のスピーチに女記者が涙ぐむシーンがあるが、いやいや、お前が書いた記事のせいじゃねーか(笑)となった。
ジャーナリズムの役割
新聞・雑誌・放送などで、時事問題の報道・解説・批評などを行う活動。また、その事業。
これがジャーナリズムで、それを生業とするのがジャーナリスト。
ジャーナリストの役割は、時事問題を正確に、「事実」を大衆に届けることなわけだけど、日々の報道を見ていてもこの映画でも、果たしてその役割をキチンと心得て仕事をしているジャーナリストがいるのかと疑問がわいてくる。
ノンフィクション映画と謳われる作品でも、100%鵜呑みにして観るのはナンセンスだ。なぜならノンフィクションといっても映画という性質上、監督や脚本家とう製作者が作った「作品」なのだから。事実だけを描いているといっても演出や演技によって印象はどうにでもなるから。
しかし報道となっては話は変わってくる。報道はあくまで事実のみを伝えるため、主観を持ち込んではならない。冷静に世の中を見つめ、伝えていかなくてはならない。
大衆が鵜呑みにしていい情報を届けなくてはならない。
しかし最近のマスメディアは(最近と言っているのは自分がまだ若いからで、もしかしたらもっと前から)その信念を放棄し、どれだけ注目されるか、どれだけ大衆の目を向けられるかということばかり躍起になっている。
この映画のジュエル氏が被害にあったようにたとえ誰かの人生を無責任な報道によってめちゃくちゃにしたとしてもどうでもいい。自分達は「信頼できる情報筋から聞いたから」といえばお咎めなしだからだ。
それをよく描けていて良かった。
イーストウッド監督の作る淡々とした雰囲気に合わない題材も時々あるが、今回は凄くマッチしていた。
英雄に対する大衆の好奇の目はただ心地良いものではない。メディアの力で羨望の眼差しにもなるし虎の目にもなる。
主人公の見た目や性格を活かした映画!!
正義感が強いクソデブで迷惑だなと言う第一印象を上手く活かしていると思います。弁護士に丸投げした後も度々抜けたキャラを発揮して、結果他には無い映画になっていました。序盤は丁寧に描かれていますが、中盤「英雄」としてちやほやされるパートが短すぎる気がします。あくまでリチャードの話で、捜査自体はどう進んだのかは分からず、誰も謝らず、終盤に行くにつれてあっさりした印象でした。
イーストウッド監督はやっぱ凄い!
見始めてから、どんどん引き込まれ、一気に見てしまいました。見終わった後、疲れた、安堵したというのが第一の感想。実話なのに、よりフィクションぽい。事件があったのも、虚覚えで、あれ?これ結局第一発見者が結局犯人だった事件だっけ?と思いながら見ました。しかし、とんでもない話だなと。人々を救った英雄が、また家族までもが、国家権力とメディアによって、人格や、生活、その後の人生まで変えてしまう、悍しい事件だと。彼が尋問で言った、今後爆弾を発見しても、二の舞になるのを恐れ、第一発見者にはなりたがらない、したがって爆弾を見てみぬふりする、こんな本末転倒なことが起きてはいけないのは当たり前のこと。行き過ぎなくらい法の執行者に憧れ、自分が疑われているのにも関わらず、捜査官に協力的なことは見ていて、イライラしたし、もどかしかったですが、身の潔白が晴れた後も、警官になっていた事に驚くと共に、彼の信念を貫く姿勢に感服しました。しかし、五輪期間中に本国で起こった事件をいち早く解決しようと強引に進める国家権力はわからないではないですが、犯行現場と予告した電話ボックスの距離の矛盾を考慮しないなど、致命的にお粗末な点が、冤罪を招きかねないと感じました。また、他紙を出し抜くスクープほしさに、裏を取らないで報道してしまうメディア、またそれを裏を取らないで追いかけるメディアは同罪だと思いました。どう彼に謝罪したのか知りたいです。これはフィクションだと思いますがFBI捜査官と寝て、知り得たというのは本当でしょうか?最大のミスはまだ捜査段階の初めにリークしてしまったことだと思う。しかし、人は恐ろしい。報道されるうちに、それが真実と感じ、怪しいと思うと余計に怪しく感じてしまう。彼の見てくれや、過去の事件など、最もらしく感じてしまう。現代のSNSなど、どんどん個人特定や、自殺するまでに個人を追い込む事件が起きてますが、そこへの問題提起をイーストウッドがしている気がします。サム・ロックウェルは格好良く無いけど、良い味をだし、キャシー・ベイツも良かった。ジョン・ハムも憎たらしいFBIを好演。残念ながら、リチャードは心臓疾患で既に亡くなられていますが、この映画を見てどう思ったか聞いてみたい。
キャシーベイツに泣かされるんでしょ?ハイハイ分かってます、と思いな...
キャシーベイツに泣かされるんでしょ?ハイハイ分かってます、と思いながら観たのにまんまと泣かされた。意外とショウ捜査官も良かったな。
映画を見たら、メディアひどい!先入観サイテー!と言うけど、現実では、デブでキモいからしょうがないじゃん、と普段私も思ってしまってるね。気をつけます…。
饒舌さは世の中を渡るスキル
爆破事件の容疑者にされた警備員。濡れ衣を晴らすため、弁護士と共に国家権力と対決する姿に胸をうたれる。FBI、メディアに屈せず真実を主張。とくにメディアに乗り込んで虚偽の記事を書いた記者と激しい口論をする舌戦をみては「思考の格闘技」という印象を受けた。口の上手さこそが競争社会を生き抜いていく上で必要不可欠な能力であると実感した。
誰にでも起こり得る
根も葉もないことから、人々は簡単に騙されて、それが真実のように語られる。自分が見ているもの、信じているものを少しでも疑わないと誰かを傷つけることがあるかもしれないと、よーくよーく考えないといけないなと思わせてくれるそんな映画でした。
今や情報過多で、そこかしこで嘘の情報に溢れていて、何を信じたらいいかわからない時代、ちゃんと自分で考えて、選択して、細心の注意を払っても足らないかもしれない。どこかで誰かが悲しい想いをしないように、ちょっとでも優しい世界になるように、生きていかねば。
イーストウッド監督にしか出せない温かさ
アトランタ五輪爆破テロの犯人としてFBIやメディアから無実の罪で追いつめられる実話。
ラストとエンドロールは、疲弊した心に温かい風が流れていくような感覚で泣きそうになりました。
メディアで人を殺すのは容易い。みんな見よう。
万葉の湯劇場二本目。吹替版鑑賞。 イーストウッド定番の実話ベース。...
万葉の湯劇場二本目。吹替版鑑賞。
イーストウッド定番の実話ベース。今回は主役も事件も地味目か。興行収入もやや伸び悩んだ模様。
リチャード、その職目指すならもうちょい絞ろうよ。弁護士もどこか胡散臭いし、途中大どんでん返しを期待しちゃったよ(笑)
内容は冤罪もの。このジャンル、個人的に興味があり、結構読書なんかもしてる。よってあるあるの展開で今一つ盛り上がれず。記者とFBIに謝罪させたかったね。
リチャード、喜びのあまりでかいドーナツ食うのはやめろよ。エンディングテロップでやっぱり…
Basic Incom時代の・・?
最初に、いつも高いレベルで映画を製作される監督に「敬意と称賛」を送りたい。
映画の内容を評論しても仕方ない。
この映画が、ぼくにとっていろいろと考えさせる作品になったのは作品内容とはまったく(たぶん)別の個人的なテーマ「情報化社会(人世代前の世界)」と「Basic Incom時代」のひとびとの生き方。
すでにマスコミ(TV、新聞、出版社、映画も入るのかな?)の正義が実は自分たちの利益でしかなく、国家や社会の利益とかけ離れていることが明らかになってしまった今、AIとロボットの時代における「人間の生き方がどうなるのか?」を知りたかったぼくにとって示唆的な映画でした。
ちょっと自閉的なスペクトラム症候群的な主人公ですが、喜んで警察システムの中で正しさを実現しています。それが彼は幸福なのです。
なんとなくシンギュラリティ後の人たちの生き方なのかな?と。結局、雇い主が変わるだけですね。
倫理的な感情を抜きにすれば、それはそれで次の現実なのかもしれない。
無罪を証明するのは難しい
この系統の映画好きでよく見ますが、やってないことを証明するのってホント難しいですよね。
自分も怖めのロックバンドとか好きで聞いてるけどリチャードの様に何かの拍子で事件に巻き込まれたらこれを聞いてるだけで容疑者に仕立てられるんだろうなと怖くなります。だからといって好きなロックバンドを聞かなくなるのも違うと思うし、ただ真実をねじ曲げられる権力に対してどう対処していくのかこの映画から学ぶ事は多いと思います。
法執行官
体制側に自分の立ち位置を置くことが心の安寧をもたらすのであれば、哀しいところである。実際はその虚構にとっくに気付いているリチャードの吐露はこの映画の見所である。しかしこのマウント根性が社会を弱体化させているだけに同情はできぬ。
他方で捜査側とメディアの陥る様も重要なテーマ。検証せずにダダ漏れというのはこの国でもよく見かけること。取り返しがつかぬ。これは罪。
最近のイーストウッド作品の終わり方 終わり方がなーーッ!って…なる...
最近のイーストウッド作品の終わり方
終わり方がなーーッ!って…なる。
良くも悪くも…山も谷もない。
つまらないわけじゃないけどお勧めはしません。
正直者
アトランタ五輪イベントの警備員のリチャードが第一発見者として爆弾を見つけて人々を避難させることにより、被害は軽減できたが、同時に容疑者としても疑われ、友人の弁護士とともに戦い抜くストーリー。
リチャードはドがつくほど真面目で正義感溢れる青年。そこに漬け込んでくるFBIとあることないこと書き立てるメディア。
人生はしたたかさも必要だと思わされる。しかし、最後は真正面から正直を全面に出し、裁判に勝った。やはり正直、真面目を貫いていくことの重要性を感じた。
「映画」の使い方
俳優が「映画に・恩返ししたい」という声は聞くが、
監督は「映画で・恩返ししたい」ような姿勢に思える。
映画は映画にすぎず、「伝えるための手段」として道具(ツール)として、割り切って映画を作っている感じも受ける。
映画とは、「楽しさ」「悲しさ」「感動」「恐怖」「探求心」「夢」を伝えるための手段。映画の神髄を理解しているからこそ、監督の作る映画は、とても真摯だし、観ていて姿勢が正せられる。
可能な限りたくさんこれからも作ってほしい。監督の「映画に対する心」をどんどん残していってほしい。映画に対して真摯な人間が作る次回作が楽しみでしょうがない。
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