リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
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そんなに写真撮って何が面白い?
メディアリテラシーという言葉がある。
簡単にいえば「情報に惑わされるな!」という意味だ。
近くで事故や事件が起こったら通報より先に写真を撮る時代。
そんな時代にイーストウッドが警笛を鳴らした。
この作品は実話とは思えない程濃厚だ。
しかし娯楽として観ていけない。
社会派として観ないと意味がない。
作品について語るつもりはない。
完璧だから、「臆することなく全ての人に観て欲しい。というか観ろ!」としかいうことがない。
でも1つだけいいたい事が
母の会見のシーンは泣けた。まさに名演!
イーストウッドの作品は年々良くなっている。
もう、かなりの年だがもっと名作を作って欲しい。(無理はしないで)
これからも社会の欠陥を抉り取って欲しい。
ポール・ウォルター・ハウザーの演技最高!
いかにも…してそうな奴を演じさせたら右に出る者はいない。
ブラックグランズマン、トーニャなどなど、
「本当に、こういう人でしょ?この人?」って思ってしまうぐらい。
今回も疑われそうな人物である事は分かるし、疑われだしてからも危うい。(笑)
でも、彼は自分の職への忠誠心、警察やFBIへの憧れ、根底にある「人を守りたい気持ち」が、クライマックスに近づくに連れて、見てるこちらをヒリヒリと痛みつける。
最後は泣きそうでしたよ…。
最高です。
クリント・イーストウッド色
ゆっくりとしたペースでじわじわとラストに向かい、派手さはないけれどいくつかの名言がもりこまれ、思わず涙して拍手をおくりたくなる場面が何ヵ所かありました。こういうところがクリント・イーストウッド的作品って感じがします。
あくまでもメインの二人に焦点をあて、ぶれないところがとても良かったです。
今回のラストシーンは、、
いつまでこういった映画が観れるのかわからないのでとにかく観にいく。とにかく端的に必要最低限に進む。とにかくキャッシー・ベイツがいい。このお母さんの一喜一憂だけで持つ。弁護士、アバズレ記者、FBI、適材適所、そして後半での転換。話題の中心が困ったタイプのしょうもなさも抱えたデブなのだが、イノセントであることは間違いない、その彼の最後のドーナツ食うところの、、
イーストウッドの映画はいつも事後のラストシーンが本当にぞっとするほど素晴らしい。だいたいテーブルかカウンターかの。
冤罪の恐怖
誰にでも降りかかりそうな、恐ろしい実話ベース。
サムロックウェルが良かった。
主題と外れた部分で批判を浴びたと言う本作品。
確かに女性記者の描かれ方には首を捻った。
もっと言うと担当FBIの嫌らしさか。
イーストウッド監督の名前のおかげで過大評価されているのでは・・・
評価が良いのは、イーストウッド監督の名前のおかげで、はっきりって過大評価ではなかろうか。
本来ヒーローになるべき人物が濡れ衣着せされて、そこからの名誉挽回の物語だけと、
主人公に全く魅力がない。
(容姿はともかく行動が一般人と違いすぎる。アスペルガーの人?)
そして名誉挽回の過程があっさりしすぎてる。
無実の人を興味本位で犯人扱いしたマスコミはどうなった
マスコミに捜査情報流したFBIはどうなった
あんな簡単に無実とするなら最初に有罪扱いするのが愚かすぎる
本国では、色仕掛けで情報を得る女性記者の扱いがステレオタイプ過ぎて批判されてるそうだけど、それ以外でも出来は悪いのでは。
弁護士役のサムロックウェルはカッコいいね。
メディアのおそろしさと無責任
凝ったストーリー、作られた素晴らしい⁈映像が多い中で
久しぶりに人としての温かさ、愚かさに触れる事ができた気がします
いろんな物事に惑わされる事なく、大切なものを信じていこうと…単純ながらに思いました。
メディアはどの国も犯人を仕立て上げ追い回す。
彼らを見ているといつも悲しくなります。
良かった!!
主人公リチャードは確かにイラっとするほど太っている。彼が権威を信じ過ぎ、弁護士の言うことをきけずにペラペラ喋ってしまうのにイライラ。FBIに家宅捜索されてタッパーまで持って行かれて嘆く母親にその説明をし、「何で援護するの!」と怒られる。しかし最後FBIに呼ばれた時に弁護士に「相手も同等だ」と説得されてようやく「自分を逮捕する根拠は何だ?これでは今後警備員は不審物を見つけても見なかったことにするだろう。それでは犯罪がなくならない」と言ったことを切り返す。サム・ロックウェルがスリー・ビルボードとはある意味似た、ある意味真逆の、権威にも盾突き誰にも平等で、主人公にドライに寄り添う弁護士を演じていて、こっちもはまり役。オリヴィア・ワイルド演じる野心家の記者、ジョン・ハム演じるFBI捜査官に腹立ちと冤罪の恐怖を感じる。政治家は絡んでいないがマスメディアの罪の重さが描かれている。
クリント・イーストウッド監督作品で久々のクリーンヒットという感じ。
ペンは爆弾よりも強し
前作「運び屋」では、イーストウッドからの今を生きる人たちへの遺言という印象を受けた。目の前の人を大事に、後悔の無いように生きよと。
一方、今作「リチャード・ジュエル」には、今を生きる人への警告が込められていた。
新聞やテレビのようなマスメディアはもちろん。SNSの発達により、誰でも情報を発信することができ、真偽はともかく情報が溢れ出す時代だからこそ、この作品が世に訴えるものは大きい。
人を殺すのに、剣など、銃など、爆弾など必要ないのだ。なんて事実はフィクションよりも恐ろしいのか。
権力こそが正義と信じてやまなかったリチャードが、最後、権力に対して言い放ったシーンは痛快。
派手な演出はないが、奇を衒い、一つ一つの出来事を丁寧に紡いだ名作でした。
石を投げる前に考えることが必要
法執行機関への憧れと警備員という現実の落差からなのか、FBIから不当な扱いを受けても喋りすぎたりサービスしてしまったり。
自分も同じようなところがあるので、笑える場面なんだけど少し悲しくもなりました。
なので終盤にリチャードがFBIから取調べを受ける際にワトソンが「この部屋の中に君より偉い人間はいない」と言われ奮起し、正当な主張が出来たシーンがすごく良かったです。
そして何よりボビの記者会見のシーンが本当に素晴らしかった。アカデミー賞助演女優賞ノミネートも納得です。
星3.5なのは記者側、FBI側があまりに単純でアホ過ぎだったので。
あえてそう描いたのだとは思うけど実話モノなのでもう少し彼ら側の事情やこうなるまでの過程が欲しかったなと思いました。
それにしてもジョン・ハムはなぜこの役をやったのかな?
彼でなくても良かったと思うのですが??
正義の貫き方
普通に生きてていれば、法を意識することはないし、
学校や会社のルールなどを少しでも違反することはあると思う。
法に真っ直ぐに向き合い過ぎると、周囲から変人と思われ、主人公のようになるのか。
主人公を人として、自分の知っている主人公を信じた弁護士。母。友人。でも、メディアは変わってたと言うだけで、彼を履歴でしか見ない。
メディアを疑う心、メディアに踊らされない意志。何も知らないのに、煽らされない強さ。
人として大切なものを気付けた。
ハッピーエンドを否定しないが
警察官になりたかったがなれず、結婚できず、しかし、母親と二人で日々誠実に暮らすリチャード・ジュエル。
いつか警察官になるという夢をもつリチャードが住むアトランタで、1996年、オリンピックが開催された。
オリンピックの開催期間中、警備員として働いていたリチャードは、公園の片隅に仕掛けられた爆弾をいち早く発見し、率先して観客を避難させて「英雄」と呼ばれた。
しかし、警察がリチャードを容疑者として捜査を始めると、警察の動きをスクープしたマスコミによって、英雄から一転して犯罪者であるかのように報じられる。
その後、熱血弁護士ブライアントの活躍により捜査の対象から外されたリチャードは、夢を叶えて警察官となった、というハッピーエンド。
冤罪は恐ろしい、警察やマスコミが方向を誤るとその力は暴力的だ、と巨匠クリント・イーストウッドが淡々と描いた映画。
リチャードは、心の通じあう母と、無実なのだから警察と戦え、卑屈になるなと勇気づけてくれる弁護士がいたから救われたが、信頼できる家族や友人がいなければ、リチャードもゴッサムシティのアーサーのように、狂気のジョーカーになったかもしれない。
ハッピーエンドを否定しないが、世界のあちこちに広がる闇は巨匠の描く世界よりもっとずっと暗いのではないか。自分がその暗さを知り尽くしているとはもちろん言えないが。
彼の作品はいつも珠玉
彼とはクリント・イーストウッドなり。コンスタントにこれほど質の高い佳作を作り続けるなんて、まさに職人。アカデミー賞大本命とか言われるような大作や衝撃作でなくても、映画の何たるかが分かってる人の作品はいつだって素晴らしい。
リチャード・ジュエルか犯人扱いされてしまう顛末については、あまりにお粗末すぎてめまいがしそうなくらい。物的証拠は一つもなく、状況からも彼は犯人でないことは明らかなのに、プロファイリングで犯人にされるなんてありか‼️
FBIは疑うのが仕事だろうけど、恐ろしいのはマスコミ。正義の味方の顔で
他人の人生を破壊する。リチャードはリチャードで、順法意識が強すぎるし連邦捜査官があこがれなので、FBIの捜査に協力しちゃうと言う訳の分からん展開に。弁護士ワトソンの苦労がしのばれます。
リチャードの母、ボビの記者会見はやっぱり泣いた。その後映画のエンディングまでずっとなみだ。そして、サム・ロックウェルはやっぱりカッコ良かった‼️
規律を重んじて慎ましく暮らす心優しい男の受難劇(滞納はご愛嬌)
テロの爆弾を発見した警備員リチャード・ジュエルは、FBIの杜撰な捜査で、容疑者にされてマスコミからも疑われる実話。
イーストウッド監督の相変わらずの巧さ。音楽も必要最低限にしか奏でないので、最初は淡々と進行しながら、爆弾テロの予感を徐々にサスペンスとショックに向かって、巧みに誘導してゆく演出で、観客の心掴み、そこからジョエルとワトソン弁護士との友情も抑制されたタッチで描く。
リチャード・ジュエル役を演じる、ポール・ウォルター・ハウザーが、規律を尊んで、うざがられ気味の心優しい男を、ハマり役で好演。
ポール・ウォルター・ハウザーは、「ブラック・クランズマン」KKK団員や「アイ・トーニャ」の妄想ニートと同じ階層の問題のある人物をタイプキャストを演じていた人だか、風貌が同じで、思想や性格は全く違う。
その真っ直ぐな人の良さと優しさ故に、FBIの連中から罠にかけて、証拠偽造にハマりそうになるなどの危うい面やあまりの重圧に胸を押さえて苦しむ姿がサスペンスを呼ぶ。
恐ろしい事に、リチャード・ジュエルがその見た目や環境や性格の為に、疑惑をかけられても仕方ないとの意見を一部のレビューで拝見して暗澹たる気持ちにもなった。
自分の価値観のみで、イケて無いから冤罪かけられてやむえないと考えは、パワハラやモラハラをしてる人達と同じで、その自分の加害性を全く理解できないのであろうか?この映画はその危険性を訴えているのに。
そういえば、映画のFBI捜査官も最後まで自分達の過ちを認めずにいた。
FBIの捜査も、「羊たちの沈黙」などで、認知された特定プロファイルで、第一発見者のリチャード・ジュエルを、物的な証拠もなく容疑者と認定して追い詰めるサマは、本当に恐ろしい。
ワトソン弁護士や記者が、出来る範囲の裏付けもしないとは!天下の連邦警察とは!杜撰すぎる。
6年後に再会したジョエルとワトソン弁護士の素っ気ない雰囲気なのに絆を感じる、ラストも良かった。
ワトソン弁護士役のサム・ロックウェルも「スリー・ビルボード」の保安官とは、うって変わって頼りになるスニッカーズが好物な弁護士好演。
アメリカでは、内容が一方的だ!などの批判もあるし、地味な作風の良作だが、個人的には「アメリカン・スナイパー」にあった戦場でのスナイパー同士の対決などのケレン味もスパイスとして欲しかったと思う。
例えば、リチャード・ジュエルの長距離射撃の腕を生かして、彼を疑う記者のピンチを救う場面があるとか。(その時に、ジュエルがハワード・ホークス監督の「ヨーク軍曹」と同じ仕草で照準をつける場面を盛り込むとシネフィルが嬉ションします)
または、テロリストに爆弾を仕掛けられたスニッカーズを食べようとしたワトソン弁護士に、ジュエルが気付いて、投げ捨てるとテロの犯人のいる場所で爆発して、それがきっかけになり逮捕されるとか。
どうですか?ダメか?
正義の人リチャードジュエル
優しいだけのおバカさんなのか、本物の正義の人なのか。
正しいことを貫くには不具合が生じやすい今。
彼を無条件に信じ愛する母がいること、見た目や職業とは関係なく対等に付き合う友人に出会えたことが彼を本物の正義の人にした。
FBIに、ただ身の潔白を証明したくてペラペラ喋ってしまうリチャードジュエルに「だまれ」って視線を送る弁護士に激しく共感して笑ってしまった。でも彼の中の正義は自分の中のものよりももっと無垢で尊いということを最後に知り、一緒にニヤッとしてしまう。
こんな静かで熱い闘いを観て、悲しいとも嬉しいとも違う涙が溢れてきた。
母役キャシーベイツの、状況を一変させると予感させるスピーチは素晴らしかった。
粗暴ながらもノイズに惑わされることなく自ら納得したことだけを行動に移す弁護士役サムロックウェルはお茶目な一面もありすごく魅力的。次の作品も絶対に鑑賞しようと思う。
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