「イーストウッド監督はやっぱ凄い!」リチャード・ジュエル ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッド監督はやっぱ凄い!
見始めてから、どんどん引き込まれ、一気に見てしまいました。見終わった後、疲れた、安堵したというのが第一の感想。実話なのに、よりフィクションぽい。事件があったのも、虚覚えで、あれ?これ結局第一発見者が結局犯人だった事件だっけ?と思いながら見ました。しかし、とんでもない話だなと。人々を救った英雄が、また家族までもが、国家権力とメディアによって、人格や、生活、その後の人生まで変えてしまう、悍しい事件だと。彼が尋問で言った、今後爆弾を発見しても、二の舞になるのを恐れ、第一発見者にはなりたがらない、したがって爆弾を見てみぬふりする、こんな本末転倒なことが起きてはいけないのは当たり前のこと。行き過ぎなくらい法の執行者に憧れ、自分が疑われているのにも関わらず、捜査官に協力的なことは見ていて、イライラしたし、もどかしかったですが、身の潔白が晴れた後も、警官になっていた事に驚くと共に、彼の信念を貫く姿勢に感服しました。しかし、五輪期間中に本国で起こった事件をいち早く解決しようと強引に進める国家権力はわからないではないですが、犯行現場と予告した電話ボックスの距離の矛盾を考慮しないなど、致命的にお粗末な点が、冤罪を招きかねないと感じました。また、他紙を出し抜くスクープほしさに、裏を取らないで報道してしまうメディア、またそれを裏を取らないで追いかけるメディアは同罪だと思いました。どう彼に謝罪したのか知りたいです。これはフィクションだと思いますがFBI捜査官と寝て、知り得たというのは本当でしょうか?最大のミスはまだ捜査段階の初めにリークしてしまったことだと思う。しかし、人は恐ろしい。報道されるうちに、それが真実と感じ、怪しいと思うと余計に怪しく感じてしまう。彼の見てくれや、過去の事件など、最もらしく感じてしまう。現代のSNSなど、どんどん個人特定や、自殺するまでに個人を追い込む事件が起きてますが、そこへの問題提起をイーストウッドがしている気がします。サム・ロックウェルは格好良く無いけど、良い味をだし、キャシー・ベイツも良かった。ジョン・ハムも憎たらしいFBIを好演。残念ながら、リチャードは心臓疾患で既に亡くなられていますが、この映画を見てどう思ったか聞いてみたい。
コメント失礼します。地元紙アトランタジャーナル記者キャシーが特ダネスクープが枕営業だったのは間違いで、映画公開後に名誉毀損と訴訟問題になってます。対し監督は『彼女が警察当局と懇意にしていたのは事実で、この様な方法で情報を入手した可能性も十分ある』と発言したそうな。そんなキャシーも5年後にオーバードーズで亡くなります。ジュエル事件報道で精神を壊した上での自殺だったと言われています。後味の良くも悪くもある作品。楽しかったですね。
コメントありがとうございます!
冤罪事件はどこの国でもあるんだな~と感じた作品。
警察側としては誰でもいいから犯人を捕まえたと実績をあげたいもの。
まぁ、メディアも相当ひどいですよね・・・