劇場公開日 2020年1月17日

  • 予告編を見る

「明日は我が身。他人事ではない緊迫のサスペンス。」リチャード・ジュエル 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0明日は我が身。他人事ではない緊迫のサスペンス。

2020年5月3日
PCから投稿

悲しい

怖い

知的

【賛否両論チェック】
賛:命を救う行動をしたにも関わらず、容疑者とされてしまった主人公の戦いを通して、決して他人事ではないその怖さや、メディアから情報を得る者としての在り方を考えさせられるよう。
否:物語そのものは非常に淡々と進んでいくので、興味を惹かれないと思わず眠くなってしまうかも。

 爆弾を発見し、多くの人を命を救ったにも関わらず、容疑者として全国民から疑惑の目を向けられてしまう主人公・リチャード。そんな彼のために孤軍奮闘する弁護士・ワトソンや、無実を信じ続ける母・ボビの姿に、メディアから情報を得るしかない1人の人間としての在り方を、改めて問われているような気がしました。
 そして1番考えさせられるのは、こうした事件や騒動が誰の身にも起こりうるということです。実話だからというのも勿論ですが、決して他人事やフィクションでは片づけられない、本当に身につまされる内容でした。
 展開そのものは非常に静かに進んでいくほか、どうしても同じようなシーンが続いていくので、事件や物語に関心がないとどうしても退屈してしまうかも知れませんが、明日は我が身という気持ちでご覧になっていただきたい、そんな作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド