「ペンは爆弾よりも強し」リチャード・ジュエル YUさんの映画レビュー(感想・評価)
ペンは爆弾よりも強し
前作「運び屋」では、イーストウッドからの今を生きる人たちへの遺言という印象を受けた。目の前の人を大事に、後悔の無いように生きよと。
一方、今作「リチャード・ジュエル」には、今を生きる人への警告が込められていた。
新聞やテレビのようなマスメディアはもちろん。SNSの発達により、誰でも情報を発信することができ、真偽はともかく情報が溢れ出す時代だからこそ、この作品が世に訴えるものは大きい。
人を殺すのに、剣など、銃など、爆弾など必要ないのだ。なんて事実はフィクションよりも恐ろしいのか。
権力こそが正義と信じてやまなかったリチャードが、最後、権力に対して言い放ったシーンは痛快。
派手な演出はないが、奇を衒い、一つ一つの出来事を丁寧に紡いだ名作でした。
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