「イーストウッド監督ありがとう。もっと長生きしてください。」リチャード・ジュエル bionさんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッド監督ありがとう。もっと長生きしてください。
何だろう、今日はいつもの涙と違う気がする。ヒーローが艱難辛苦を耐えに耐えて怒りの反撃を開始した時のような高揚感とは全く別種な気持ちであることには間違いない。
ジョージア州都アトランタでは、ミリタリーオタクで太った白人青年は珍しい部類ではなく、キャップをかぶれば風景に埋没すると思うし、ジュエルのお母さんにいたっては、最も多いタイプだと思う。ワトソン弁護士もどこにでもいそう。そのごく普通の3人が魂の声を上げるから、自分もその声に心が揺さぶられしまうのだろう。
ほぼ犯人として報道する記者達の前で、母親が決死の思いで息子の無実を訴えたとき。ジュエルがFBIの取り調べの中で自分の尊厳を取り戻したとき。そして、ワトソンとジュエルが闘い抜いた後での邂逅。
このリチャード・ジュエルは、映画としての完成度が文句なしだよね。全く無駄のない編集。演じている俳優の自然でありながらも心のありようがまざまざと伝わってくる演技。効果的な音楽の使い方。エンディングの素晴らしい余韻。
イーストウッド監督には、一本でも多く映画を撮り続けて欲しい。いや、後5本くらいはお願いします。
ワトソン弁護士役のサム・ロックウェルには、本当に驚く。他のレビューワーの方に教えてもらうまで、バイスのブッシュJr.がサムだと気がつかなかった。バイスを見ている時もよくこんなそっくりさん見つけてきたなぐらいに思っていたし、先日みたジョジョ・ラビットでのキャプテンKでの怪演。これから、サム出演の映画は絶対見ないと。
追記
検察がマスコミを使って村木さんを犯人に仕立てあげた事件を思い出した。マスコミと検察がタッグを組んだら何でもできてしまう。芸能人の不倫なんかほっておいて、こっちの方を国民が監視しないと。
bionさんへ
バイスの二人のヒールは、その後、最高にカッコ良い男の役が回って来てると言うw
クリスチャン・ベールもサム・ロックウェル以上ですね!
bionさん、毎度ありがとうございます!
サム・ロックウェルは本当に凄いです。『スリー・ビルボード』でもレイシストの嫌~な役をよくこなしてましたし、ここで2連発ですもんね。今後も期待したいです。
芸能人を追いかけるつまらない昼のワイドショー。本当に監視しなくちゃいけない事件から国民の目をそらさせるような意図も感じられますよね~。