「声無き民の静かな怒り」リチャード・ジュエル シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
声無き民の静かな怒り
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今回も、イーストウッド監督の手練の技が楽しめる作品でした。冤罪ものはよくある題材だけど、主人公の真面目で融通の効かない気質が逆に仇になってしまう語り口が鮮やかで、彼が連行された後、母親がTVで息子が置かれている状況を知るあたりは、ゾクっときます。
それでも、主人公は声高でなく淡々と無罪を主張し、最後のFBIオフィスでの物静かな抗議は感動的で、イーストウッド監督の優しい眼差しと、心の奥で静かに小さく燃える怒りの炎が感じられる作品でした。主役三人共うまいけど、サム・ロックウェルは抜群でした。
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