ファーストラヴのレビュー・感想・評価
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女性の生きづらさ
「なんとなく感じてきた女性の生きづらさ」を、これほどまでよく表されている映画を私は知らないです。
原作本も読みましたが、作品の主題を余すところなく映像に落とし込んでいたと感じました。
我が息子たちに、夫に、全世界の男性に、もちろん女性にも、皆さんに観ていただきたいと思いました。
This is the nicest movie I've ever seen! I don't know of any other work that so well expresses the "difficulty women have in living that I have somehow felt.
何これ!スゲーいいじゃん
唯一の救いは窪塚様でした
後を引く大人の映画
本当の愛とは。当事者にしか分からない、秘められた苦しみ。
【賛否両論チェック】
賛:2人のヒロインを通して明らかになる、当事者にしか分からない苦しみや哀しみ、そして心の痛みに、思わず観ていて胸が締めつけられる。演者さん達の熱演が光る作品。
否:ミステリーのような謎解きはないので、それらを期待していると拍子抜けしてしまう。ラブシーンもあり。
本作で軸となるのは、北川景子さん演じる真壁由紀と、芳根京子さん演じる聖山環菜の、2人の女性のストーリーです。それぞれが若き日に経験した愛憎や、そんな彼女達を取り巻いていた、時に理不尽・不条理ともいうべき人間模様、そして逃れられなかった過去の運命が、次第に明らかになっていく様には、観ている側も胸が締めつけられるようです。お2人のまさに迫真の演技に、思わず圧倒されてしまいます。
逆に、どちらかというとサスペンス色というよりは、彼女達の人間ドラマが物語のメインとなるので、ミステリーのような謎解き要素は特段ありません。なので、そういった事件モノが観たい方には、不向きな作品ともいえますね。
ラブシーンなんかもありますので、一緒に観る方は選びそうな作品でもありますが、ともすると描きにくい内容にグッと踏み込んだ作品ですので、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。
もっともっと内面をえぐって欲しかった
原作未読で鑑賞。
原作読んでた方が良かったかなー?なんて思うほどに、うーん、不完全燃焼だったなー。色々と。
お話は良くできています。なるほどって感じで。
面白いです。
ただ、この上映時間でおさめるには、なかなかの深さと広さがあります。
登場人物の背景、経験、関係性が全てキーに繋がっているから致し方ないのですが、万遍なく描いているが故に、全てが薄くかつ安易な印象を持ってしまいました。
本作のポイントは人間の内面。
意識せずに形成されてしまたった内面、人格などによって繰り広げられる物語です。
闇は事実と事象のみで描写されているので、真に迫ってこなかったんですよね。
もっともっとヒリヒリ、ヒタヒタ感を味わいたかった。
説得力ないんですよね、展開に。
原作は違う気がします。
エピソード語りすぎずに、フォーカスして描くべきだったのでは?全てのエピソードに時間かけ過ぎな気がします。
演者さんたちが皆よかったので、もっともっと心に訴える作品に仕上げられたのでは?と残念に思います。
過去はわかった、で、今、なぜそーなった?を心理描写で見せてほしかった。
芳根京子さんが良かった
始まって、しばらくは、殺人の動機や登場人物の過去が気になり、引き込まれましたが、中盤から、トラウマの浅さと結末が見えてきて、つまらなくなってしまいました。監督さんからの指示だと思うのですが、北川景子さんの演技が大げさすぎて笑いそうになった反面、芳根京子さんの狂気に満ちた演技には怖さを感じるほどで、期待していなかった分、驚きました。そして、この映画の兄のような温かい人が導いてくれれば、トラウマを抱えて、うまく生きていけない人も、人生が良い方に向かうんだろうなぁと思ったのですが、映画とは違い、そんなに世の中は甘くなく、導いてくれる人には、なかなか出会えないはずです。やっぱり幸せは自分自身で、つかみに行かないと幸せにはなれないし、トラウマからの脱出も、幸せになるための相当な努力をしないと達成できないような気がします。
心のトラウマも人生の一部。
惜しい
メイル・ゲイズ(男性の目線)に関して描く邦画を拝見したのは初めてだったので、興味深かったです。特に日本で大きな社会問題である小児性愛や性的同意について触れており勉強にもなりました。
ですが惜しいとも思いました。
メイル・ゲイズを意識している作品なら、女性を写す時に注意しなければなりません。ですが、聖山の少女時代の描写で小泉にモモを触れるシーンや、デッサンするシーンなどの写し方にちょっと疑問を感じました。この様な写し方だと見てる側も「見てる側」になってしまう。
もちろん内容的に重い内容なのでモヤモヤするのは当然なのですが、カメラでの「写し方」にもう少し注意して欲しかったです。
そして個人的に見てて辛かったです。女性であるからこそ共感してしまうところがリアルだったのもあり、どう話しが運ぶかわかるからか、見ながらため息が止まりませんでした。そして単純に辛い。なので、私は個人的にこの映画を他人には絶対にお勧めしません。
よい映画だと思います。ただ自分には、なんだか違和感
父親を殺した女子大生。その動機を追う臨床心理士と、女子大生の弁護士。ふたりの関係や、女子大生と両親の関係が徐々にわかっていくという話。
芳根さんを観られてよかった。かつ、芳根さんが各レビューで高く評価されてうれしい限りです。
自分としても、推定無罪の意味を学んだ点でよかった。確実な証拠がなければ、人を断罪してはならない。「罪を犯し、刑に服す」 ということはそれだけ重いことなのだから。
映画は、テーマの重たさも、結末も含めてちゃんと面白かったと思います。ただ、兄さんは、すご過ぎるよね。その一言に尽きるかな。
ただ、俺にはなんだか違和感が残りました。「天空の蜂」 での堤監督独特の家族愛を押し出すテイストへの脚色を思い出してしまったのかなあ。
自分は、勝手に、よりハードテイストな脚色であると前提しながら鑑賞していたのかもしれません・・・
穏やかなファーストラヴ
心の闇 痛み。
北川景子、中村倫也、芳根京子、それぞれの演技が見もの。シリアスなストーリー仕立てが堤監督らしい
原作の小説を読んだうえで鑑賞に行きました。本では文字で書かれている物語を頭の中で映像化しながら読んでいたので、全てのあらすじは把握できていました。それを実際に映画で観ると、よりリアルな映像での描き方に引き込まれました。
父親を殺した容疑で逮捕された女子大生。彼女を担当する弁護士。事件の真相を知るために逮捕された彼女とコンタクトをとる公認心理士。この3人を軸に、過去と現在を複雑に絡ませながら物語が進んでいきます。芳根京子演じる女子大生が父親を殺した理由について、彼女の語ることが世間を騒がせる。「22年目の告白ー私が殺人犯ですー」のような世界観に似ているようにも感じました。ファーストラヴとタイトルにはありますが純愛とは程遠い、主要人物の2人の間には、なんとも黒い愛があります。中村倫也の、女性と無理やりな恋人関係を持とうとする演技が衝撃でした。
プロのレビュアーの方もおっしゃっている通り、芳根京子の演技が特に目に付く2時間でした。普段テレビで見せるかわいらしい一面とは打って変わって、完全に殺人を犯した一人の女にのめり込んでいました。面会のシーンでは、ころころと意見や主張を変えて相手が戸惑うように仕向けたり、突然パニックを起こして泣き叫んだり、裁判のシーンでは自分の語るべきことを悲痛な叫びとともに語る。北川景子にも負けない女優としての情熱が入った演技でした。もちろん、北川さんもずっと変わらず綺麗で、辛く悲しい過去を持つ女性を演じきっていました。
ストーリーとしてはかなり重たいです。「十二人の死にたい子どもたち」でも堤監督は未成年の自殺願望を、原作に忠実かつシリアスに描き出していて、子どもが抱える心の奥底の闇が溢れていました。この映画でも同様、なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか。そんな闇深い一つの疑問が物語をより深刻に、かつ感動的にしています。個人的にはかなり好きな物語の展開だったと思います。
監督の力不足が露呈している作品
サスペンスだけど、男女の恋愛模様の描写が強かったりしてかなり独特。どちらかというとトラウマを乗り越えていく女性の物語。って感じかなぁ。何も予備知識を得ずに観に行ったので、冒頭で「殺人事件の犯人がサイコパスなサスペンスなのかな?」と思ったが全然違った。結局「男性の女性への性の搾取」というのが作品全体のテーマだと思うのだが(他にもあるかも)メッセージ性が高い作品の割に、最後も被害者女性の苦痛しか表現していなくて、加害者の「罪と罰」の描写がないので単なる感動作になってしまっているのは残念としかいいようがないし、加害者だけじゃなくて、主人公も含めて登場人物が普通じゃない人だらけ(主人公の両親が1番ヤバい…)なので非現実的で特殊な世界にしか映らない。登場人物がこれだけサイコパスだらけだと、伝えたいメッセージ性も薄くなってしまっている。監督の力不足が露呈している作品。俳優の演技はよかっただけに残念 ※芳根京子さんを最後まで松岡茉優さんと思って観ていた…比べると顔はあんまり似てないかも知れないけど、表情や瞳が似ている気がする
心の居場所
見応えのある作品!
大学の構内で起きた父親殺人事件の加害者が事件後に放った「動機はそちらで見つけて下さい。」
と言う捨てゼリフと思われる言葉をきっかけに取材する事になる臨床心理士由紀と被告を弁護する庵野。
被告環菜の動機を探す内に彼女の思春期での父親との葛藤と真の親子関係が彼女の心に暗い闇を作る事になる。
また、環菜の動機解明の過程での由紀と弁護士庵野との大学生時代での過去の関係も想起させる事になる。
環菜の氷のように固まった心を溶かし、意外な事実を知る事になる由紀。
そして法廷での環菜の証言と母親の証言、思春期の彼女を助けた男性の証言など目が離せない展開であり、環菜役の芳根京子の迫真の演技は見応えがありました。
ただ、個人的には登場人物の複雑な関係は作り過ぎかなとは思いました。特に由紀と庵野の関係などは。
それを除いては久しぶりに良い作品を観る事ができました。
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