「寄り添うために必要な想像力」ファーストラヴ グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
寄り添うために必要な想像力
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比較的安定した〝普通〟の環境で育つことのできた者にとっては、たぶん、生まれてきただけで無条件に注いでもらえるはずだと思っているのが〝親からの愛〟(ファーストラヴ)。
正直言って、そのことがありがたいことだと感謝したり、自分がどれだけ幸運だったのかなどと思う機会は、日常生活の中では滅多に無くて、自分が親になった時とか、家庭環境の幸運に恵まれなかった友人に出会ったりした時くらいにしか感じることはできません。
それに加えて、幼少期からの性的な圧迫感。
聖山環菜の動機にはどうしても想像力が及ばない。
特に男性には。
ということがあると思います。
だから、想像力を広く喚起する語り部としての映画や文学が必要なのですね、きっと。
今作で、一番期待してたのは、芳根京子さん。
『累(かさね)』『心が叫びたがっているんだ』と文字通り、実績と高評価を累ねてきましたが、表情だけで語ってくる演技は相変わらず〝可憐なのに鬼気迫る〟ものがありました。
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ゆり。さんのコメント
2021年2月17日
私には(幸せなことに)自傷行為をする気持ちが理解できませんが、環菜は普段から自分を罰する気持ちが強かったから、父親に逆らって結局失敗した、という事でいつものカッターナイフではなく包丁を選んだのもあり得るのかなと思いました。そこを汲んであげて欲しかったです。(ただ、そもそもアナウンサーになろうと思うのかな、そこは疑問でした)
グレシャムの法則さんのコメント
2021年2月16日
環菜の動機と書きましたが、決して殺意が前提ではありません。
裁判での結着と違い、個人的には過失致死だと思っているからです。
あの一連の行動についての動機、という意味です。
変な補足ですが。