劇場公開日 2020年12月4日

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「一分の恐怖心と九分の好奇心」サイレント・トーキョー サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0一分の恐怖心と九分の好奇心

2020年12月11日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

出演者、予告共に面白そうだったので12月公開の映画の中でもTOP3に入るくらい楽しみだった作品。
ただ、★4.0からスタートした全体の評価もいつの間にか★3.1に。ショックだったが、受け止めて期待はせず鑑賞。原作は未読です

なるほど。評価があまり良くない理由がよく分かりました。みなさん仰ってる99分という尺に関しては、個人的には丁度いいなと感じたが、腑に落ちない結果となってしまった。

クリスマスイブの東京・渋谷。いつも以上に多くの人で賑わうこの日に、爆弾があると警察に通報が入る。どうせガセに決まっている、とテレビ局の職員が現場に向かうが...。

なんといってもこの映画の魅力は迫力とスピード感

話題になった栃木県に作った渋谷のセットは凄まじく、臨場感たっぷり。ここまで技術が進歩すると、本物か偽物か見分けがつかないな...

ノンストップで話が進むので、観客も油断が許されず緊迫感を維持したまま楽しむことが出来る。私はこのスピード感がかなり好き。

まぁ、言うまでもないが役者が素晴らしい。
佐藤浩市が主演と思っていたらそんな訳ではなく、出演シーンが少なかったのが残念だったが、それでもやっぱり名優だし、石田ゆり子も"望み"に引き続き恐怖を顔にするのが上手い。今年のブルーリボン賞か日本アカデミー賞の助演女優賞には彼女が選ばれて欲しいほどに。
西島秀俊は演技が上手くなったなぁと関心。
中村倫也は何を考えているのか分からない役がホントにお上手。大好きな俳優の1人です

しかし、後半になると急に面白くなくなる。
前半はどうなるんだろう?と期待が高まっていたが、裏切られたようでショック。正直、犯人はすぐに分かったが動機が普通すぎて唖然。自分はヒーローみたいに言ってるけど、別に言ってることもやってる事変わんないからね?

伏線回収も微妙であれはこうだったのか!とかなるほどね!とか全く思えず。関係性も分かりはしたが、過去に何があったのかが描かれておらず、納得できなかった。そのため、こじつけ設定のように感じてしまった。

確かに、これがどういう結末だったら感動したり驚いたりしたのだろうかとは思う。東京・渋谷で起きたテロの始終を描くのは確かに難しい。原作を読んでいないので原作はどんな展開でどんな内容なのか、映画化にあたってどんな要素が足りなかったのかなどは分からないが、どちらにせよ詰めが甘く大切なところが抜けているような気がした。

それでも、社会風刺的で嫌いではなかったです。
タイトルですか?不思議ですよね。好奇心と恐怖心って言葉が思いついただけで、思い出しちゃうんですから。

サプライズ