「彼女を容認はしても、英雄視はしない。否、したくない。」ハリエット マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女を容認はしても、英雄視はしない。否、したくない。
奴隷のモーゼとかジャンヌ・ダルクとか、彼女を称しているが、南部の白人支配者階級は、ゴリゴリのプロテスタント教徒(クエーカー教徒が助けた)だ。しかも、黒人を最初から奴隷として解釈しているので、黒人に対する人権なと最初からない。従って、登場する黒人の教会は設立当初から、良い奴隷を育成する為の学校の様な所で、この教会(プロテスタントではない)が逃亡する者に手を貸すなんて事は、最初からフィクションと見るべきだ。(ノンフィクションが多い)だから、彼女が暗躍しても、この映画の様に、教会がその加担者と疑われてはいない。更に、彼女は『北軍のスパイとして活躍』と映画の中で説明があるのだから、ガチガチの組織を有り得ない状況下に作ったと言うのが真実だとのだと思う。
つまり、白人の協力者が沢山いて、計画立てられた脱出ルートを作って、秘密裏(地下トンネルと言う位だから)に行動したのである。この映画では白人は一人も殺されないが、造反者を粛清する事もあったはずだ。
彼女の業績はリンカーンと同じ(訂正 リンカーンとは違った)で、自由と民主主義の国アメリカの為に作られた大義であると思うべきである。。
過激で無くとも、有色なアメリカ人のリベラル派は彼女を容認はしても、英雄視はしていない。勿論、当初の彼女の行動と勇気は認めたいが。そう言った目で見ると良いと思う。
キリスト教的な偽善なセリフ
『私と馬車で行くか一人で自由の地へ行くか?』
『主と共に歩きます。』
世界史の盲点なのだが、リンカーンは共和党で南部の人達は民主党指示で、プロテスタントと言う事を念頭におくと、歴史の着眼点が変えられて、結構面白い。
追記
主演の二人はどちらも英国人。アレ!?
やっぱり、奴隷と支配者としての贖罪が制作者にはあるのだろうか?
追追記
アレックス・ヘイリー原作の『roots』と言うテレビ番組が昔放映されたたり、小説が出版された事がある。結構赤裸々に描いたので、当時の解釈では急進的な話であったと思う。我が親父殿が大好きな話だった。でも、一部の黒人の団体からクレームが入ったのも事実である。さて、事の真相はどうであったのだろう?
5月24日 再鑑賞
いくつか訂正して、再評価したいと思う。
プロテスタントではなく、クエーカー教徒である事。
「ハリエット」この映画に対する私のレビューは本来は全否定しなければならないと思うが、負の遺産としてこのレビューは残す。