ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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細かい設定は気になりますが、感動できる映画であることは間違いありません
とても印象に残る作品でした。観ている間も、映画館を出た後も、心を揺さぶられ、いろいろと考えさせられました。理解してあげられなかった人のことを思い出したり、優しくしてあげれなかったことを後悔したり、偽善的であるかもしれませんが、普段の自分よりも優しい気持ちになりました。
以下ネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
映画のストーリーをまとめると次の通り。
東京のオカマバーで働く凪沙(なぎさ)は、裕福ではないが、性転換の手術を受けるために、こつこつとお金を貯めている。ある日、田舎(広島)から電話があり、母親から虐待されていた中学生の一果(いちか)という娘を預かることになる。無愛想で生意気な一果を迷惑に感じる凪沙は、一緒に暮らして一果を少しずつ理解するにつれ、母性的な愛情を持つようになる。ネグレクトで閉ざされていた一果の心も、凪沙や新しく出来た友人によって、次第に溶けて明るくなっていく。一果はバレエに打ち込み始め、その才能を開花させていく。バレエのコンクールの日に母親が迎えに来て、二人の共同生活は終わってしまう。一果が母親の元に帰った後、凪沙は決心してタイで性転換の手術を受け、女として一果を迎えに行くが、親戚一同に追い返されてしまう。やがて中学を卒業した一果は、凪沙に会いに上京する。しかし凪沙の体は手術の後遺症でボロボロになっていた。一果は海をみたいという凪沙とバスに乗って海岸へ行く。そこで悲しい結末を迎えてしまう。
物語にぐいぐいと引き込まれてしまいました。この映画に力を与えたのは、一果を演じる服部樹咲という新人女優と、凪沙を演じる草彅剛の二人の存在感です。
服部樹咲は、演技は未経験の新人です。しかしバレエの実力と、手足の長い体型がなかなかのもので、バレエのシーンがとても美しく魅せられます。そして演技の未熟さ故に、役柄の心を閉ざした少女がとてもリアルになっていました。
対する草彅剛の演技も素晴らしい。オカマの役というのは、例えば半沢直樹の黒崎のように、わかりやすく演じやすいものだと思います。それは、もともとオカマが、女を演じているようなものだから。しかし、草彅剛はオカマを記号的にトレースするだけではない。人生に疲れきった中年オカマの、男として生まれたもどかしさ、いら立ちなどを見事に表現していました。そして、持ち前の物悲しい優しい瞳で、オカマの哀愁と生まれた母性を感じさせていました。後半の優しい目を印象付けるため、最初の方のシーンではサングラスをかけていたり、手術のシーンや水槽の使い方など、監督の演出も効果的。
草彅剛の演技を、特にすごいと思ったのは、ラストの海のシーン。映画を観ながら途中までは、例えば草彅剛の同世代の井浦新でもいいのではないか、などと思っていましたが、海辺のラストシーンの演技はものすごくて、これは草彅剛以外の人では演じられないだろうと思いました。いろんな演出家に高評価な俳優さんですが、すごい役者だとあらためて思いました。
しかし、あまりにもこの二人の演技と存在感、そして演出が素晴らしかったため、軸となるストーリーや設定が、なんだか陳腐に思えてきました。もっと練った話にすれば、さらに芸術性の高い映画になったのではないか、なんだか勿体ない映画だな、そんな印象を持ちました。
物語は、まるで昭和の少女漫画のよう。出版社に持ち込むと、文学出身の編集者からダメ出しされるようなお話です。私も映画に引き込まれながらも、リアリティを感じない設定や展開に違和感を覚えました。独身の中年男に、中学生の女の子の同居を押し付けるのというのも変だし、虐待されている少女が、才能あるとはいえバレエが上手すぎるのも不自然、そんなにバレエは甘くないよとか。そして仲の良かった友達が自殺したり(なかなかの演出でしたが)、凪沙が手術の結果が悪くて最後に死ぬとか(これもなかなかの演出でしたが)、ちょっとやり過ぎじゃないの?誰も死ななくても感動じゃないの?とか。
これだけ二人が素晴らしい演技をするのだから、設定やストーリーをこんなにわざとらしく不自然にしなくてもいいのになあ、とか思ってしまいました。
ネットでこの映画に対するレビューを読むと、私と同じように感じている人もいるようで、 監督もわざわざ「これは娯楽作品、社会派作品ではありません」と発言しているくらい。まあわかってやったのだろうと思います。監督は我々より作品のことを考えていますからね。
しかし時間を置くと、これはこれでいいのだろうと、思いました。映画は作品によって娯楽といわれたり、芸術といわれたりもする表現媒体ですが、基本はビジネスです。きちんと収支を黒字にして、利益を出すことが、監督としては最優先です。小難しい話にして観客に敬遠されるより、わかりやすい物語にして多くの人に観てもらいたいという意図は当たり前。
それにストーリーや設定がおかしい、というのも無粋なツッコミであり、漫画原作の邦画は、現実離れした話ばかり。このストーリーもアニメとしての話ならば、誰も細かい指摘はしないでしょう。原作が「漫画だから」「ラノベだから」というのはひとつの免罪符になっています。
そしてなぜ漫画原作のドラマや映画ばかりつくられているかというと、わかりやすさ、感動のしやすさが漫画の設定やストーリーにはあって、観客はよくわからない作品よりも、わかりやすいものを求めている。興行的に成功するためには、どうあるべきかということをつきつめると、漫画原作のような設定になってしまうのでしょう。
高視聴率の半沢直樹のドラマなんて、小説原作で経済ドラマといいながら、まるっきりコメディですからね。わかりやすさは重要な要素なのです。
しかし、いざ撮って映画をつくってみると、監督の予想以上に役者さんの演技が素晴らしかったのかもしれません。観客にとっても、娯楽性より芸術性、社会性を感じる映画になったということでしょう。だから安易なストーリーや設定が幼稚に思えてしまったということだと思います。
劇場は女性客を中心にいっぱい。泣いている人も、少なからずいました。劇場で観て損はない映画です。
小説の切り貼りを感じる
謎のおじさん(朝になると白鳥に戻るのじゃ)の登場やわざとらしいセリフ(白鳥が海を渡ってきたのね)が唐突で、おそらく小説内のセリフなのかなーと気になってしまった
モブの喋り方もわざとらしいのなんとかしてほしかった。
舞台に母親が上がってくるのもドラマチックすぎて嫌でした。
一果と友人が屋上で語り合うシーン、階段でバレエをするシーン、友人の最期のバレエシーンが美しかったです。
田舎に帰り母に驚愕されるシーンも良かったです。
草薙剛の演技も絶賛されているけど、あまり感情移入できず。
しかし最後のあれは何死なんだ!?
美しい!
思いがけない展開で楽しめました!
まさかあそこで自殺するとは思わなかった。少女の心境を第一にどんどん進めていきますので、一つ一つの場面はじっくり描いている印象ですが、テンポは良かったと思います。
他の方も絶賛されている通り、演技は素晴らしいです。草薙さんは当然?素晴らしいですが、服部樹咲さんがとにかく良かったです。ヤンキーファッションも似合う!ギンギンの美少女ではないですが、影のある表情がとにかく魅力的でした。ちょっと演技に不自然な点もありましたが、全体的には本当に素晴らしかったです。カワイイ!とにかくカワイイです!そしてバレエ。自分の美しいとしか表現できない貧弱な語彙を酷く惨めに思います。たっぷりとバレエシーンがあってめちゃくちゃ良かったです!舞台上や練習場もそうですが、それ以外の不意に踊り出してしまうシーンや街中で2人で踊るシーンなどが心に刺さりました。自分の踊りたいという思いが溢れるかのようなとても嬉しそうな映像が凄く好きです。そしてそういう場面にはとてもバレエが映えます。見惚れるしかない素晴らしいバレエでした。
そしてコンビニから家まで連れて帰られる時の車中での表情。この子のロードムービーが観たい!この子をもっと観たい!と強く思いました。
衝撃作。映画好きなら必見です!
こりや、参ったなー。
知らない世界だったので、しばしショック状態だった。
まず、草薙くんは、期待通りの出来ですね。
映画は下調べせずに見る派。だから、夜のショーパブで働いていた者が、親戚の女の子預かって、バレエ教えて
コンクールとか入賞しちゃうとかの話なのか、
新人の女の子がオーディションで受かったのか、程度。
LGBTには、世の中そんな人達もいるのかなぐらいの認識。
そうか、母親になる為に性転換するって選択肢もありうるのか!
心が女性なら、そうなる可能性がありうるのは、考えもしなかった。あと、手術も失敗する人も多いのかな?
表面的には現れないだろうから、現実にはわからない世界。
普通の整形とかでも後遺症に悩む人の話は少しは聞くからな。
特筆すべきは、新人服部ミサキさんの素晴らしさ。
まあ、コレは見てもらって、ご自身で味わってください。
ひとこと別の視点で言うと、
舞台に立ち、観客ので演技をする人を女優さんと呼ぶなら、
彼女は、バレエという演技をする世界トップの女優さんでもあるって事だ!
あっ、友達役の女優さんもスゴイと思ったぞ!
バレエシーンは美しい!下手な演技の方が難しかったのでは?
追伸、スバルというマンガが好きだったので、バレエシーンが映画で見れて、良かった。
似てるけど、実写化してくれないかな。
面白かったけどさ。。。私はセクシャルマイノリティーです。
草彅さんの演技、挑戦してくれたこと、ありがたいなと思いました。
イチカちゃんも素晴らしいし、リンちゃんも好きです。
あと、オネエの仲間たち、楽しかった。
ヒールを履いても美しく歩くことを必死で練習するのがトランスの方々だと思います。歩き方がぎこちなさすぎる…。あと、確かにタイで手術を受けたり、命のリスクについても聞いてますが…「手術なんてしない方がいい、危険だ」という印象を受けてしまい、ちょっと引きます。
ホルモン治療のことも、ちょっと雑に描きすぎ…あんなにひどい医者いるか?(苦笑)
広島の田舎の人のシーンも、あれはちょっとヘイトスピーチ(←セクシャリティーには使えないんですけどね)みたいで、不愉快でした。
この映画を見た方が「私は差別しないぞ!だって映画で見て知ってるから!」…と、思われるのが私は嫌だなぁ・・・と思いました。
ヘテロセクシャルの方が、お涙頂戴で鑑賞される分にはちょうど良いリアリティーで良いのではないでしょうか。
あ、そうか!私はカミングアウトしていないので、両親にはこの映画見てもらうかなぁ…たぶん広島のシーンで安心するんだろうなぁ…「自分の感覚は間違ってない」って。
この映画…ナギサに寄り添う人が少なすぎると思う。
だから、「あなたは将来一人で生きていくんだから今から老後のこと考えなきゃね!」なんて、平気で言えるんだろうなぁ…(↑私のノンケの友達談)
セクマイ、なめんなよ!!(笑)
個人的にはこの映画は好きですよ…キレイだから。草彅君の演技、友達にバリ似!!!苦笑
グットトライです! もっともっと頑張って!(「昨日何食べた」とかの方が見てて安心するわ…)
残念すぎる作品
演者は素晴らしかったです。
新人さんも、その拙さが功を奏していたかも?
でもね。この深みの無さは何?
原作未読で鑑賞ですが、なんかね、なんか・・・
上澄みをすくっている感がめちゃめちゃあるんです。
薄っぺらい。
全部薄っぺらい。
風呂敷広げすぎなんじゃない?
焦点が、物語の焦点が定まっていない感じを受けました。
りんちゃんエピソード、、、軽過ぎない?扱いが。やってることヘビーなのに。
なんのための屋上シーンなの?
それと、実母再登場(水川あさみ、すごくよかった)以降の展開・・・
全く納得してませんしね。
なんで抵抗しないの?あんな毒親だったのに。
あとね、ナギサとイチカの絆の強さがどう生まれたのか・・・?の
説得力ゼロ。
ラストの浜辺のシーンでこんなこともありました、あんなこともありました
って回想シーン挟み込んで感動タイムを盛りあげよ言うとしても
涙なんかでねぇー!
あのね、稼ぐために女を捨てました、、、、とか
稼ぐために風俗始めました。。。
・・・・じゃないよね。
自分が守ってきたプライドを壊しても守りたい
愛しみたい何かに出会ったんだよね?
だから、ナギサは変わろうととしたんだよね?
あんなに嫌がってた実家帰りと本当を知られることを
受け入れたのに。
それに引き取る意思も出したその根拠は?
それを感じたからこそのラスト近くの
イチカの「ごめんね」なんじゃないの?
もっとさ、丁寧に描こうよ。
バレエがうまくなる過程なんてそんなに大事じゃないのに、あんなに尺使ってさ。
他に描くべきところあったべ?
あーーーぁ、もったいない。本当にもったいない。
まとまらなくてアレですが、
とにかく、心の触れ合い、移ろいを感じられない
作品でした。
感動💦そんなもんじゃない世界の人に観てもらいたい
観賞した次の日の朝 目覚めた瞬間
あるシーンが思い浮かび自然と涙がスーッと流れた 一緒に見た人とはずーっと長い時間 映画について語れる そしてまた涙が流れ もう一回また見たくなる。2回目見たら もう一回また見たくなる。80歳近い母は 長生きしてよかった これはすべての人が見た方がいいと感想述べた後、水川あさみさんは出てなかったねと言っていた。🤣💦 最後に 凪沙が一番女性に見えたのが 一果の為にヘアースタイルを変えた時😭母性が漏れ漏れだった🥺💕また見に行くから絶対
いい映画だけど
主演の二人を始め、役者の演技が素晴らしかったです。役者だけではなく、照明やカメラワークもよくて、雑多な家並みや室内などを俗っぽくも美しく、そんな舞台に置かれた登場人物たちも儚げで美しかったです。
主人公の一人がセクシャルマイノリティなのでどうしてもその要素を取り上げて議論を呼びそうですが、人が持つ普遍的な愛と苦悩を描いた作品だと思います。
良い映画なだけに、主人公の最後が前時代的というか、少し安易に見えてもったいなかったと思います。
それで物語が破綻しているわけではなく、悪いとは言わないけれども、もっと新しいアプローチができる作品だったのではないかと思えて、そこが大変惜しい点でもありました。
素晴らしかったです!
凪沙さんの、心の辛さや、優しい所、腹立ち
沢山の感情が 最初から最後まで 私の身体の中をスッと通り抜けていきました。
そして、今もなお残っています。
金魚に優しく餌をあげるシーンが
本当に何気ない事が胸を強く打ちつけました。
もう少しだけ一果ちゃんと、暮して欲しかった。
現実
冒頭、賑やかな音が漏れる、ミラーの前に座る白鳥たちが楽しそうに話しながら同じタイミングでリボンを結ぶ。今度は違う賑やかさのある店に母親を迎えに来た制服姿の中学生が登場する。
ミラーの前に座っていた白鳥たちと違い、ボサボサでピンで留められただけの前髪。
母親からの暴力を受けた後、謝罪をしながら寝る姿を見てさっと手を抜いて立ち上がる少女はまるでいつもその一連の流れをしているようだった。
そんな一果が乗っているバスのシーンで初めてピアノ曲が流れる。もうすでに胸がざわついて、苦しかった。
一果と2人、広場でバレエを踊る凪沙。
踊り終わった後、傍のベンチで眺めていた老人が一果に声を掛けたとき、凪沙は一果のもとへ行き肩を抱き寄せる。それは一果が内緒でしていたバイトの一件があった後で、怖いことに巻き込まれないようにと、自分が守るんだという気持ちの現れではないのかと思った。所々に親戚だからという理由ではしないような言動が散りばめられている。
別々に盛り付けられたハニージンジャーソテー、仕事終わり、階段に座る一果に掛けた「帰ろ」という一言、健二の見た目になったかと思えばもう次見たときには凪沙になっている。コンクールで周りの親が話す一果への褒め言葉を聞いて誇らしそうにする凪沙の横顔。お金がないからと断っていた手術を外国に行ってまで受けた勇気。
どのシーンも見逃してはいけない。どのシーンも抜けてはならない。
見てはいけないと思うほど、あまりにもプライベートなシーンしかなかった。見て見ぬふりをしてきたところを全て見せられた気分。
ずっとつらくてしんどくて、目を背けたくなるような、でもこれはフィクションじゃない。現実だ。
凪沙も、一果も、早織も、りんも、ミズキも、みんな確かに居る。ただの感動映画じゃない。
どんどん綺麗になっていく一果と対照に、どんどんボロボロになっていく凪沙。
一果の肌荒れがなくなったかと思えば、広島に戻ったときまた出来ていたり。
綺麗好きだった凪沙の家が数年後には場所を変え、あんな部屋に独りでいるのを信じたくなかった。
自分は世界を知っていたつもりでいたけれど、全然知らなかった。凪沙がどうしてああなってしまったのかわからない。
多くを説明しない、だから鑑賞者は知ろうとする。
母親とか娘とかじゃない。そんな型にはめる必要なんてない。
自分は一果に似ていないし、母は凪沙に似ていない。
でも、観終わった後、母親に会いたくなる、そんな映画。
全てが現実故に重くて受け止めきれない。
言葉が何一つまとまらない。
ただどうしても残したかった、彼女たちと出会った1人の人間として、自分がどう思ったのか。自分一人で整理するだけでは、この心のざわつきが抑えられなかった。
なんで
トランスジェンダーや育児放棄ばかりに目が生きそうになりますが、お金を貯めてるけどなかなか貯まらないとか、なんで私ばっかり不幸なのって思ったりとか、友人を大切に思ったりとか、小さなところでいくつも共感するポイントがあります。
登場人物それぞれが、嫌な奴であり、良い奴でもあって、みんなに幸せになって欲しかったです。
草彅くんはさすがと言うべきか、自然体の演技で、まるで凪沙が現実世界に存在するかのようでした。
醜い世界で美しいものに憧れる、その心こそ美しいのかもしれませんね。
まあまあだった
主人公の選ぶ道が険しすぎて気の毒になる。それほど母親になりたがっている感じは伝わらない。気合を入れれば海に遊びに行けるくらいなのに、普段寝たきり状態なのは変だ。
私、こわい? 私、気持ち悪い?
切ない。そして、儚い。
草彅剛の演技はどうか、と聞かれれば、どうも男が抜けていない、と感じた。例えば肩が張った歩き方とか。でも、まったく女にしか見えないトランスジェンダーを演じ切るよりもリアリティはあった。そこに、世間からゲテモノ視されながら生きている悲哀が漂っていたからだ。
そんな、一人で生きてきたナギサの目の前に、一人ぼっちにされてきたイチカが現れる。どん底同志の二人ながら、一人は夢を自らの手で掴んでいき、一人は我が身を捧げながら朽ち果てて行った。でも、二人とも同じ思いだろう。幸せかと言ったらそうでもないだろうけど、少なくともお互い自分の出来ることに精一杯向き合い、結果としてイチカの夢を叶えられた(ようとしている、が正しいが)のだから。だから、僕にはハッピーエンドに思えた。
主演はもちろん草彅剛なのでストーリーはナギサを追いかけるのだが、これをイチカ視点で物語を進めてみてはどうだろう?とも思った。・・・笑顔が素敵で、社交的とは言えずとも凛とした、NYで成功した日本人バレリーナがいる。さぞこれまで恵まれた環境で英才教育を受けてきたのだろうと周りは才能と出自を誉めそやす。しかし、彼女はその過去を語らなかった。そんな彼女の成功の陰には、身を削って尽くしてくれたトランスジェンダーの親戚のオジサン(!)と、イチカの人格すべてを愛してくれながらも失意のまま去っていった友人の存在があった。的な。イチカの華やかさだけでなく、人間そのものの強さが際立つと思う。
それにつけても、イチカとリンの二人のキャスティングの絶妙さ。草彅の存在はもちろんながら、この映画のクオリティは、この二人がいてこそだと言って過言ではない気がする。
正直、トランスジェンダーの方々の本当の気持ちなんてわからない。むしろ、わかっているっていうのは偽善だと思っている。だけど、それで生きている人がいることの事実はわかっている。そして彼ら彼女らが、苦しみながら生きているということも。
深い深い愛のはなし
内田英治監督の創り出す世界は古いフランス映画のように優しく切なく胸に沁み込んでくる。
新宿のネオンが、本物になりたかった白鳥たちを包み込んでいるみたいに…
長い手足の一果が踊る、バレエのシーンが本当に美しい。
真夜中に凪沙と一果が踊るシーンが一番好き。
草なぎさん、服部さん、水川さん、田口さんはじめ、キャストの演技がストーリーを補完してる印象。
予告のときから思ってたけど…渋谷慶一郎さんのピアノ曲がストーリーを切なく彩り、最高に泣ける。
そして…りんちゃん。
お金持ちの両親がいても、本当のりんちゃんを見ていない。見ようとしない。
りんちゃんの踊るシーンは悲し過ぎる。
愛の力で醜いアヒルの子は白鳥になる、深い深い愛のはなし。
公開記念舞台挨拶中継付きで鑑賞。
ネタバレ注意
ネタバレ注意
う〜ん
前半は草彅剛さんの演技力で観れたのですが
後半 怪我で踊れなくなった友人が自死を選ぶ。
夢やぶれたくらいで安直な展開と描き方、
毒親もがなってるだけで苦手でした。ただ最後に娘を解放したのはよかったです。意外ですが
ジブリに例える方いらっしゃいましたが、
とんでもない苦笑。重すぎ
ジブリも見ましたが違和感なくすっと入ってくる。
トルメキアの輸送機が墜落してお姫様が怪我。ナウシカが確認するけど一切傷は見せない。
本作はあんなオムツが、嫌悪感しか残らない
。生々しく、悲惨すぎて(汚)。体張ってる俳優さんには申し訳ないがストーリーが全く入ってこない。ボランティアの人がいるならゴミも捨てるだろうし。なぜ汚部屋
話も同情誘ってかわいそうでしょ?感が前面に押し出され
観客も泣ける(人もいるかもしれないが)、バレエシーンがよかったとかの薄っぺらい内容だったと思います。
登場人物の描写が必要な時には足りなくて、必要ないシーンが多い、観る者にはモヤモヤ
違和感しか残らない映画だった。
本当の母娘に👠
草彅剛演じるショーパブダンサー凪沙と、育児放棄や虐待の中で心を閉ざした一果との、すぐそばにある、隣にいるかもしれない生々しくも儚い物語と感じた。
母親からの虐待で、一果は凪沙の住む新宿に居候する形になったが、凪沙は受け入れてくれないは、
一果も、挨拶も出来ないは 会話にもならないはで…
どんだけの思春期なのかと感じながら観ていました💦
一果がバレエと出会ってから、凪沙も一果もどんどん変わっていって…まるで本当の母娘であるかのように
凪沙が一果を連れ戻しに行った時の、「本当のお母さんになれるのよ」がすごく印象的だった。
東京に戻っていく後ろ姿の真っ赤ヒール👠とともに
大きく才能を開花した一果が、アメリカの
オーディションに向かった服は、凪沙のそれのようだった。
舞台袖で一果がつぶやいた「見てて」
凪沙に届いて欲しいと強く感じた。
色々切ないです
才能があり世界に出て活躍出来る人は、肉親との絆が薄く大切な人とは別れて孤独だったりするような切なさとか、
母になろうとして実母には叶わなくて性転換手術をして一果を迎えに行ったものの、次に一果に会った時は余命僅かである切なさとか、
病床での出血の場面、荒れた部屋、金魚がいないのに汚れた水槽に餌をやるシーンなど、
凪沙はトランスジェンダーで生きにくいと感じながら、一果と向き合い夢を叶えてやりたいと頑張ったのに、何でこんな最期なんだろう、人生の理不尽さややるせなさを感じました。
毒親、自傷行為、貧しさ、別れ、落とし所が見つからなくて、一果が世界で活躍するバレリーナになると信じることでしか救われないラストでした。
バレーの美しさが切なさを際立たせ、草彅剛だから表現できたと思います。
演出では、アパートの部屋に映るネオンが薄幸さを感じさせ、草彅剛の女性の立ち振る舞いの上手さに俳優としての意気込みを感じました。
親子になる。
親子の愛情物語(ラブストーリー)
登場人物達のリアル過ぎる物語。
ラストの後ろ姿を見て中で生きてる事が分かり嬉しかった。
あと、多分コレは小説も読まないといけないヤツだ。
本屋で置いてない(売り切れか?)Amazonで注文しました。
悲しくて、強い映画
いい映画だなと思った。好きな映画です。
好きなジャニーズ系の俳優としては草彅剛、二宮和也、長瀬智也、生田斗真、という感じだったのですが、最近、草彅くんはちょっと敬遠気味でした。
しかし、やはり草彅くんは安定していました。
最初は何か役にハマっていない気がしてて、「どうかな?」って思って観てましたが、1/4を過ぎたあたりから自身が慣れたのかわかりませんが「グッ」とよく感じられました。
それは途中でこの映画は表情の映画、動きの映画なんだなと感じ始めたらからかもしれません。
台詞回しとかではなく、この二つに決して多くない台詞を絡めていき、伝えてくる気がしました。
当然、踊りが柱の一つになっている映画なのでそうれはそうなのかもしれませんが、細かい所作、歩き方などが印象に残り、言葉ではない伝え方をされていると強く感じました。
細部に対する心遣いを随所に垣間見られて、やはり「言葉で語る」映画ではないのだと思いました。
出演は皆さんとても巧くてよかったですが、踊りは語る必要なく、やはり服部樹咲さんは存在感がありとても良かった。「この目を惹く感じ、良いな〜」感じ、監督はこの女優を見つけたときとても嬉しかったのではないかと思ってしまいました。
この映画のメインテーマ曲のように、繊細で優しいながらもとても力強い映画だと感じました。
「ヨシヨシ」と「キレイ」はとても心に残る名シーンだと思いました。
後、らんま1/2は面白い。
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