ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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愛だけでこの汚く醜い世界を肯定できる
現代社会では、LGBTQへの理解を深めようという動きが活発だが、実際には、同性愛者や性自認と異なる身体を持つ人々に対して、依然として強い偏見や嫌悪感を抱く人が少なくない。自分も周りにそのような人たちがいた場合、彼らの個性をまるごと認められる器があるかどうかわからない。
ただ自分らしく生きたいと願う一人の人間であるにもかかわらず、自身の信条を曲げなければ社会に差別される渚の姿は、あまりにも痛ましい。しかし、そんな渚の姿を目にした一果が、この汚く醜い世界に絶望するのではなく、渚から深い愛情を受けたおかげで、この世を肯定することができたのが、この映画の希望だと感じた。
人間的に成長できる心に残る作品
すごくよかった。観終わった日から、見える景色が変わる映画でした。
やっぱり映画っていいな。って思える作品。すごくいい一日になりました。
(最後切なすぎて、アフターケアサボったから?というところが引っかかり…調べたら小説版は帰国後手術したところが壊死したけど1人になり生きる気力失って寝たきりになってケアしなくなって…という感じ。
賛否両論あって現実的には、壊死してもそこまでなるのはありえない!?かもということで、最悪のケースすぎて辛すぎてマイナス0.5。調べなくても生きる意志がないからというのは伝わった悲しいし生きててほしかったけど、終わり方としてはインパクトあって良かったのかなと思う。)
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草彅剛さんの新幹線大爆破も期待*⭐︎゜゚・*:
心に残る作品
個人的にハッピーエンドよりも、視聴者に委ねるようなメリーバットエンドが好みなので最高の終わり方でした。
何より草彅さんの演技が非常に高く、アイドルではなく役者の方が本業なのかとも感じられました。他の某映画でもそうだったのですが、性転換は失敗するのが映画的セオリーなのかなと最初は思いましたが、そうではなく作中後半の、性転換の難しさや、それを理解しつつも彼女たちが持った希望と酷い現実が混ざり合ってあの腐臭の中に漂う甘い希望という、いい意味での気持ち悪さが非常にリアリティを感じさせ、あの主人公の終わり方はあれでなくてはこの作品は完成しなかったのだと実感しました。
作品の話の中に必要だから取り入れられたLGBTの姿は「ポリコレ映画」ではなく「一つの作品」として完成されているものでした。
色々とショッキング!!!
最初に言わせてくれ、何でみんなそんなにすぐ暴力振るう???
まぁ、それは置いといて。ずっと観てみたくて楽しみにしてたけど、うーん。涙の一滴も出なかったですね。。でもね、つよぽんや一果ちゃん役の子、他の役者さんの演技は凄く良かったんですよ。でもでも、色々と説明不足で意味わからんシーンの多い事多い事。。踊りながら屋上から飛んでったあの子どうなってん??
なぎさがお母さんと間違えて呼ばれて笑っちゃうシーン、オネェ様たちが一果ちゃんをジュースでもてなすシーン、オネェ様たちがバレエコンクールを観に来たシーンは好きです。
そして最後に言わせてくれ 草なぎ剛めっちゃ横顔綺麗。
愛する辛さ
なんと言っていいのか......
いい映画、と言い切っていいのか迷ってしまうような、とても考えさせられる映画だった。
ただ女性として生きたいというだけなのに社会に弾かれるつらさなどを改めて知れた。
とにかく草彅剛さんの演技が凄かった。草彅剛というか、凪砂だった。ずっと凪砂だった。
服部さんの演技もすごく良かった。自然でこの映画の良さというか、雰囲気を物凄くかもち出していたと思う。
特にりんちゃんといちかちゃんが同時に違う場所で踊っているシーンは不思議で、綺麗でとても好きなシーンだった。
様々な愛のかたちが人を助けることもあれば同時に苦しめることもある、愛の力というのはすごい。
最後まで引き込まれた!!
何となく観始めましたが、洋画の「チョコレートドーナツ」(2014)に近いテーマでもあり、退屈せずに最後まで観てしまう魅力がありました。中盤までは、現代の生きづらさを一点突破するヒントのようなものを感じました。終盤、主人公の具合が悪くなるのは唐突な気がしましたが、ストーリーをまとめる都合上、仕方ないのかなと思ってしまいました。渚にて、凪沙の「きれい…きれい…」が特に印象的でした。
真夜中の白鳥
評価が高いことは知っていたが、近年の邦画の中で映画らしい映画だと感じました。
なおかつ一果役の服部樹咲さんの演技、大人になってからのシーンはともかく、13歳、14歳で演技経験がないにも関わらず、余白の演技が素晴らしい。
元々、バレーはやっていたみたいなのでそこの経験値があったのも、素に近い状態でいられたのかも(あくまで主観)
一方で草彅剛の演技が最初は入り切ってないのか微妙に感じた。しかし、病気になってからの演技が圧巻。この人はやはりなにかをすり減らした状態の演技が一番光る気がする。
ストーリーとしてはなにか良くも悪く丁寧に起伏を作って進んでいく感じ。しかし、音の使い方がよく、それがシーンをよりよく見せているものも多かった。
血は水よりも…
血は水よりも濃いという言葉があるが、同じくらい濃いものもあると思った。
役者はみんな頑張っているが、展開に違和感を感じたので、この評価。
・イチカが初めから踊れるのが変
・イチカと親の関係性が回復する展開が早すぎる
・イチカ、急にヤンキーになった感
・ラストの海外パートが情報少なすぎ
・リンの親が絵に描いたバカすぎる
あと、新しい地図のマネージャー飯島さんが、エグゼクティブプロデューサーなのが目についた。
彼女はそっと彼の胸に顔を埋める。
『何?その髪型』
『これ?就職したの。』
『頼んでない!』
ふてくされる一果
『何?その態度。誰の為に仕事すると思っているの?』
つい怒ってしまう。
『頼んでない!』を繰り返す。
さて、彼は怒りを抑えて
『こっちに来て。。。』
一果も落ち着きを取り戻す。
『よし。よし』
一果の実の母親も同じセリフを映画の冒頭で吐く。しかし、この場面で、彼は『よし、よし』彼女はそっと彼の胸に顔を埋める♥
古い価値観に囚われすぎて、身を崩す男と、どんな人にも優しさがあると理解した少女の成長の話。
一点だけ不満が残るが、そこを除けば傑作だと思う。
海岸で、少女の美しさに朦朧とする。しかし、彼はもう目が見えているわけではない。彼女は外見が美しくなっただけでなく、内面が大きく育ったのだ。だから、本当に美しいのだ。
古い価値観に見放されたこの男は、最後に眠るように美しく天に召される。涙が抑えられなかった。
今回二度目だが、リトル・ダンサーと匹敵するが、最後はリトル・ダンサーと同じ終わり方を僕は好む。
主人公の態度が…
ネタバレ注意
この物語で私が1番感情移入したのが、本編には姿すら出て来てない、凪沙の介護をしている方でした。
ゴミが散乱した汚部屋で、血も繋がらない人の血のついたおむつを替えるのに、あんな横柄な態度を取られるなんて…
訪ねてきたのが、介護の方じゃなくて、美少女でバレエの才能のある姪っ子(凪沙の夢を託す存在)だとわかったとたん、コロッと態度が変わって猫撫で声をだしはじめたのに、ウヘァアってなっちゃいました。
凪沙も心と体が違う性に生まれてきて、要らぬ苦しみを味わっているのはわかるけど、介護してくれる方は何も悪くないやん。
むしろそんな普通の人が避けて通るような悲惨な状況に関わってくれる、めちゃくそ優しい人やん。
そのこと主人公はわかってるのかな?
願わくば介護の方が、ボランティアとかじゃなく、まともなお給料を貰っている事を願います。
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追記
これを投稿した後に、もしかしたらあの態度は、仲間内でブスブス言い合う、新宿二丁目のノリなのかな〜?と思った。
凪沙が内向的な印象だったから、投稿した時は思いつかなかったけど、凪沙が手術するまでに二丁目デビューしてて、そのノリを覚えてたとしたら…
凪沙「早くしなさいよ!ブス!」
介護の人「ブスって目が見えないくせになんでわかるんですか〜w」
凪沙「うるさいわね!性格がブスだって言ってるのよ!」
介護の人「あんたよりましだしwほら、おむつ脱がすから腰浮かすよ。ちょっと痛いから構えてよ。せーの!」
みたいな。
介護の人が、こんな明るい人だったら、少しは救いがあるかな。
気になる個所がちらほら
最初は不仲だった血のつながりのない親子的な関係の2人が徐々に仲を縮めていく、というベタだけど見ていて熱くなる展開は良かった。
ただ、中盤から気になる個所がちらほら出てきた。
・りんはなぜ死んだのか?そもそも本当に死んだのか?
その辺りは一切触れられておらず、なんだかなという感じ。
・本当の母親は急に改心しすぎでは?
あれだけの毒親ムーブを見せてなぎさが家にやってきただけで心を入れ替えたのか、その辺りももう少し厚めに描いてほしかった。
・なぜ病院行かないし
海岸のシーンでなぎさはなぜ病院に行こうとしなかったのか。
もう死にたくなって最後にいちかの踊りを見て天寿を全うしたかったのか。
気になる要素を残すのは結構だけどちょっと気になりすぎた
15分25秒の予告につらた感じ
yotubeで見た予告はとても感動的だったけど、それは「いいところを上手く集めたもの」で釣られてしまったという感じ。
最後ジェンダー草彅は死んでしまうのだけれど病名が不明なために、ホルモン注射や男性の性器を取ってしまったことからくる悪影響のように思えてしまうが
「トランスof アメリカ」だったか正確なタイトルは覚えていないけど性器を取る為に旅に出かけたジェンダーが男として結婚していた時にもうけた一人息子と偶然列車に乗り合わせるという映画ではその男性は健康そのものだった。
予告を見たから引き取って育てた娘が草彅を男性として好きだったというのが分かるけれど、映画では、ラストに男の姿で抱き寄せられたところを思い返すシーンがエンドロールと共に流れるだけで、そこまで来ないとラブストーリーだと分からない。
母親になりたがっているジェンダーと男性として恋をしている高校生の切なさを描くには不十分この上なかった。 中途半端に女子高生の友情を描く時間があったなら、2人の距離が縮んでいく様をもう少し丁寧に
ラブストーリーとして描きたいなら、少女の微妙な表情などを多く取り入れるなどしていった方が何を言いたいのか主軸がはっきりしたと思う
予告の最後に「世界で一番切ないラブストーリー」という文字が映し出されるが「ラブストーリー」だとわかりづらい。
作品を作るということ
樹咲さん演ずる一果のバレエ、綺麗ですね。小顔で手足が長くバレエの為に生まれて来たような容姿。
多分、一果とは真逆の生活環境で育っているのでしょう。
この作品でLGBTの苦悩の入り口を少し覗いた気になってレビューしましたが削除して改めて投稿しています。
他の方のレビューで知り得たのですが、凪沙の手術による身体の不調は稀であるという事。
私にとっては二度と目にしたくないぐらいの衝撃を受けストーリー的にも主人公が一人いなくなるかもという大きな出来事です。
であるのに殆どの事例は健やかに過ごせている筈だとか。
つまり凪沙さんの術後の不調はあり得ない事らしいのです。
凪沙を死なせず一果と仲良く親子のハッピーエンドだと印象が弱まるからでしょうか。
草なぎさんの熱演が勿体なく思えました。
鑑賞する多くの方があまり知らない世界の事。
ストーリー的に受けるからと事実とかけ離れた内容では感動できないです。
シナリオがなぁ…
世間的ステレオタイプのLGBTで偏見のある演出かもしれませんが、草薙くんとてもキレイでした。
イチカ役の子も、とても強い(色んな意味で)のに儚げな演技、最高でした。
問題はシナリオなんですよ、シナリオ!
唐突にリンはタバコ吸ってイチカにキスして、他人の披露宴で踊り狂ったかと思えば飛び降りて、それ以降の描写ほとんどなし。
ナギサは転職繰り返すキャラじゃないんじゃないの??
あの流れなら、イチカにバレエ教わって店のショーが盛り上がって万事うまくいくじゃダメ?!
イチカのコンクールに唐突に来た母親。
急に情にほだされて舞台上で2人が抱き合うシーン。
ナギサの母親、そもそもお前が面倒見ろとか言い出したのにその母親がナギサを叱責、"病院に行け"ってヒスるとか…
イチカの母親もクソ中のクソ。
この親戚集まったシーンは本当に嫌悪感しかなかった。
ナギサ最後死ぬ必要あるの??
ハートウォーミングで終わってよくない?
死んだ後の掘り下げも全然なくて共感できない。
大事なことはそっちのけで、感動するでしょ!刺激的でしょ!ってシーンだけあげつらってる印象しかない。
なんのカタルシスもなく、モヤモヤーっとしたシナリオでモヤモヤーっと終わりになる。
また、違ったブラックスワン
トランスジェンダーの男性とネグレストを受けている女の子との共同生活を描いた作品。
こういう作品は、どこか偏見や価値観の違いからあまり受け入れられ事がない事がと多いと感じる事があります。
だけども、この作品は、多くの人が観てほしいと感じました。
今、世界でもLGBTに対する考え方が少しずつ変わりつつもあるけど、まだそれは小さいと思う。
作品の中で女の子は、自分の成長の中で上手く、自分の感情に対して向き合う事が出来ずいる。
トランスジェンダーの男性は、世間という周りから受け入れられずにいて、どこか虐げられ生活を送っている。
それでもなんとか前に向いて動こうと四苦八苦しながらぶつかりながら、前に進もうしている姿がとても良かった。
女の子為に自分が踏み出せなかったら、性転換手術にも取り組み心身共に女性になる事でほんとの母親になろうとしていた。
それがきっかけで自分の身体がどんどんとおかしな老化を遂げてしまう。
生きるという事は、それぞれの人生があるけど、それを誰かの考え方によって固めてしまう事は、その人を殺すという事になるのかもしれない。
簡単に受け入れ事は、難しいけど、そういう人達の声を聞いてみる事は、出来るなと思う作品でした。
マイノリティだからこそ
どこに才能の芽が咲くのかは誰にもわからない。
広島の片田舎でヤンキーのシンママにネグレクトされたバレエの才能があるイチカ。
トランスジェンダーのなぎさ。
最初は腫れ物を触るような二人がお互いの弱さを見つけていくうちに、あぁ一人じゃないんだ、って思い始めて不器用ながらも心を開いていく様子をじっくり描いてる。
とはいえ、多感で一人では決断も生活もできない中学生。母の元に帰るけど、ちゃんとなぎさの「自分を大事にして強く生きるんだよ」という言葉どおり、NYのバレエ学校に進む。
バレエの先生にも才能を見出してもらってたけど、あの先生も物事をフラットに見れるから、イチカも信頼できたんだろうな、いい先生だったよね。
最後は、せん妄が見えてたのかな。
海で美しいものを見ながら天国に行けてよかったと思う。このまま、あの部屋で一人死んでいくなんて悲しすぎる。
草彅氏の演技が棒読みに見えるけど、あれは自然体と表現するのか。
母になろうとして、やがて女になった悲しく優しい物語
名作を今更ながら鑑賞。
虐待、あるいはネグレクトを受ける子どもが実の親でない人と住んで絆を深めていく物語はよくあるが、今作はそこにLGBTQが絡めてあるからより厚みと深みが増す。
女性にどうしてもなりたい凪沙。孤独を抱えた一果。最初は互いにギクシャクしながらも、やがて互いの穴を埋め合うようになる。
そしてバレエの夢を諦めたりんの死、凪沙の死
同性愛者が死ぬという結末もいたたまれない。
また、性転換の手術も術後のケアも大切だし、簡単にはできないことも教えてくれている。
一果の才能を目の当たりにした凪沙が、バレエのレッスン料などを捻出するため、男に戻り就職したシーンには号泣。そしてラストの海のシーンでも涙なみだで。
どうにもならないもどかしさと悲しさ……
母になろうとした凪沙の姿と思いに、想いを馳せると胸が張り裂けそうになりました。
草彅剛の演技はさすが。儚く繊細な表情が凪沙にぴったりだった。
そして一果演じた服部さんのバレエとスタイルの良さには感服!!
海で踊るシーンは名シーンです!
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