ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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言葉なき2人の目指す居処
北野武監督『キッズリターン』以来の鑑賞した後の呆然を味わった作品だった。トランスジェンダー、ネグレクトといった社会的問題を単純にフィーチャーし、共感を誘うものではなく、言葉では通じない2人の行動や言動に視聴者の心を動かした。
途中のお爺さんのセリフ『悲しいのは、夜が明けると普通の白鳥になることだ』といった正に『ミッドナイトスワン』がこの儚くも切なさが、2人を象徴させたのではないか。
草彅剛さんも去ることながら新人女優・服部樹咲さんの感情を体全体で感じさせる演技力に引き込まれるものを感じました。
今年になって映画館で観た映画では1番かも。
0.5点は時間経過がサクッとわからない部分があった所です。
世界で戦える作品
各界の著名人・鑑賞済みの方達の多数の称賛によって上がりきったハードル。見事に超えました。さすが草彅剛にハズレ無し。号泣まではしなかったけれど静かな涙が止まりませんでした。
観終った後の余韻もすごいです。まぎれもなく凪沙というひとりの人間が存在していました。佇まい・表情・一筋の涙・鼻水‥特に目に魅了されます。
もう一人の主役ともいえる服部樹咲さんも素晴らしい。一果の変化・成長を見事に表現。バレーシーンの美しさと素人目にもわかる技術の高さはストーリーに説得力をもたらします。
他のキャストの皆さんもとても良かったし、渋谷慶一郎さんの音楽が抜群に素敵です。
後半部分には賛否があるようですが、決してお涙ちょうだい的な無理な演出とは感じませんでした。説明的な台詞がなく早い展開でシーンが変わるため観る側の想像力が求められます。良い点でもあり、わかりにくいという感想にもつながるようですね。監督による小説版によって補完できるところも多いので消化不良の方にはおススメです。
気持ちの変化
そして白鳥は飛び立った
凪沙の性転換手術後の末は残念でしたが、不遇の家庭環境で飛び立てずにいた一果が凪沙と出会ったことで変わり、バレエの素質が開花し美しい白鳥となって飛び立ててほんとうに良かったです。
凪沙も母親になれたことで短い間でも幸せを感じることができたのではないでしょうか。
凪沙を演じた草なぎ剛さんも良かったですが、一果を演じた服部樹咲がほんとうに素晴らしかった。新人とは思えない繊細な演技に引き込まれました。
トランスジェンダーに対しての理解がより深まり、誰もが自分らしく生きやすい世の中になることを願います。
忘れられない映画になりました。
素晴らしい作品
草彅さんの演技の素晴らしさ
新人子役の一果役の自然さ
新宿のママたちのちょっとクスッとできる面白さ。
一果と、ナギサさんの絡みがホッコリし
一果ママも更生し
一果が中学卒業式のシーンまでは
ホッコリと葛藤の物語。葛藤多めですが。
その先が(泣)
どーしてそんな展開になるのー(泣)
と泣けてきた。
全てうまく行ってると思ってたのに(泣)
でも、最後の最後で
悲しさとやるせなさの気持ちが回収されました。
皆さまの素晴らしい演技に心打たれました。
愛され方が分からない少女。
朝食をちゃぶ台から払い落とした一果は、愛され方を知らない少女。静かに抱きしめた凪沙は「愛されたい自分」にすらなれない女。自傷行為は不安から逃れる為の唯一の手段。誰も愛し方を教えなかったから、愛され方が解からない一果を、無言で抱きしめる凪沙に芽生えてしまった母性。でも、所詮彼女は、朝になれば元の姿に戻ってしまう定めの「夜更けの白鳥」だよ。って言う、この辺りが染みた。と言うか、東広島の広島弁は、もっと汚ねーから。一果も健二も、まだまだだねw
個人的な話ですが、めでたく刺さる。ここのところ何を見ても刺さらない日々。前々日は浅田家で何箇所か刺さるも速攻回復。致命傷ゼロ。なんで?この泣かす設定で役者さん最高で、刺さりが浅いなんて信じられへん。もう、病気なんじゃないかと不安に包まれ二晩を過ごしました。が。良かったぁ、刺さった。感受性、まだ死んでないw
凪沙が階段に座る一果に、オデットのカチューシャを被せるシーンでグサりでポロリ。夜の公園で踊る一果の姿にグサ。砂浜で幻影に向かって可愛いと言う凪沙が、一果に踊りをせがむシーンでグサリ。
ニューヨークにバレー留学とか、ちょっと盛り過ぎ感はあるけれど。
ミッドナイトスワン=暗部/Fakeのバレリーナ、と、檜舞台の白鳥=陽のあたる場所/Trueのバレリーナ、の対比。雑居ビルのオカマパブの楽屋で始まり、NYの劇場の控室で終わると言う吹っ飛び進化のお話なんて、想像してませんでしたから、意外性があって良かった。
いずれにしても、刺さる心が残っててほっとしたぁw
良かった。とぉっっても。
(追記してネタバレに変更)
ホルモン注射→子供は嫌いと言っていた凪沙に母性が芽生える→その母性が一果に向く→男に愛されない/愛せる男性もいない凪沙は母になるために女になろうと思い始める→タイで性転換手術→一果を迎えに行く
「強くなりなさい。私達みたいなものは一人で生きて行かなきゃいけないから」みたいなセリフがありました。凪沙は、自分に言い聞かせてるだけだったんでしょうね。
全くの「一人」では強く生きられない。けれど多分、一果は、今後一人でも強く生きて行けるでしょう。と言うか、一果は自分一人だなんて思ってない。凪沙のコートを着て、凪沙の赤いハイヒールを履いて、颯爽と劇場に歩み入る姿は「私は、もう一人じゃない」って言ってる気がして。なんか。凪沙を真似てるんじゃなくって。一緒にいるのだと。
ふふふぅん!ってなりました。このラスト、刺さりまくったかも知れませんw
でも、しつこく言うけど、なんでNY?ジュリアード?ハードル高すぎひん?撮影陣がNYに行きたかっただけとか?w
草なぎ剛は好きではないが、ここの評価が高かったので。
草なぎ剛はあまり好きではないのですが、この映画サイトでの評価が高いので、奥さんと10/1に観てきました。コロナ禍で定員の1/2以内の入場でしたが、前方の3列以外はほぼ埋まっていました。
トランスジェンダーで悩むニューハーフと、シングルマザーでアル中の母親の育児放棄で、親族のこの元男性と同居することになった女子中学生(服部樹咲)の物語です。
彼女が「生活苦で諦めていたバレー教室に再び通い出す」という展開が自然な設定で共感できました。「その女の子が世界に羽ばたくバレリーナ―として成長していく物語でもある」という予備知識無しに観たので素直に感動できました。
その女子中学生には「バレエ教室仲間」とのガールズラブもあって、その彼女との最後が衝撃的でしたが、それはネタバレになるので書けません。予想以上に見応えが有りました。
新人ながら主役級だった服部樹咲は、同じように「デビューした映画の中でバレエを披露した少女の頃の蒼井優」を彷彿させてくれました。
んーーーーーーーーー
私はドラマや邦画にはどっぷり入り込めないので普段は観たいと思えないのですが、この作品は、たまたまあの長〜い予告編を観て草彅さんのあの表情に惹かれ、観たくて観たくて。(ちなみにSMAPファンとかではありません。)
レビューを書きたくなる作品も初めてです。
いい作品だと思います。
しかしながら、観終わって、なんだか、良くも悪くも消化不良を起こしているような感覚、、、いろんな意味でちょっと悔しいというか。
一果さんの演技、とにかく良かった。一果にしか見えなかった。りんさんもとても良かった。
そして凪沙さんの言葉や表情!切なすぎて何度も涙がこみ上げてきました。草彅さんのあの眼、凪沙さんでしかなかった。
佐藤江梨子さんの演技には…現実に引き戻されました…。私には非常に残念ポイント。
全体的に良かったのですが、何より一番残念なのが、広島弁。
広島生まれ広島在住の私には、広島弁の使い方や言い回しがおかしな感じだったので、すごくすごく残念でした。広島弁ぽく話してるシーンでは、全く入り込めず…
けっこう入り込んで観ている途中、一気に醒めてしまうので、自分が広島弁を知らない人間なら良かった、と、思ったくらい。
そして後半からストーリー展開が駆け足というか、粗くなりますが、そのあたりから、私が苦手なドラマみたいな、チープな感じがして、今イチ入り込めなくなりました。
凪沙さんの行動から、その感情は語られなくても充分に感じ取れる映画でした。そこはとても好きです。
…凪沙さんは一果さんに出会えてすごく良かったけれど、出会ったからこそ凪沙さんが切なすぎて、観終わってからも、まだずっと凪沙さんを想ってしまって、悔しいです…
もう、自分の中でラストを書き替えて、なんとかして凪沙さんを陽の当たる幸せな場所へ引っ張り出して彼女が当たり前に彼女のまま素敵な人生を謳歌する姿をみたい!!!
…あとを引きずっています笑
美しいシーンで散りばめられた悲惨な物語
なかなか感想を語るのが難しい映画だった。重いテーマであることは覚悟してたけど、予想以上にショッキング。これがリアル…とは思えない部分も、ちょっとやりすぎなんじゃないかと思う部分もあるけど、いろんな問題提示があったのは確か。
LGBTを描いた作品はいくつかみたことがあるけど、こんなに身体的にも金銭的にもキツいということを強烈に描いたものをみたのは初めてだった。草彅剛主演じゃなければこんなに全国大きな映画館で公開できなかったんじゃないだろうか。
ストーリー展開にはモヤモヤしたものもあるけど…何もそこまで悲惨にしなくても。。みたいな。
でも草彅剛と一果ちゃん役の子の圧倒的存在感に魅せられた。音楽も綺麗で。最後の海のシーンよかったなあ。悲惨な物語で、それだけだと見てて辛いけど、バレエという要素が加わったことで華やかで美しいエンタメになっている気がした。
大切な人の為に、白鳥は舞い踊る
邦画でも近年、LGBTやネグレクトを扱った作品が徐々に作られるようになってきた印象が。
『彼らが本気で編むときは、』『万引き家族』『his』…いずれも力作/良作ばかり。
また一つ、素晴らしい作品が舞い踊った。
トランスジェンダーの凪沙。
貧しい生活を食い繋ぎ、いつの日か性転換手術を受ける為、新宿の片隅のショーパブのステージに立つ日々。
そんなある日広島の実家の母親から、育児放棄されている親戚の娘を預かるよう頼まれる。
凪沙と預かる事になった少女・一果の共同生活が始まるのだが…。
頼まれたのは何も凪沙が面倒見がいいからではない。養育費と交換条件で嫌々。それに、子供が大嫌い。面倒かけたら殺す/追い出すといきなり釘を刺す。これじゃあ暴力を受けてないだけで、実母の元に居るのと変わりない。
親の愛情を知らぬ一果。常にブスッとした無表情、無口。何を考えているのか分からない。転校早々問題を起こす。
片や早くももううんざり。
片や全く心開かず。
最悪の共同生活…。
が、
この手の作品、この手の設定。
二人の距離が少しずつ縮まっていく様が、分かっていても魅せられる。
そのきっかけとは…、
下校中、バレエ教室を覗く一果。
一日体験。どうやら経験があるのかもしくは才能があるのか、講師に気に入られる。
が、通えるお金など無い。教室も偶然学校も同じの親しくなった女子に誘われ、いかがわしいバイトを。そこでまた面倒を起こす。
凪沙が呼ばれ、初めて一果がバレエを習っている事を知る。
講師はバレエを続けさせ育てたいが、当然凪沙は反対。一果は自暴自棄になり、自傷行為を。
さすがに心配した凪沙は、一果を店へ。
凪沙らが客と揉め事。
その時、一果が突然ステージに上がり、バレエを踊る。
自分も下手くそなバレエを踊っている凪沙だが、こんなに美しい白鳥を初めて見た。
魅了され、心を奪われた凪沙の表情…。
自身の白鳥ヘアアクセサリーを一果に譲る凪沙。
「あげる」の一言は、「続けなさい」の言葉に他ならない。
一果を優しく抱き締める凪沙。
一果にバレエを教えて貰う凪沙。二人で一緒に踊る。
凪沙手作りの豚肉の蜂蜜と生姜焼き。違うでしょ、ハニージンジャーソテー。
バレエが繋ぐ。
この世界に、その片隅に、あったんだ。
こんな温もりが。優しさが。
交流が。愛情が。知らぬ内に芽生えて。
それまで見せなかった笑顔が自然と。
どん底のような場所で差別の対象、偏見の目。
全く愛されてもいなかった。
そんな二人に突然訪れた、穏やかで幸せな日々。
…いや、ひと時。
くどくどは言わない。草彅剛が素晴らしい。
元々演技力に定評はあったが、新境地、入魂、キャリアベスト。
トランスジェンダーとしての佇まい、悲哀。
その中に滲ませた母性愛の顔。
年末、多くの主演男優賞を受賞して欲しい。個人的には、今年の邦画の主演男優賞は決定だ。
劇中でバレエの才能を見出だされたと等しく、服部樹咲という才能が彗星の如く現れた。
演技の経験はナシ。オーディションで選ばれた新人。確かに演技はちと拙い部分もあるが、それがリアルでナチュラル。と言うか、堂々とした存在感。垢抜けない少女が美しくもなっていく。その成長も体現。こちらは新人賞で注目されるだろう。
圧巻だったのは、劇中で披露する素晴らし過ぎるバレエ。やはり、バレエ経験者。幾つもの舞台に立ち、幾つものコンクールで賞も取っている若きバレエ実力者だとか。
その演技もバレエも注目…いや、必見!
他キャストでは、バレエ教室講師の真飛聖が全く違和感ナシのハマり役。いい役回りでもあった。
ついでに、田口トモロヲのママも。
一果と親しくなるりんも印象的。友情を深めたり、妬んだり、特別な感情を抱いたり。最期の踊りは美しくも衝撃的であった。
樹咲の実母に水川あさみ。最初水川だと分からなかった。毒親だが、娘のバレエを見て…。人は急には変われないが、女手一つで子供を育てる苦労。卒業式のシーンでは母の顔だった。
監督の内田英治の作品を見るのはこれが初めて。
話題になった『全裸監督』の演出を務めたり、映画監督作ではマニアックな作品が多いようで。
自身の体験に基づいたオリジナル脚本。
繊細な演出で時に優しく、時に胸痛く切なく、作品世界に見る者を引き込み、ストーリー語りも見事。役者たちから名演も引き出し、初鑑賞だが内田監督の代表作なのではなかろうか。
映像や音楽も美しい。
今年公開された邦画の中で最もというくらい絶賛の声が寄せられている本作。今年を代表する邦画の一つなのはまず間違いナシ。
その一方で、批判的な声も。
LGBTやネグレクトを扱った際のステレオタイプ描写。
貧困、最下層、夢も光も無い…。
これ事態が虐げる差別/偏見そのものではないかという指摘。
否定も肯定も出来ない。何も知らぬ私が何を言ってもそれは偽善か他人事。
しかし、現実に差別/偏見の対象となり、喘ぎもがき苦しむ性的マイノリティー者が居る事は事実。
何故、私たちだけ…?
ありのままの私で生きる。…なんて、理想的な大言壮語かもしれない。
クライマックスの凪沙の決断など結果として愚かな間違いかもしれないし、末路はあまりにも哀しい…。
そんな中で、美しい白鳥を見た。
私の可愛い白鳥が飛び立った。
私に優しさと温もりを与えてくれた白鳥さん。
心の底から私を愛してくれた白鳥さん…。
誰かを愛す。
誰かを想う。
大切な人の為に、身を削る。
大切な人の為に、踊る。
二人のみにくいアヒルの子が、美しい白鳥へ。
評判につられ、隣町の映画館まで観に行って良かった。
今年の邦画のMY BESTはご贔屓大林宣彦監督の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』に…と決めていたのだが、
今年の邦画のMY BESTだ!
考えさせられる映画
ノスタルジックな映画
立ち上がりゆっくりなんだよね。アバンタイトルで丁寧に草彅剛と服部樹咲の事情を説明してから入るの。いまの作品でこの丁寧さは珍しいね。じっくり観てくださいってことだと思う。
そこからは、足りないもの同士が一緒に生活して、互いになにかを得てく話なの。でも服部樹咲の才能が全てを解決しますという話にもみえた。才能なかったら変化できないね。
前半は草彅剛のトランスジェンダー設定も余り活きないのね。普通に都会でうだつの上がらない遠い親戚設定でも成立する話。
バレエの発表会で「やっぱり最後はお母さんか」ってなってからトランスジェンダー設定が活きていくるの。
でもなんで「やっぱり最後はお母さん」って思ったんだろうね。まあ、そういうものなのか。
そして草彅剛は性転換手術をし、服部樹咲を迎えに行くんだけど、付いてきてくれず、服部樹咲は中学の卒業式を迎えました。
ここ、水川あさみ(服部樹咲のお母さん)が頑張ってるよね。ちゃんと中学卒業させてるし、東京からダンスの先生呼んでレッスンも受けさせてる。それでダンス留学も決めるまでになってる。だから服部樹咲は草彅剛に付いていかなくて正解だったんだよ。
それで中学卒業した服部樹咲が草彅剛に会いにいくと、たぶん性転換手術がうまくいってなくて、良く解らないが草彅剛は死んでしまうと。
トランスジェンダーの苦しみが、この作品では、良く解らないのね。途中、男性相手の風俗に堕ちた同僚が「なんで私たちばっかりこんなに苦しむのよ!」って叫ぶけど、それは選んだ男が悪いからと思っちゃったな。貢がせる男にいれあげて風俗に堕ちるのは普通の女の人でもあるよね。
そして服部樹咲の同級生と、草彅剛が死ぬんだけど、これ死ななくても物語的に良くないかな。人が死んだら心は必ず動くけど、だからこそ意味なく死ななくて良いと思ったな。
《仁義なき戦い》って、がんばって生きてる人が死んじゃうんだけど、この映画は《仁義なき戦い》のころの作品につくりが似てるノスタルジックな映画だなと思ったよ。
事実を知ることの大切さ。未来の凪沙はどう感じた?
草なぎ剛くんの凪沙は多くの方がレビューしてるように、本当に凄かった。その自然体の演技は冒頭から凪沙自身にしか見えず、途中、髪を短くした凪沙を見て、ハッ。あ、そうだ草なぎくんだったんだなと思い出したくらい。
また凪沙が一緒に暮らすことになった、虐待を受けて育った一果ちゃん役の新人の少女も、一人を寄せつけない、まるで捨て犬のように人に怯える、新人だからこその演技が、草なぎくんのトランスジェンダーの凪沙と不思議くらい融合していた。
そして、辛く悲しい二人の生活に、光を差し始めた一果ちゃんのバレエの姿は、神々しいほど輝いていて、凪沙が母になりたいと感じ始めた時に、初めて「生きがい」を見つけた嬉しさや喜びも表現していたように思う。
この物語の中で、二人の心が最も輝いていた時だった。
観終わった後、トランスジェンダーの方々の苦しみを、草なぎくんが演じることで、より多くの人達に伝えることができる機会になったことが本当に良かったと思ったと同時に、当事者のトランスジェンダーの方達はこの作品をどう観たのかなと。観るのは辛いかもしれませんが。。
理解者が増えることに喜ぶ方と、これからの人生に迷われる方が出てくるのかもしれないな、とも感じました。
素晴らしかった
そういうことだったんだ…だから夜の白鳥
バレエ【白鳥の湖】で描かれる白鳥は
夜にだけ人の姿に戻ることができる。夜が明けるとまた白鳥の姿に変わってしまう。真実の愛がなければ、人の姿に戻ることはできない。
ふたりが踊るシーンでお年を召した男性がつぶやく
それがこの映画のテーマなんですよね…。
トランスジェンダー。
シングルで育てる人たちの苦しさ。
ネグレクト。
低所得で生きる人々。
お金があっても真から愛されていないことを感じながらペットのように生きている子ども。
今の社会の様子をいろんな角度から見せられ、生きること、愛されること、愛することを考えさせられる映画だったなと感じました。
草なぎ剛さんの演技が真に迫っていて、素晴らしかった。
ネタバレします 違和感がいっぱいでした 小学5年生の子どもと観ても大丈夫か?
監督の、バレエを習っている子に是非観てほしい、という言葉に安心して小5の娘の分もチケットをとりましたがig仲間が、本当に大丈夫?と心配されていたので、慌てて私だけ前鑑賞。
以下ネタバレです。
草彅さんの好演と新人の服部さんの原石のような、計算のない素のままの演技、所々温かい気持ちになったりじーんとくる場面もあるのですが、最初から違和感ばかりで結果、消化不良気味です。
年頃の少女を、いくら親戚とは言え中年の男性の家に託しますか?児相に通報された絡みもセリフもありましたが、それならば尚更、そんなことはしないでしょう。児相の職員にも追及されるはずです。
そもそも現状を親にひた隠しにしている凪沙が、養育費欲しさとは言え面倒極まりないことになる姪との同居を受け入れた事にも、違和感。
一果のバレエへの想いも、違和感。前に習っていたから?ならばその説明が足りない。あんなに人見知りの、心に傷を負った子が見ず知らずの通りがかりの教室に、トントン拍子にレッスンに通う事になる過程に違和感。そしてあのバレエ教室の昭和感。りんのような将来有望視され桁違いのお嬢様なら、あんな昭和レトロな雰囲気のスタジオには通いません。
そして一果はバレエ上達のスピードが少女漫画並みです。
りんの、違法バイトに手を出したり、自死をするまでに至った心の闇の過程というかエピソードが、もう一つ足りなかったように思います。
一果の母親、
ネグレクト?育児放棄、とまでは言えないんじゃないかな?最初のシーンで、娘を呼び、ごめんね、って酔いながらも呟いていましたよね。まあ、それは置いといて、母親が急に迎えにきて、急に寄り添うあたり。その辺のとこも、違和感。本当の母親だから、娘を大事に思う気持ちはわかりますが、なんだかそのあたり雑な描写な気がしました。
凪沙は、コンクール会場で本物の母親に敵わなかったから、身体を女性にするしかない、母親になるための決意として手術をしに行ったのでしょう。
が、あの手術の場面も違和感です。あんな全身麻酔級の手術を局所麻酔下でするわけない…とガクブルでした。そして術後の通院が不十分であんな結果になってしまったのでしょうが、術後の経過が悪いって、化膿して酷くなれば壊死していくのであって、あんな新鮮な出血……演出でしかないなと。そして目が見えなくなるのは、不自然。糖尿病の持病があれば、まだ考えられなくないですが、全盲はないですよ。
一果が入水して、ザブザブと突き進んで行き、
そのあと急にNYの街に変化したところも、
ちょっと違和感でした。
波に押し返されて、死んじゃいけないんだ、生きなきゃ、踊らなきゃいけないんだ……
というような一瞬があれば、納得できましたが。
そういう、全体的に散らばった違和感が回収できないまま話がふくらんでいくので、説明不足の感が否めず、最後まで、涙が溢れて止まらない、とかはなかったです。
子供と一緒に観に行っても大丈夫かどうかは、
各々のご家庭の判断になるかと思います。
私が心配していたのは、行為そのもののだったり、性的な発言だったり、際立つ暴力シーンだったり、そういうところでしたが、そういうのはありませんでした。凪沙の身売りのシーンも、未遂に終わりましたし。
ただ、一果が母親から殴られたり、一果が椅子を同級生に投げ飛ばしたり、凪沙の仲間が凪沙を庇うためにデッキブラシで客を頭部打撲するシーンはあります。
我が家の判断は、、、5年生なら大丈夫かなと思いましたが、ある程度の知識は吹き込んでおくべきと思います。
一果のバレエシーンは美しかったです。
監督は、バレエがお好きのようなので、
ただただ、そこと物語をくっつけたかったのかなと。
すごかった。 観終わってしばらく経っても心臓がドキドキし...
もっと斬新でも良かったのでは
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