ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
全684件中、361~380件目を表示
心にズーンと重く響く映画でした。
昨日、テレビで「ミッドナイトスワン」の紹介コーナーを観て、早速昨夜レイトショーで観ました。
さほど大きくないスクリーンでしたが、半分くらいの入りで、久方ぶりに隣の席に人が座っている状態での映画鑑賞でした。
改めて草なぎさんはすごい俳優だと感じました。
「JOKER」でホアキン・フェニックスがアーサーそのものだったように、スクリーンの中では草なぎさんは凪沙さんでした。
トランス・ジェンダーについて無知で、こんなに苦しい想いを抱えて過ごす人がいることを初めて知りました。
凪沙の母親が、息子なのに女性の姿の凪沙に「病院に行って治してもらって来ておくれ」と泣いて頼むシーンは、どちらの気持ちも分かり、しんどかったです。
常識を当たり前と押し付けない。
例え親子でも、相手の尊厳を尊重する。
弱い立場の人が、強くないからという理由で虐げられることなく、弱いまま尊重される世の中にしたいと強く思いました。
「しんどい」「助けて」と声を発することができるから、今より生きやすい気がします。
一果のバレエの先生の、凪沙への接し方が好きでした。
「おかあさん」と呼ばれて嬉しそうな凪沙の顔、忘れられません。
新人さん素敵!
演技は素晴らしいが、脚本にリアリティーがない
すんばらしいっ‼️
草彅剛さんが、いつかこういうキャラクターを演じているところをみたいと、長年思い続けていたのですが、念願叶いました。ありがとう剛さん‼️
期待以上、やはり草彅剛はやってくれました。
トランスジェンダーの凪沙を演じる事は、間違いなくアイドルを生業としてきた彼にとっては大きなチャレンジだったと思うし、世の中のセクシャルマイノリティへの偏見、差別、歪んだ見方をする人々へ、大きな衝撃を与えたと思う。
凪沙から、健二へと一瞬戻るシーンはとても生々しく、自分の本当の姿を押し殺しながら生きる毎日とはどんなものかと、短いけれどこちらにズンときた。
一果(服部樹咲)のために、男性として就職を決めたところは、切なくて暖かくて。もはや、人間見た目なんてどうでもいいと思える。ってかそもそも、人間の見た目などどうにでもなるのだから、周りがヤーヤーいうことではおまへんな。
でも、片や、その見た目によって生まれてからずっと苦しんでいる人もいるのだと思うとそんな事も軽々しく言うてられへんし。。。
世の中の人みんなが、自分が満足する形で生まれてこれたらええのにーって心底思うけど、そればっかりは神様しか分からんから。(急に神様でてきたw)
凪沙が本作の中で笑う事はほとんどない。
ショーパブでお仕事してる時と、あとは、バレエの先生に"お母さん"と呼ばれた時。(他にもあるかもやけど、特に印象に残ったので)
凪沙が今まで経験したかったけれど、どう頑張っても叶わなかったことが、偏見のない先生からポロってでちゃった言葉があんなにも人を笑顔にするなんて。
草彅くんの役者としての演技は個人的には怒るシーンが大好きなのだけれど、今回は泣きのシーンが多くて、もちろんその場面もすごかった。
凪沙そのものになりきってしまっていて、本当にすごい役者さん。大好き。
服部樹咲ちゃんは、これが初出演の映画であり、初の演技だったそうですが、とても良かった。
新人賞間違いなくとるね今年のアカデミー。
バレエ歴がしっかりある彼女だからこそできた演技であり、初演技だったからこそ醸し出せた、凪沙とのぎこちない空気感。最後のバレエシーンは圧巻。
素晴らしい演技だけでわなく、ピアノだけでながれるBGMがまた美しくて。もう内田監督のセンスがめちゃくちゃ好きです。最高。
生きている世の中には決して美しいものばかりではないけれど、こんなにも美しいものが存在するのかと感動しました。
また、トランスジェンダーについても、知識をより増やすことが出来てよかった。年齢制限がついていないと言うことを考えると、これは幅広い世代から支持されて欲しいなと思う。きっとこの作品から何か得られると思うから。
今年のアカデミー賞が楽しみ。
ただ、もうアカデミー賞も男優、女優とかいう垣根をやめて、最優秀俳優賞として性別わざわざいらんから、1つにしちゃって欲しいなと思った。
素晴らしい賞にまでそんなどっちでもいいこと言うなんて野暮やわ。イケテナイワ。
これはDVD買って保存します。
簡単に語れない
この繊細なテーマを出来の悪い脚本と演出が台無しにしている。
前回観た映画は「パラサイト」。よく出来た映画だった。重いテーマを扱いながらテンポの良さと優れた脚本でいい映画だったと誰もがそう思う作品だった。
本作「ミッドナイトスワン」はそう言う意味では最低の映画だった。多分出演者自体はその選び方は別として、がんばっていたと思う。
邦画にありがちな無能な監督と脚本と演出がそれを台無しにしてしまっていた。不要で説明不足の登場人物の死や不幸、古くさい演出とセリフ、LGBTという繊細で、その存在をどう扱うかで観る人に光と影が強く印象づけられてしまうテーマを、こうもガサツで惨めなだけのものにしてしまっていることが、この作品の絶対的な罪だと言えると思う。
表現の自由はあると思うが、こうも稚拙な制作者には決して扱って欲しくないテーマだった。久しぶりに観た後に不快感だけが残る作品で、高評価をしているLGBTをあまり理解していない方たちに警鐘を鳴らしたい。
誰よりも一果の母だった
孤独な魂の共鳴
(言いたいことは色々あるが)一言にまとめると、「この作品がたまらなく好き」。ラストの台詞「見てて」に集約された一果の思い。さまざまな出来事を抱きしめ、それでも真っ直ぐに自分の人生を駆け上がっていくんだという迷いのない覚悟。地獄、屈辱、怒り、希望、挫折、離別、そして愛。彼女の人生の軌跡と、未来への展望をたった一言で表現し切ったシーンに、鳥肌が立った。
まず何より、一果役の服部樹咲さんが素晴らしかった。『誰も知らない』の柳楽優弥さんを見た時のような衝撃。ネグレクトされている時の目、嘲笑やセクハラにあい怒りのスイッチが入った瞬間の表情、そしてバレエを踊っている時のキラキラした全身の動き。無口な彼女だが、その伸びやかなダンスこそ、底なし沼の現実を突き破り、千の巧言を超える「希望」の象徴なのだ。運命を恨み、社会に絶望し、自己憐憫にかかりきりだった凪沙。それが一果のダンスに「光」を見いだし、初めて他者のために自分を捧げようと思った。孤独な魂を持つ凪沙にとって、同じ境遇の一果に差し込む一条の光は誰よりも眩く感じられたに違いない。
草彅剛さんの演技については、すでに多くの方が解説されていると思うので、ここでは一つだけ。一番好きだったのは、凪沙が広島に一果を迎えにきたシーン。あれだけ家族にひた隠しにしてきた「秘密」=「トランスジェンダー」のまま実家にやってきた凪沙。彼女はこの機にカミングアウトしたかったのか? そうではあるまい。彼女は、家族にバレることも、批判されることも、そして罵られ唾を吐きかけられることも、きっとすべて分かっていた。けど、そんなことはもうどうでも良かったのだろう。ただただ、一果に自分の愛を伝えたかった。そして、その愛が受け入れられない可能性すら、凪沙は最初から分かっていただろう。それでも、今まで一番大切だった自分のことなんてどうでもよくなるほど、すでに凪沙にとって一果はかけがえのない存在になっていた。だから、独りぼっちで実家を去ることも、ちっとも恥ずかしくなんてない。なぜなら、他の人になんと思われようと「母」の愛が変わるはずがないのだから。今までエゴのみで生きてきた凪沙が己を手放し、真の意味で一果の「母」になった瞬間が、あのとぼとぼ歩く帰り道のシーンだったと思う。
上野鈴華さん演じる友人「りん」も、とても良かった。なぜ裕福で何不自由ないりんが、独りぼっちの変人・一果に接近したのか。それは孤独な魂が同じ臭いを嗅ぎつけ、惹かれ合ったからに違いない。アル中の親に振り回される一果、親の「クローン」として期待を押しつけられるりん。貧富の違いはあっても、「一人の人間」として両親に関心を払われない二人は、「ネグレクト」というコインの裏表なのだ。ともに共鳴し合う孤独な魂は、バレエを通して一方は「生」に向かい、もう一方は「死」へとドライブする。何かのちょっとした原因で、彼女らが入れ替わって逆の結果になっていてもおかしくなかった。人間の生死の分かれ目なんて、じつはほんのわずかの差でしかない。
最後に、水川あさみさんの演技がひときわ素晴らしかったことも書き添えておく。冒頭の登場シーンでは、正直まったく彼女とは分からなかったほどの熱演。私の中で、もっと色んな役柄を見てみたいと思う俳優さんの一人になった。
草彅くんヤバい
草彅剛のベストワン
他人が何者であるのか
これは、とても良作です!ぜひ人に勧めたい作品でした。
私、草彅剛さん苦手だったんですけど、冒頭のナイトクラブの接客シーンの芝居観て、瞬間で、あ、この映画は草彅剛を観るだけで絶対成立するな、と直感しました。
これは私のおそらくそうだったのだろうという、憶測でしかないのですが、あの脚本の台詞は、一切の無駄がなかったんではなかろうかと思っています。
それは俳優の方々が演技をする上で。最近読んだ本で、俳優の方はセリフが足りないとアドリブを多くする方もいると書いてあったのですが、この作品は、質の高い脚本を現場でいかに料理していくかという、そこに集中していたのではないでしょうか。
生姜焼きのシーン良かったです。この作品の食事のシーンには意味があった。2人のつながりを表現するとかそれ以上のものがありました。私、料理のシーンはこだわっているんです、的な阿呆な監督が撮ったものではない、複雑な感情が見える食事のシーンでした。
まだまだトランスジェンダーというものを理解し切れていない、受け入れ切れていない世間です。私も含めて、表面は分かっていても、内面を理解していない。
その立場にある者?そのように生を受けた者というものを果たして受け入れられるのか?
それを考えさせる、ここまで考えさせられるとは!そんな作品です。
これはかなり良き映画体験だと、私は自負しています。
実花先生の存在。
実花先生(真飛聖)が、この作品で一番伝えたいことだったのではないかと思う。
実花先生は最初から、凪沙に対して何の違和感もなく、凪沙を凪沙として受け入れていた。
つまり違和感ありまくりのフラットさ。それがこうあってほしい、という願望なのか、と。
それと、
白鳥の湖、を見てからこのミッドナイトスワンを見るとより深まると思う。
恥ずかしながら白鳥の湖をきちんと知らず、ただ曲として有名だなくらいと思っていた。
それがバレエ監修の方のyoutube等を見て、白鳥の湖を知っているといいのかなとおもって、
ミッドナイトスワンから白鳥の湖、そしてバレエへと。
バレエも知っているようで知らないジャンルだった。
トランスジェンダーの一人の人生を描いた作品ではあるけれども、
知らない分野を知ろうとするきっかけになる作品でもある。
バレエは美しい。でもその背景やなかにあるものが本当に美しいものばかりなのか・・・
人間にも同じことがいえるのではないか。
ただただ、この国において行きにくいのは事実。
奇妙な目で見られる。目線の痛さ。自分では普通なのに、それが当たり前なのに、
周りからみれば、おかしな格好をした男・・・。
なぜ男と女なのか・・・
人間いつから男と女、になったんだろうね。
なんで身体的特徴で男になるんだろう。
男と女ってなんだろう。
観終わって今考えているのは、そこ。答えはまだない。
そして草彅剛。
彼はどうして実在するかのように演じられるのだろう。いや、演じていないのかもしれない。
新宿に行けば、凪沙がいそうな気がしてならない。
youtubeや普段見せている顏からは想像がつかない。普段の彼を見るたびに、凪沙を演じた人と同じなのか、と思う。
彼はアイドルであろう。
だが、「俳優」であることにも間違いない。
ジブリ映画のように何度も観たくなる
草なぎ剛の好演光る。たしか前作の台風家族でも演技開眼した草なぎ剛...
全684件中、361~380件目を表示







