ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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他人が何者であるのか
これは、とても良作です!ぜひ人に勧めたい作品でした。
私、草彅剛さん苦手だったんですけど、冒頭のナイトクラブの接客シーンの芝居観て、瞬間で、あ、この映画は草彅剛を観るだけで絶対成立するな、と直感しました。
これは私のおそらくそうだったのだろうという、憶測でしかないのですが、あの脚本の台詞は、一切の無駄がなかったんではなかろうかと思っています。
それは俳優の方々が演技をする上で。最近読んだ本で、俳優の方はセリフが足りないとアドリブを多くする方もいると書いてあったのですが、この作品は、質の高い脚本を現場でいかに料理していくかという、そこに集中していたのではないでしょうか。
生姜焼きのシーン良かったです。この作品の食事のシーンには意味があった。2人のつながりを表現するとかそれ以上のものがありました。私、料理のシーンはこだわっているんです、的な阿呆な監督が撮ったものではない、複雑な感情が見える食事のシーンでした。
まだまだトランスジェンダーというものを理解し切れていない、受け入れ切れていない世間です。私も含めて、表面は分かっていても、内面を理解していない。
その立場にある者?そのように生を受けた者というものを果たして受け入れられるのか?
それを考えさせる、ここまで考えさせられるとは!そんな作品です。
これはかなり良き映画体験だと、私は自負しています。
実花先生の存在。
実花先生(真飛聖)が、この作品で一番伝えたいことだったのではないかと思う。
実花先生は最初から、凪沙に対して何の違和感もなく、凪沙を凪沙として受け入れていた。
つまり違和感ありまくりのフラットさ。それがこうあってほしい、という願望なのか、と。
それと、
白鳥の湖、を見てからこのミッドナイトスワンを見るとより深まると思う。
恥ずかしながら白鳥の湖をきちんと知らず、ただ曲として有名だなくらいと思っていた。
それがバレエ監修の方のyoutube等を見て、白鳥の湖を知っているといいのかなとおもって、
ミッドナイトスワンから白鳥の湖、そしてバレエへと。
バレエも知っているようで知らないジャンルだった。
トランスジェンダーの一人の人生を描いた作品ではあるけれども、
知らない分野を知ろうとするきっかけになる作品でもある。
バレエは美しい。でもその背景やなかにあるものが本当に美しいものばかりなのか・・・
人間にも同じことがいえるのではないか。
ただただ、この国において行きにくいのは事実。
奇妙な目で見られる。目線の痛さ。自分では普通なのに、それが当たり前なのに、
周りからみれば、おかしな格好をした男・・・。
なぜ男と女なのか・・・
人間いつから男と女、になったんだろうね。
なんで身体的特徴で男になるんだろう。
男と女ってなんだろう。
観終わって今考えているのは、そこ。答えはまだない。
そして草彅剛。
彼はどうして実在するかのように演じられるのだろう。いや、演じていないのかもしれない。
新宿に行けば、凪沙がいそうな気がしてならない。
youtubeや普段見せている顏からは想像がつかない。普段の彼を見るたびに、凪沙を演じた人と同じなのか、と思う。
彼はアイドルであろう。
だが、「俳優」であることにも間違いない。
ジブリ映画のように何度も観たくなる
印象に残るシーンが1つや2つではなくたくさんある。
シーンの切り替わりについていけない人もいるかもしれないが、想像を膨らますことができるし、飽きずに観ていられ、何より無駄がない。
そうこの映画には無駄がないんです。
なかだるみもなく、どんどん展開していくんだけど、すべてのシーンについて考えさせられるし、観終わってからも頭のなかで再生できるんですよ。
無駄使いだなと思う役者もいなく、すべてが必要で、スクリーンのなかで息付いてる。
背景は社会派的だけど、これは芸術作品だと思う。
草なぎ剛の好演光る。たしか前作の台風家族でも演技開眼した草なぎ剛...
草なぎ剛の好演光る。たしか前作の台風家族でも演技開眼した草なぎ剛を観たが。今回はトランスジェンダーとして東京の夜にいきてゆく女としての苦しみ、切なさをうまく表現していた。髪の仕草がいちいち気にはなったが、あの腐ったサバの眼のなかの鈍い光、明日への希望を見いだせない挫折感の表現は見事だった。
新人女優の服部樹咲は文句なくいい、将来大女優になる素質あり。あの8頭身のスタイルでバレリーナを演じる美しさ。まさに草薙のなりたかった美しいスワンそのもの。セリフも作ったところなく自然、いや期待の新人だ。
作品力に心を揺さぶられ続ける
原作を読んでから観に行きました。
もちろん925秒の予告も毎日のように見てました。
それでもイメージしていた以上のものが役者さんから伝わってきて、
ずっと見入って、泣いて、心を揺さぶられ続けました。
ものすごい作品力。
コーヒーは一口も飲む暇がありませんでした。
脚本が残念
役者の演技がものすごく良いのに脚本が残念。
特に後半。
安直な感動に収めちゃってる感じ。テーマにそぐわないベタな結末。
変にベタなことしてるから人物像がぼやけちゃったよな。
イチカとリンちゃんは最後までちゃんと友情をはぐくんで欲しかったなー。
イチカは本当に天才である必要はなかったんじゃないかな。
もう一歩、脚本が踏み込んでれば国際的に評価される良い作品になったと思う。それだけに残念感が増す。
ピアノの音色で泣ける
草なぎ剛も水川あさみも、他の役者も含めて演じている人がいなかった。
その場所でリアルに生きている人たちだった。
武田健二という性に縛られ苦しむ凪沙と
傷んだ金髪も気にすることなく、
子どもに上手く愛情を注げない母親と
心を完全に閉ざす手前の少女と
都会の片隅で必死に生きるトランスジェンダーたち
小さな小さな愛や友情にすがって寄り添って…
ピアノの音色が都会の寂しさを際立たせて涙が溢れて仕方なかった。
ただただ苦しかった。
凪沙はあの海で女性になれたかな…
母になれたかな…
辛くて悲しく切ない ネタバレ
性と肉体の相違は人として、かなり辛い事の一つだと思う。この映画を見て改め感じた。私はNHの人と最近知り合い、とても素敵な人だし、人間的にも魅力を感じる。嫌悪感など微塵もないし好意すら持っている。凪沙さんが一果の家で言われた化け物という言葉には、とてつもない悲しみを感じた。
映画としては、役者の熱演は素晴らしい。草彅くんはじめこの映画は、役者で持っていると思う。ストーリーや話の流れには不満が残る。原作を読んでないけど、詰め込みすぎなのか、それぞれのエピソードのツメが甘いと思った。ラスト、凪沙を死なす必要はあったのか?
それまでのストーリーで充分凪沙の苦しみを描いており、更に死なせてしまった事が、腑に落ちない。
HNの方々の苦しみが、現実的な描写なのかよくわからないが、この映画で何を伝えたかったのか、もう少し絞っても良かったと思う。
どうして私だけ
生きづらさを感じている人に観て欲しい。
エンドロール観ながら、思い出して涙が溢れてきて止まらなかった。
全ての人が下を向かないで、誰かの顔色ばかり気にしないで、胸を張って生きていける。
そんな日が来るといい。
役をよく引き受けたなぁ
草なぎさんの演技を見るのは初めて。この役をよく引き受けたなぁという感想です。ジャニーズ事務所所属のままなら無理だったであろう役柄ですね。見終わって、他の出演映画も見てみたいと思いました。
残念なのは、後半のだいぶカットされたと思われる継ぎ接ぎで、いつの間にこんな展開に?というところと、突然の「海が見たい」というセリフ。海に何か思い入れがあったのだろうか?という疑問。海の方は単に観客に涙を絞らせるための安物の演出に感じました。私の中では「あの夕日に向かって走るんだ」と同じくらい終盤にむけての安直で鼻白むセリフです。なぜ無理やり海を持ってくる?こんな最後にしなけりゃならなかったのか?25分(ふん)分のカットがなされたそうなので、DVD発売時には特典ででも見せてほしいですね。それで後半の辻褄も合えば嬉しいです。
重い内容ですが、真飛聖さんのダンス教師が一服の清涼剤でした。
私はLGBTどれにも該当しません。 ですが、高校時代から後輩や友人...
私はLGBTどれにも該当しません。
ですが、高校時代から後輩や友人に数える程度、そして、以前勤務していた先にもいまして、
それなりの知識は持っていました。
しかし、今回、この「ミッドナイトスワン」を見て、私が思っていた以上に壮絶な想いをされていたんだなと改めて痛感しました。
本当にLGBTの方に申し訳なかったな。と思いました。
草彅さんの演技、とても素晴らしかったです。
新人の服部樹咲さんの舞う姿、美しく、見とれていました。
気持ちが痛かった
マスクが涙でビッショリになった帰り道、
暫くあのピアノの音色がグルグルと
私の気持ちを支配した。
『お母さん』と呼ばれた時の草彅剛の
あのバレエ教室の玄関での表情が
忘れられない。また私の気持ちを締めつける
草彅君のすごさに脚本が負けていると思う。
草彅君、すごかった。素晴らしい。
それだけに、悔しくなる。
もっとさりげない演出はできなかっただろうか。
もっと落ち着いた運びした方が染み入ったと思う。
草彅君 5点
脚本 2点
絶賛の嵐ですね。
なにか既視感が強めの映画でした。
物語を進めるための悲劇性がいかにもご都合主義に思えてしまったのと、世界観がすごく昭和に感じた。
いい意味で一般人から見たマイノリティーの、感動的な物語でしょうかね。あと、物語を見せすぎてる気がした。
バレエのシーンはすごくよかったので、それだけでも良かった。
衝撃のあまり泣く余裕もなかった
先行上映で観た時は小説を読んでいなかったので、屋上のりんのシーン、再会できた凪沙と一果のシーン、海のシーンでは声が出そうになった(もしかしたら発していたかも)
嘘であって欲しいと、最後はハッピーエンドでと固唾を飲んで見守ったが、「見てて」からの美しいバレエと回想で涙腺が崩壊。呆然としたまま帰宅、ほとんど眠れませんでした。
もう1度は観れないと思ったが、1週間後に小説を読み出し、徐々に登場人物の人生に想いを馳せれるようになった。
2回目以降はあちこちで自然に涙が出るようになり、微笑ましい場面で温かい気持ちにもなれた。
ああしていれば、こうしていればと、凪沙達に思ったことを、これからの人生に悔いがないように自分自身がやっていきたい。
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