のぼる小寺さんのレビュー・感想・評価
全10件を表示
「のぼる小寺さん」を見つめる人たちの物語
山っ気がない、というと褒め言葉にも悪口にもなりそうだが、古厩監督の演出には本当に山っ気がない。例えば小寺さんが、夏が好きだという話をする時に、「音が消える」感覚を得る瞬間がある。ベタな演出なら、一瞬露出を飛ばし気味にして、目をつぶった小寺さんをアップにして、一瞬だけ環境音をさぁーっとフェイドアウトさせる、みたいなことをやりがちな場面だと思う(原作の描写はどちらかというとそっちに近いと思う)。
しかし古厩監督は、あえて何もしない。小寺さんはそこに立っていて、しばらくして「音が消えた」と言うだけ。伊藤健太郎演じる近藤と同様に、観客は「よくわからないけど小寺さんはそうなんだ」と思うしかない。つまり、観客を安易にわかった気にさせたりはしない。そして、観客の目線は近藤たち、「小寺さんを見つめる側」であり続ける。この物語は、小寺さんの物語ではなく、小寺さんの姿に触発される周りの人間たちのものだから。
とはいえこれは映画であるから、ただストイックなだけではない。クライマックスで起きる、本当にささいな奇跡の瞬間。『灼熱のドッヂボール』の蒸発する汗よりも遥かにほのかだが、あの背中合わせはやはり奇跡だったと思うのだ。
ボルダリングが好きだった。2年くらい前に見た。今回が二度目の鑑賞。...
ボルダリングが好きだった。2年くらい前に見た。今回が二度目の鑑賞。
現代の高校生の等身大な恋愛映画だと思う。
僕の時代は、いきなりロッククライミングをやる以外方法が無く、一人で山へ行くのが好きだった僕は、地元の山岳会に入ろうとした。所が、学閥があり!僕の学歴てはそのグループには入れなかった。
現在はその保守的な体質は残しつつも、ボルダリングとかフリークライミングとか新たな分野が登場して、若者はアナクロな山岳哲学を語らなくとも、別の道で登山を楽しむ機会が作れるようになった。さて、本当にそれで良いのだろうか?
僕は頑張るのもいやで、徒党を組んで山を楽しむのも嫌だ。
ボルダリングもオートビレイもましてやビレイも飽きてしまった。かな?
閑話休題、
若いうちは何度でもやり直せる。駄目なら、もう一度挑戦しよう!二位でも良いじゃないか!
但し、気をつけようね。オートビレイで怪我をした人を僕は知っている。
モトクロスとかヘリコプターとかライトプレーンとかハンググライダーやって、無難にこなして来た人が、ケアレスミスでオートビレイで事故を起こした。別に舐めていた訳では無い。
そう、人間の運命ってそんなものかなぁ。
ゆるキャンにハマって、アウトドアショップの店員になったナデシコの生き方が、僕は一番共感する。夢ないか!?
小寺さんと一緒に私ものぼる
第一波に乗り遅れた本作をやっと鑑賞。
評判通り、いえ評判以上の良い映画でした!
見逃さなくて良かった〜
ボルダリング女子高生・小寺さん。
ほんわかした天然キャラの外見からは想像できないほど、キリッとした目に変化する壁面シーン。
のぼる姿をみるとハートを掴まれて、なぜか涙が出ました。
みている私の淀んだ心が浄化されていく感覚の心地よさ。
ゆるっと過ごす高校生活。
ただ、ひたすらに壁面をのぼる小寺さんを見て変化していく周りの高校生たち。
伊藤健太郎さん、小野花梨さん、吉川愛さんなどなど…若手演技派俳優さんたち一人ひとりが輝いて愛おしい。
というか…主人公はこの人たちです。
真っ直ぐでひたむきな小寺さんを見て変化していく周りの高校生一人ひとりが主人公なんです。
そして、小寺さんを演じた工藤遥さんの不思議な魅力。
私はすっかりファンになりました。
のぼる小寺さんの姿を見て、周りの人や観客も一緒にのぼりたくなる。
どんどん上を目指してのぼりたくなる。心がのぼっていくのです。
工藤遥さんと伊藤健太郎さんのラストからのエンドロールが本当にステキ。
愛おしい青春映画の傑作誕生に拍手でーす!
作品に漂う良い空気に浸ってきました。小寺さんが身近にいたら楽しそうです。
ボルダリングを扱った学園ドラマが目新しかったのと
吉田玲子さん脚本なので観てみようかと想い鑑賞。
登場する人物のほぼ全てが
「いるいる」 もしくは 「いたいた」
そんな親近感を持てるキャラクター達でした。
キャラ同士の関係性も
ほのぼのだったり (小寺さん全般 ♡)
ハラハラだったり (カメラっ娘 …ほとんどストーカーだ~)
ドキドキだったり (頑張れ若サマ …いや近藤君)
そんな感じなのですが
みんないいキャラクターで
基本的に揉めないし
揉めても、ヤ~な感じを引きずらない
そんな空気がとても心地よい2時間でした。
公開終了まぎわにギリギリ滑り込みの鑑賞でしたが
見れて良かった。 満足です。
☆
主人公の小寺さん
…を演じた工藤遥さん ※笑顔が素敵な女優さんですね
3カ月間ボルダリングの特訓をしたとか。
映画の中では軽々と昇っていくのですが
ウラ側では相当頑張っていたんですね すごいな
身体能力も高いんでしょうね。
で、おさるさん
飛んで校舎の窓枠に引っかかった風船 それを取ろうと
窓や排水管を伝ってスルスルと登る
その姿はまさにおさるさん うきゃ
…本人? スタント? 本人なら凄いです
ロッククライミング
岩山でロッククライミングの練習をする場面
「落ち方間違ったらケガするわよ」 って
ヘタに落ちたら命がないのでは… 見ててハラハラ
落下に備えて下で待機している先輩
よそ見してるし…
原作の漫画
未読なのですが、表紙の絵には見覚えがありました。
映画とはまた違った印象です。
…1巻が無料だったのでゲット。
読んでみます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
陰キャだらけの青春ストーリー
主人公の小寺さんはつかみどころがない不思議な子。彼女に影響を受ける面々は、みんなどちらかというと内向的。だから高校生の青春映画としてはなかなか静かで地味ではある。でも一人一人が言葉には出さなくてもだんだん熱くなっていくのが伝わってきた。静かだけどエネルギーに満ちていた。
あとラストシーンが良かった。後ろから光が射してて、背中合わせのふたり。言葉よりも、キスシーンとかよりもずっとときめく!美しかった。
静かに流れる時間の先には・・・
真っ直ぐな小寺さんと、その周りの高校生たちの青春を描いた清々しい作品でした!
良い余韻が残る物語です。
小寺さんの目にはボルダリングしか映ってない。100パーセントボルダリング。
一方、小寺さんの周りのみんなの目には、小寺さんがはっきりと映っていて。
ただ、みんなは小寺さんだけを追っているのではなく、自分自身の好きなことを見つけて、主体的に羽ばたき始める。小寺さんから旅立つみたいに。
最後のシーンでは、
きっと小寺さんは、近藤くんの優しさと一途さに触れ、突然
『好き、、』って気持ちが溢れたのかな、とほんわかと感じました。
高1の娘が期末テストでとんでもない点数を取って、それなのにやる気を出さず、宿題もやらず、喧嘩喧嘩の毎日でしたが、
自分で頑張ろうと思うまで放っておこう、、、
という気持ちになりました。
何か一生懸命になれるものが見つかると良いなと思います。
感謝。
適度なキラキラ
目の前のこと一生懸命頑張ろう、みたいな視点が大人的で何とも。
もっとこう、ギラギラしててガツガツしてて、極端に冷めてて、みたいな方が高校生っぽいんだが。
基本、役者はよかった。ただ、突っ込みをいくつか。
まず川のところ。
いきなり現れて人のごみ拾い出すって。しかも自分の練習前に。あの場所でそれはないよ。
次にバレーボールのところ。
ボルダリング凄い子が、あそこまで下手は演出が過ぎるよね。これはやりすぎ。
文化祭の準備の時のハグ。
あそこも演出の意図がよくわからん。
ボルダリングの決勝のところ。
客筋もみんなで拍手のところもやりすぎ。
ラストはよかったです。
全てが緩い作品
ストーリー。演技。展開。
全体的に緩かった印象。
予告編で期待してたけど残念な感じ。
主役の小寺さんを演じた工藤遥さん。
彼女の為に作られた作品なのか?
スポ根? 学園系? ラブコメ?
どれにも合致しない感じ。
ジャンルに拘らないストーリーは良かった。
主要のキャストさん。
それぞれのキャラを刷り込む展開はその後に期待。
それを後半に期待したけど、その手法があまり生かされて無いのが残念。
自分的に素直な小寺さんの一生懸命な性格に、その仲間が共感しながら成長して行く事を表現したかったのかなぁ。
ラストのベンチのシーン。
あれは好きです。
コロナウィルスの為か舞台挨拶も出来ないので上映前に監督のメッセージが映されるんだけどあれは良かった。
猿の着ぐるみで風船を取りに行くシーン。
自分が中学生の時にサッカーボールを取りに行くのを思い出した(笑)
あんなに軽快ではなかったけど( ´∀`)
夏の音と蝉の声
全体的に若い子向けなのかな、と思ったけど
意外に大人目線でも観れました
小寺さんの真剣な眼で挑む姿勢はいつも静かで
とても高校生には見えないくらい落ち着き払ってるのが
この映画全体の雰囲気になってて、
近藤のかなりストーキングな恋心も
結果、爽やかに思えてきました(笑)
学生時代の絶妙にアンバランスな友情にも共感
まだ自己が確立してないが為に
思惑と違う言動に走ってしまい相手を傷つけてしまいがち
ボルダリングは
思い切り力を出し切ってやれば皆にガンバ!って
応援して貰えるって先輩達が言ってたけど
努力を認めてもらえるって、自信になるよね
真剣な姿を笑う人なんて居ないんだ、って。。。
"S"TALKING
ほんわかした作品でした。小寺さんが周りを間接的に変えていく物語です。ただ、近藤くんが小寺さんの動向を探る様子は最早ストーカーに近いような気がします。直接話すのが中盤過ぎたあたりは少し遅いですね。田崎さんも撮影と称してますが、まぁ盗撮ですね。小寺さんが大らかな性格でよかったです。
モブキャラはかなり気の短い奴らが多いようで。馬鹿の要素をこっちに全部詰め込んだ感じですね。
小寺さんの魅力が迸る中で、他のキャラクター達が輝いていないのが引っかかりました。小寺さんが人と人の輪を作っていく感じは好きなんだけどなぁ…
全10件を表示