「シリアスとコミカルのバランス絶妙」コンフィデンスマンJP プリンセス編 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
シリアスとコミカルのバランス絶妙
文句なしで面白い作品だった。久し振りに観た、エンタメに徹し切った、シリアス(急)さとコミカル(緩)さのバランスが絶妙な緩急自在の作品だった。シリアス部分だけ抜き出しても立派な作品になるだろうが、あくまでコンフィデンスマンJPらしい軽妙洒脱さを貫き通した快作だった。
本作の舞台はシンガポール。世界的大富豪のレイモンド・フウ(北大路欣也)が死去し、遺言状が公開され、3人の子供達以外の所在不明の隠し子ミシェル・フウが全財産を相続することになる。世界中の詐欺師達が隠し子に成り済まして遺産を狙っていく。信用詐欺師ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の三人組もコックリ(関水渚)を隠し子に仕立てて遺産奪取を目論む・・・。
前半は、コックリを演じる関水渚の生真面目な熱演、執事役の柴田恭平の真摯な好演、3人の子供達の個性的な演技が奏功して、コミカルさ少なめのシリアスな遺産相続劇を観ているような気分になる。このまま、この雰囲気で行くと思いきや、あくまで、軽妙洒脱な詐欺師物語に徹し、貫き通していくところが心地良い。作り手、演者達の作品コンセプトに対する揺るぎない自信を感じる。
詐欺士達の物語であり虚々実々の展開になることは分かっているのだが、長澤まさみを筆頭にして、シリアス演技もコミカル演技も熟せる、芸達者の演者達が詐欺師を演じるので、虚と実は見分けがつかない。騙されてしまう。それでいいのだろう。そこが本作の売りであり真骨頂なのだから。
また、本作は、色々なシーンに仕掛け、伏線があり、それらがストーリー展開の中で巧みに意外な形で回収されていくので、なるほど、そうだったのかと頷くことが多く、回収された時の爽快感が堪らない。
ラストシーン。らしさを感じさせる幕切れだった。あくまでコミカルな詐欺師物語として、最後まで観客を楽しませたいという作り手のエンタメ精神に溢れていた。
みかずきさん!共感ありがとうございます。
実は私、この作品に共感押してありました。
(ピンクになってます)
それで別の作品に押させてもらいます。
(まだまだ、システムに慣れないです)