花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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【似た者同士が、共感しあい恋に落ち、少しづつ齟齬が生じる過程を、主演二人の心象を綴ったモノローグで絶妙に表現している素敵な風合いの恋物語。切ないが、ホンワカして、心に沁みます・・。】
◆麦君(菅田将暉)と絹さん(有村架純)の初めての出会いから、二人が何気ない会話をしながら、実は相手の嗜好を探るようなモノローグがとても、効果的に効いている作品だと思いました。
◆冒頭、二人が、あるカップルがイヤホンを”R”と”L”をそれぞれの耳に当てて聴いている姿を見ている時のモノローグと、二人が顔を合わせた瞬間の表情。
その後も、二人の嗜好の同一性がさり気無く描かれる。
それは、履いているスニーカーであったり、好きな作家であったり、好きなゲームであったり・・。
◆菅田さんと、有村さんの演技も、実に自然で
”この二人は、実は本当に恋人ではないのかな・・”
と思ってしまった程である。(私だけであろうか・・。)
◆そんな二人の相性の良さが、麦君が正社員として働き始めた途端に少しづつズレて来る・・。だが、その過程さえも自然に描かれる。
■そんなことを言っちゃだめだ、麦君!と思ったシーン
・思いが擦れ違う二人。そんな時に”結婚しよう!、君は俺が養うから・・君は好きな事をすればいい・・。”と麦君が、言ってしまうシーン。
ー その言葉だけは、彼女には、言ってはいけないのに・・。ー
■最も沁みたシーン
・二人が別れ話をするために、親友の結婚式の後、”思い出のレストラン”で告げるシーン。
ー あれは、キツイよなあ・・。自分たちが別れ話をしようとしている時に、自分たちが初めて告白した席に座った初々しいカップル(清原果耶さんと、細田佳央太さん)の会話が聞こえてくるのは・・。
二人の脳裏には、一瞬にして初めて出会ってから過ごした楽しき日々が浮かぶ・・。ー
<あれだけ、相性が良くても微妙な齟齬の積み重ねで、関係性が少しづつズレていく過程を実に自然に、丁寧に描いている作品。
切ないが、何故かホンワカとした気分になり、学生時代の様な恋を又して見たいものだなあ・・、などと思ってしまった作品。風合いがとても良い作品です。>
学校の先生のモノマネで笑っていられる高校生みたいな映画を観ました
大学生で出会い、好きなものや価値観が同じで惹かれ合った男女が、生活や就職のためにすれ違って別れていくラブストーリー映画自体は珍しくも何ともありません。過去に腐るほどあります。
ですから、それに何をプラスするか、どんな新しい切り口を提示するかがこの映画の存在意義だと思います。
では、この映画は一体何がプラスされていたのでしょうか?
2015年から2019年までの流行、音楽や漫画や小説やゲームやネットなどのカルチャーや小ネタがストーリーの至るところに散りばめられていたこと。
それが、この映画の作り手がこのラブストーリーを描くために考案した新しい切り口だったと感じました。それ以外に目新しいといえるものは発見できませんでした。
しかし、それって何が面白いのでしょうか?
サブカル好きの麦と絹に合わせて、登場する品々はマイナーなものばかり。メジャーな流行はほとんど出てきません。
マイナーだけど、他人の創作物をいっぱい引っ張り出してきて展開するストーリー。
それってなんか、学校の先生のモノマネで笑っていられる高校生みたいなものじゃないですか。
悪く言えば内輪受けですよ、これ。
有名人のIKKOのモノマネが似てたら笑いますが、学校の先生を知っている人はごく少数ですし。私はそんな先生を知らないので「まぁそんな先生いそうだな」ぐらいな感情しかありません。
ものすごい数の他人の著作物の権利許諾を得なければいけないスタッフはすごく大変だったろうなとは思いましたが、そう感じるぐらいで話自体はあんまり面白くはなかったです。
行定勲の劇場よりはマシだったぐらいのレベルでした。
脚本家さんも監督さんも大ヒットドラマを何本も世に送り出しているクリエイターだったのでこちらの期待値が高すぎたのかもしれません。これは映画です。別のジャンルでした。
緊急事態宣言下で公開に踏み切った根性は買いますが、コロナ禍だからこそ世間の流行や小ネタに終始する作品が余計に安っぽくみえてしまった感じもありますね。
ラスト付近の時間軸が2020年で、別れた二人がそれぞれ別の恋人とデート中に偶然再会するってシチュエーションが、ノーマスクで三密なのでコロナ禍では不謹慎な人々に見えてしまいますし。
これは公開延期にして平和になった数年後に公開するか、ラスト付近はコロナ禍に合わせて撮り直してもよかった気がします。まぁ菅田と有村のスケジュール的に不可能でしょうけど。
結論。
他人のモノマネで笑いを取る芸も立派な芸のうちですが、できればオリジナルの新しい芸を発明して、他人からモノマネされるぐらいの映画を作って欲しかったと思いました。以上です。
人生
有村架純が出るということで見に行きました。
ただの恋愛映画ではなく、本当に現実を描いている映画で、親近感というか現実味があって個人的にはすごく好きな映画になりました。
きぬ(有村架純)がそうめんをずずっとすすって一旦止めてまたすするところと、本屋さんで本を持ってくる時にぴょんぴょんってくるところがめちゃくちゃ可愛かったです。
ぜひ注目して見てみてください!
そんなの駅前で買えばいいじゃん
坂本裕二さんってどんな恋愛してきたんだろう。。
学生、特に大学生にほんとに刺さる映画でした。セリフ一個一個とか空気感とか、もはや共感通り越してこれ自分の話?みたいな錯覚に陥りました。
付き合いたての盛り上がりからどんどんすれ違っていくって恋愛映画は、世間に山ほどあってステレオタイプだけど、この映画が特別なのは、別れることを前提としてストーリーが展開されていくからだと思う。(あのオープニングは秀逸でした)見ている方が映画に共感して感情移入するというより、自分の過去の恋愛を客観的に見ているような感覚。だからこそ、ラストのファミレスのシーンが非常に効果的なんだと思う。麦くんが必死に独白していく姿と、後ろの初々しい男女の対比がうますぎて。涙止まらなかった。けれどこの映画は涙のまま映画館を出させることはない。余韻すらも楽しく可笑しく、微笑みで終われる、本当に花束みたいな作品。
だんだんお互いの立場が逆転していって、嫌いになったとかじゃないけど、圧倒的に価値観が合わなくなってくる。趣味や感性があっていたとしても、人生の選択によって自分の中の優先順位を恋人と揃えることは相当難しいこと。とにかく脚本がすごい。なんでこんなにわかるんだろう?って。
学生が学生のうちに見てほしい映画
PS.オダギリジョーのビジュアルとライブハウスの佇まいがめちゃめちゃ「南瓜とマヨネーズ」??となったけど、「別れて他の男探せばいいじゃん」てセリフで、あ、違うってなった。
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