「陳腐」弥生、三月 君を愛した30年 メンマ太郎@食べることが趣味さんの映画レビュー(感想・評価)
陳腐
なんじゃこりゃというヘンテコな映画ですね。
遊川和彦という人はとにかく奇をてらった脚本家でその行き過ぎ感満載の作り話には
吐き気をもよおす時すらあります。
この映画はそこまでは行きませんがいたるところに作り話感があって
興覚めしてしまいます。
・まずバスは道路運送法で停留所以外は止めてはいけません。完全に法律違反です。
・杉咲花が演じるサクラがHIVという設定に違和感を覚えますが、1980年に大問題になった
「薬害エイズ事件」をモチーフにしています。全国で1800人が感染し400人以上が死亡したのだから、遊川氏の身近にそういう人がいたのか?もしくはただ年表を見て「ああ1980年代ならこの病気がいいな」なのか?このサクラの病気については深い突っ込みも無く、闘病カットも殆どなくなぜかあっさり死ぬから、まあ恐らく後者の方でしょうな、笑 若い人はピンと来ないだろうがこの人が考えそうなことです。
・そのサクラの墓ですがなんじゃこりゃですね、苦笑
桜の木の下にポツンと、しかも「さくらへ たくさんの思い出をありがとう」と彫ってある。てことは
普通の墓では無く追悼碑?誰が作ったの?学校?墓は別にあるの?よくわからん
・交通事故のくだりもありきたり過ぎて情けない脚本。書いてて恥ずかしくならないのか?
・息子とのサッカーボールの場面もなぜか急にボールが転がってきてそれを拝借してパスするというくだりも長くて、貸した側の少年が可哀想になってくる
言い出したらキリがないのでこれくらいにしとくが、、、
・最後のサクラの録音テープ。あの両親は毎年弥生から年賀状をもらってるのになんで30年以上経った今さら?しかも内容はジジババになった弥生と太郎に送るような内容。いかにもラストに持ってきたようなクサい内容。
最後のミュージカル風なところは爆笑もんだけど、もはや精神異常者が作ったとしか思えないから「陳腐」という言葉がぴったりだろう。
「見上げてごらん夜の星を」って歌もこの映画には全く合ってなくて違和感しかない。