「冒頭5分で泣けた・・・」弥生、三月 君を愛した30年 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭5分で泣けた・・・
舞台は宮城県・・・と、わかっただけでウルウルしていたおっさん。これから30年も・・・と、もう胸が熱くなってきている。なにしろサクラ(杉咲花)ちゃんがエイズだとわかり、黒板に落書きされていじめられている。ここでポロリ。「てめーら、エイズがどうやって罹るのか知ってんのか!(もうセリフ忘れてます。多分こんな感じ)」という波瑠演ずる弥生。「濃厚接触か輸血によってなるんだよ!(これも違う)」と、サクラにキスする弥生。「ごめんな。ファーストキス奪って」「お互いに」(これも微妙)。なぜここで号泣させる。続けて観られなくなるじゃん・・・
TVドラマ『女王の教室』や『家政婦のミタ』の脚本で大ブレークした遊川和彦。調子に乗ってしまった翌年のNHKの朝ドラ『純と愛』で大コケ・・・でもいつか復活してくれるだろう。何たって『さとうきび畑の唄』の脚本家だもん。と、しばらくは忘れていました。とにかく、ユニークな性格、ありえへん性格ってのが売りだったような気もする脚本家(今回は監督も)でした。
いわゆる「すれ違いムービー」のひとつなのですが、とことんまで叩きのめすのが特徴の遊川さん。まずは当時は不治の病エイズで亡くなった親友。恋する太郎(成田凌)ができちゃった結婚したため、自分も歯科医と結婚するのだが、この主人公弥生の家庭環境もかなり酷いものだった。特に父親は自分の借金のために長女の弥生を政略結婚させて借金を肩代わりしてもらおうという魂胆。いつの時代の話なんだよ・・・と、この父親の性格描写が遊川らしいのだと思う。さらにイジメ問題も最初と最後で締めくくり、上手い脚本だと感じましたよ。
86年から20年までの34年間に様々な事故、災害が待ち受けていたのだが、考えたら85年の日航機墜落事故も彼らにとっては大事件に違いない。なにせ、大惨事で坂本九氏も亡くなってたのだから、サクラが好きだった曲が「見上げてごらん夜の星を」だということもその事故を思い出さずにはいられないのだ。3月だけを描いていることも斬新だと思うし、さらに地下鉄のシーンでは95年の地下鉄サリン事件(折しも公開日が事件の日)までをも想像させる。
3月1日に始まり3月31日で終わるストーリーではあるけど、テロップを用いるのじゃなく、新聞、カレンダー、携帯などの日付で教えてくれる。映像が移行するときにも日めくりカレンダーのような効果を与えているというこだわり。さらにバスや電車という交通手段やサクラの墓参りによってデジャブのような繰り返しをしつこいほど使っているのです。このしつこさも好きです。 また、3人の名前も五十音順にすると最後の3人になるというわざとらしさ。三月、サクラ、サンタと“サ”攻めにしてるところも・・・
何も言えずにいたけど、ずっと惹かれあう二人。付き合って結婚すれば話は簡単なのだが、二人でいるとサクラのことを思い出してしまいそう。そして映画『卒業』(1967)の踏襲も面白いが、太郎の母親黒木瞳が映画『略奪愛』(1991)に出演しているのも偶然なのか興味深い。いや、とにかく黒木瞳は不倫ドラマが似合うんですよね~。
最近、アナログウォークマンがやたらと映画に登場してますが、そろそろソニーピクチャーズが日本映画を買収する日も近いのか!?などと考えつつ、エンドロール後の映像では「おいおいいくらなんでも高齢出産すぎるだろ」と一瞬勘違いしてしまいました・・・と、鑑賞後にスマホの電源を入れると弥生ちゃんから着信が入ってた。びっくり。
コメントありがとうございます!私は人生のベスト10に入るくらいになりました。私も人生なかなかすれ違いではないですが、山あり谷ありだったので、こういう困難を乗り越えていく話に涙腺ゆるみます。Kosayさんも序盤から早いですよね(笑)私ももともと感受性だけは強かったですが、おっさんになり、すぐ泣いちゃいますね(笑)
ところで、コロナ、そちらは、どうですか?東京は、三連休人出が多くて、にわかにオーバーシュートが叫ばれるようになりました。もう、映画館も閉鎖になったら、悲しいですよ〜。
こんばんは、変な時間に寝てしまって、目が覚めて、寝れなくて、困っています(笑)
ああいうの、物語りだし、演出だって分かってるのに、ムカってするんですよ。やれやれですよ〜。だから、たまに湧いて出てくるやつにも、カッとなるんです!