1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
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凄いものを観てしまった
IMAX前列での鑑賞をお勧めしたい。 映画はこんなにも体感型になっていたのか。 軽く酔うくらいのめりこんだ。 緊張安堵恐怖、また緊張、と休む暇のない映画だった。 観終わったあと、本当に疲れていたし、しばらく現実が嘘のように思えてしまうほど、感覚が戦場に残っていた。 観客はみんな主人公になりきってこの180分を過ごす。 だからこそ、最後、どれだけ彼が必死で、ありったけの力を使い切ったかが分かる。そして、その瞬間に涙せずにはいられない。 そして劇場から出るとき、自分も必死で生きなければならない。何かに突き動かされるような使命感でいっぱいのわたしがいた。 "いつ何が起こるかわからない"という意味ではパニック映画のようでもあるし、ある種エンタメ映画と捉えられても仕方がないのかとも思うが、アカデミー賞は本作が撮るべきだったと個人的に思っている。 いやセットも凄いし、役者さんもめちゃくちゃ頑張ってるしね。 不謹慎だと思われるだろうが、やはり戦争映画の緊張感は他の映画では味わえない。あとスピルバーグの戦争映画がものすごく見たくなっている自分がいました 本当は「彼らは生きていた」も鑑賞したかった… くそう…
2020-17
伝えたいこと。伝えたい人。 戦争映画は、その情報量の多さに整理ができず、苦手感はないのですが、毎回隣に林先生を置きたくなります。 本作は、その点、とってもシンプルでわかりやすい。しかも、ワンカット(風)で自ずと引き込まれる。 関係者の数も少ないから、それぞれのドラマや思惑といったものではなく、主人公とその友人のドラマ。 大切な人に会って伝えたいことと、大切な人の命を奪う戦争の悲惨さをダイレクトに伝えてくれました。これはワンカットの為す術かも。 主人公の友人役のディーン・チャールズ君、ほんとにリチャード・マッデンに似て、さらにタロン・エガちゃんにも似てますね。 個人的にこの兄弟の演技に心を揺さぶられました。 コリン・ファースや、ベネカン、マーク・ストロングといった大物俳優の出演シーンは、ほぼワンシーン(ワンカットなので語弊がありますけど)なのも、主役にスポットを置いたことで彼のドラマが際立ち、よかったです。 戦争映画では情報量を処理できず、脳内酸欠になるので必ず飲み物なり食べ物なり買っていくのですが、本日、上映時間を間違えて劇場入り→買ってる時間がねえ! というわけで手ぶらでしたが、見入ってしまいおそらく瞬きすらしてなかったです🙊 ワンカット(風)だとわかっていたので、始まる前は物語的にはいくつのシーンなんだろうと数える気で満々でしたが、 見入ってしまい、エンドロールのときに手が✌️になっている自分がいました。
ある一連のシーンに圧倒されて
見終わった瞬間に、映画館でもう一度見たいと思う作品は久しぶりだった。 2度目の鑑賞を終えたところでこのレビューを書いている。やはり、もう一度見たい。 カメラが1人の人物を追い続ける作品を見たのは初めてで、まずはその特殊さに興奮してしまった。 映画素人の感想なので恥ずかしい。(ワンカット風の作品は他にも作成されていることも後から知った) とにかくこんなことは初めてだった。 記憶の断片を繋ぎ合わせた物語を見るのではなく、ある人物の「今、ここ」での経験をリアルタイムに共有すること。 言葉通り、映画を「体験」すること。 一方、エンドロールの直前に現れるのは、この話を語ってくれた監督の祖父への献辞である。 これまでの「体験」は、ある物語が変容した姿だったのかと気がついたとき、監督の思いを受け取った気がして、なんだか胸がじんわりした。 もうひとつ、興奮したことがある。 「ワンカット風」と言われるこの作品は、一度わかりやすく中断される。 この中断の後のシークエンスが、あまりに圧倒的だったのだ。 瓦礫ばかりの夜の街が目も眩むほどの強い光で照らされる。照明弾と言われるものと、炎の光。十字架の影。 大戦の経験がシュルレアリズムに繋がる要因のひとつだったといつか読んだことがあった。 死体ばかりの塹壕、荒れた戦地で強烈な光を目にした時(炎、爆撃、あるいは星の光)、その美しさに思わず現実を、自我を忘れるような経験をしたらしい。 それを、まさに追体験できたと思えた。 この世の終わりかと思えるほど恐ろしく、涙が出そうになるほど美しかった。 何度でもこの作品を映画館で観たいと思うのは、何よりこのシークエンスのためなんだろうと思う。 (そのしばらく後にも、また美しいシーンが続いてゆく) ワンカットとも言えるし、ある意味シームレス?とも言える気がする。 生活と戦地と、生と死と、現実と夢、それらの境界が隠されているような感じ。だからこそ先に挙げたあの中断(暗転)は気になる。 こうして映画を見た後でいろいろ考えているのもまた初めてで、私にとって特別な1本になったみたい。 いろんな方のレビュー読むのも楽しい。 特別な映画体験をぜひ映画館で!と宣伝されているのをよく見るけれど、ここでの「映画体験」とは音響や映像を楽しむアトラクション的要素にとどまらないことを言ってみたくて、また戦争映画に対して「良かった」という言葉で評価すべきなのか不安だけれど素晴らしい作品だったことを伝えたくて、このレビューを書きました。 地方都市では公開が終わり始めていて、悲しいな〜
タイトルなし
没入感がすごい。伝令を伝えるというテーマにぴったりな撮り方。よったり、ひいたり、役者の反応にあわせて動いたり、計算された動きで、1カットであることが気にならない。技術がすごいことが気にならない。ものにしてるという感じ。
まさに、be part of one
IMAXで鑑賞しました。 まさに、IMAXのキャッチ「watch a movie or be part of one」を 体感できる映画でした。 ワンカット風なことにより、 リアルなセットが全て繋がっており、戦場が実在し、そこでの出来事が描かれていました。 カメラワークも主人公達にフォーカスし続けることで、自分も主人公パーティの一員のような感覚。 一つ一つの出来事に驚き、揺さぶられる。 ただドンパチして、というありがちな戦争映画とはまた違う、映画の体験をできたことに、感謝したいです。
全力で全うする人
戦時下ではそれぞれが自分の役割を与えられ、時には理不尽な命令を上司から指示されるもの。 しかしそれに臆す事なく全力で全うしようとする所が戦争映画の好きなポイントでもあり、この映画は特にそれを感じる事が出来ました。 また、戦争での大軍vs大軍と完全に個人にスポットを当てた映画とでは殺傷行為への感覚が全く違う風に見て取れ、それがリアリティにも繋がっているのでは? 映画の撮影技法などその辺の知識に関しては全くの素人なのですが、全編ワンカット風による映像への没入感はとても新鮮。 あっという間の119分をありがとう!
ワンカット風
まー風でも、なんでも臨場感はかなりのものだったのでかなり面白かった。 話も単純なので売りはそこなんだろうけどロケーションを楽しむ感じで、緊迫感などワンカットはかなりの効果だった。 ちょこちょこ有名俳優を配置してるのも○ ラスト間際の戦場を駆け抜けるシーン、主人公にぶつかって倒れる兵士には笑いました。 主人公バランス感覚すごいじゃん 最初のシーンとラストシーンは意図して似たようなシチュエーションだけどだいぶ意味合いが違うのがグッド。 この映画の前に 彼らは生きていた を鑑賞していた為、そっちの臨場感に比べるととても映画的、フィクションぽい?後半の川に流されたら岩に当たるだろ!とか森で歌に導かれて偶然目的の部隊に会えたりご都合主義もあったがそれはそれ。 面白かった。
戦場を歩む緊迫感はプライベートライアンを越える
“長回し”(正確には長回し風ですが)の宣伝文句に惹かれて鑑賞しましたが 今年最も印象に残る映画ではないかと思います、いや本当にスゴイ作品でした。 目的は唯一つ【攻撃中止命令を最前線に伝える】---言葉にするなら簡単ですが 攻撃を受けない為に大量の死体が埋もれる酸鼻極まる塹壕を歩く嫌悪感 放棄されたとはいえ何時襲われてもおかしくない敵の陣地を進む恐怖 荒廃した街から崖下を流れる川に飛び込むまでの切れ目なき逃走の始終 これらの出来事が“長回しの様に見える映像編集”によって紡がれた結果 今起きている現実のごとく錯覚してしまう新感覚を生み出しているのです。 長回しの仕掛けが画面を遮る人に木や岩に建物がそうだとわかっても 戦場と長回しが相性良く混ざり合ってかつてない緊迫感を作っています。実際 風とはいえ本当に最後までワンカットですから、臨場感と没頭具合に加えて 先が読めないので、突如引きおこされる爆音には大いに腰が浮きました。 ただこれだけなら『戦争の悲惨さに臨場感あってスゴイ』で終了なんですが この映画は“荒廃と美しさ”が両立して表現されていたのも特筆したいです。 顕著なシーンが崩壊した街で主役が気絶した後、夜になっている所なんですが ここからの“照明弾で光と陰で色付けられた街並みの一連描写”に私の感性が 幻想的で美しい情景と感じたのです...万人が頷く理由になるかはわかりませんが これは監督の計算されつくした計画と空間認識、それらを可能にした技術が 合わさって生み出された緻密な画角と色彩に感動したからかもしれません。 私は戦争映画への造詣が深いわけでも、特段好きでもない素人ですが 否が応でも血生臭くなる戦場という凄惨な舞台で相反すると思っていた 美しさを違和感なく展開に落とし込んでいたのは十二分に衝撃的でした。 そんな素人でも戦争映画の傑作は『プライベートライアン』の一強でしたが 今後は『1917~命をかけた伝令』を加えた二強になる事でしょう。 戦闘と無情の前者に戦場と幻想の後者、いや映画って本当にいいものですね。 ・ ・ ・ 余談ですが本作鑑賞後の余韻が中々に強烈だったのか、帰り途中の情景が “映画の続き”と誤認識してしまう変な錯覚に陥いってしまいました--- 感情移入しすぎかもしれませんが、同じような感覚になった方いますかね?
まるで走れメロス!
戦争映画だがそれ以上に、友との約束を果たす為、戦火の中、孤軍奮闘する熱い友情映画。 【アカデミー撮影賞・視覚効果賞・録音賞受賞】という実績がそのまま今作の説明になっている。 監督サムメンデスに外れなし。(2020/2/27) 奥さんの満足度ー☆☆☆☆
臨場感が半端ない映像もすばらしいが、脚本もよく練られている。
ハラハラドキドキのエンターテイメントとして傑出した出来。 かつ戦争の現実に迫ってる。 若いとき「西部戦線異常なし」を読んだときには、塹壕戦の様子を十分にイメージできなかったように思うけど、これから読み返したらずいぶん違うかもしれない。
息ができない
私的クライマックス・オブ・ザ・イヤー受賞。実際にワンカットなわけじゃないんでしょーとか思ってたがそんなんどうでもいい。圧倒的な画力。360度何もない戦場、夜中の爆撃の明かり、体力の限界をとっくに超えた全力疾走……こんな言葉じゃネタバレにもならん。観て。
緊張が続くが、とても楽しめた
延々と息詰まる効果音。 観客の我々は、「主人公は、敵が退却して、すでにいなくなった道を行く」と、油断しがちだが、映画はその油断を決して許さない。 次々と起きる出来事。それは、敵がいないはずの道でも、こんなことが起きるのだと、俺に、戦争の怖さを教えてくれる。一瞬たりとも油断できない120分! 全滅を防ぐための伝言が、果たして最前線に届くかどうかは、劇場で確認してほしい。けれど、疲れるよ。体力蓄えて行ってね。 たまたま「彼らは生きている」と本作を近い時期に見られたのはよかった。同じ第一次大戦を、ほんとうのドキュメンタリーと、創作とはいえ経験者の話をもとに作った本作と、続けざまに観られたことは、俺の第一次大戦の知識を増やしてくれた。ありがとう。
過酷な戦場と美しい情景と
個人的には結構好き。 緊迫したシーンと、危機を乗り越えた後の安心するシーンのバランスが絶妙でした。 二時間ドキドキしっぱなしだとかなりシンドイので嬉しい(笑) 話題になってた「全編1カット」は、「ほおーそう言えば」位でしたが、映画らしい大きくて綺麗なシーンが多々あったので、劇場に行って良かったと素直に思いましたよ。 流石はサム・メンデス! こういう戦争映画、増えて欲しいなぁ~
全編ワンカットて?!
すごいものを見せつけられてしまった…!!!という感想しか当分出てこなかった! 草原をかけるシーンだけワンカットなのかとと思いきや、え、待ってこれ全編ワンカット…え???と、正直ストーリーよりもそっちに気がいってしまって、なんでIMAXで観なかったのかを激しく後悔。 ほんとびっくりした。 ロジャー・ディーキンスがアカデミー賞を受賞した時に調べてたけど、更に掘り下げてしまったw ワンカットって限界があるなと思ってたけど、見事に限界を打ち破ってきたし、しかもそれを戦争映画でやってくるとは思わなかった! ワンカットだとずっと三人称視点なのかなと思いきや全くそんなことはないし、そこにも驚いた…。こうやって振り返れば振り返るほどに「?????」ってなるのが凄すぎる。川のシーンは役者殺しすぎない?!w メイキング付きBlu-rayお待ちしてます!w ストーリーはわかりやすいので、他の戦争映画と比べると観やすいんじゃないかなと思った。でも絵が綺麗なので、苦手な人は厳しいのかな。 ちょいちょいベテラン俳優が映るので、はっ!?!てなるのもちょっと面白ポイントだった。 感情移入が過ぎる私は当然涙したけど、これは個人的にストーリー以上に観る価値がある映画だなと思った。 帰りに旦那に「そうか、これが作品賞じゃないのか…」とつぶやいたら、旦那が「自分は技術的な云々は分からないから、面白さで言ったらパラサイトかなと思ったよ」と言うのを聞いて、なるほどなるほど…と。
一代限りの戦場ワンカット体験
全編ワンカットというふれ込みだったが、ワンシーン毎ワンカットなんだろうと勝手に思い込んで観に行ったら、本当に全編ワンカットだったので驚いた。 勿論、ワンカットに見えるように作っているのだが、これにはとてつもなく緻密な設計図が用意されたのだと思う。 さらに言うと、実際にかなりの長回し撮影は行われていたと思うし、主演のジョージ・マッケイは文字通り出ずっ張りだったので、緊張感の高い撮影現場だったのではないかと想像する。 特に、出発地点と目的地の両方にあった塹壕の場面は、休息する兵士たちと戦いに突入しようとする兵士たちを見せる対の構成になっていて、圧巻の長回しだった。 このプロジェクトを指揮したサム・メンデスが監督賞にノミネートされたのはうなずける。 肝心の物語りも面白い。 1970年代以降、戦争映画には明確な反戦メッセージが求められ、兵士は被害者か、さもなくば犯罪者のように描かれてきたような気がする。 しかし、今なお最も人気の高い戦争映画だと言われている「プライベート・ライアン」は、過酷なミッションに挑む兵士たちの姿をとおして、英雄的な兵士の正しい描きかたを示した。 本作で描かれるミッションは、当初こそ主人公は受けるべき命令ではないと迷うのだが、その目的は明確で、誰かがやらなければ甚大な被害を被ることになるのもだった。最初は相棒として自分を選んだ親友に恨み言を言ったりしていたが、たった一人になっても、1600人の部隊を救うため、親友の勇気ある最期をその兄に伝えるため、諦めることなく任務を遂行する主人公は、紛れもない英雄だ。 戦場だから命懸けは当たり前かもしれないが、途中で断念して安全圏に逃避することもできたはず。敵の罠に見方たちが突入していく様を目の当たりにしても絶望するのではなく、決死の手段にでる姿に目頭が暑くなった。 こんな戦場のヒーローを示したのも、本作の評価に値するところだと思う。 そして、彼に次々と危機が襲いかかるアクションの構成が気を抜けさせない。これらの仕掛けも周到に練られていて、戦場サスペンスとしても見所は充分だ。 また、「…ライアン」には観客に戦場を疑似体験させる技術革新もあった。これ以降、戦争映画のリアリティは飛躍的に増していく。 戦場の恐ろしさを映像のリアリズムで表現できるようになったことで、ストーリーに幅を持たせられるようになり、戦争映画のテーマも広がってきている。技術革新の効果はそこにもあった。 本作では、進化した技術を裏付けとしたワンカットというアイディアによって、観客は常に主人公の間近にいるという演出がなされる。 戦場のスペクタクルを彼の肩越しに見るという、新たな戦場疑似体験だ。 全編ワンカット映画は、ヒッチコックの「ロープ」が恐らく最初の試みで、80分程度の本編で物語がリアルタイムに進行する画期的な企画だった。 考えてみれば、ワンカット映画はリアルタイム進行が当然なのだが、大抵はいつの間にか時間が跳んでいるもので、本作もそうだ。 そもそも編集という技術が開発されるまでは、シネマトグラフはワンカットだったはずで、劇映画の監督は多かれ少なかれ、その原点回帰本能で長回しに挑戦するのではなかろうか。 後世の戦争映画において、この手法はどんなにアレンジしても二番煎じになってしまう一代限りのものだろう。 そういう意味で、我々観客は歴史に残る一作を「体験」できたのだと思う。
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