「119分間の重み」1917 命をかけた伝令 a0064さんの映画レビュー(感想・評価)
119分間の重み
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ドキュメンタリーを観ているかのような感覚で、戦場を主人公と同じ時間軸で体験した気分になった。
なんと長い119分間だろう。気絶している時間もあるので若干のずれはあるものの、主人公の任務の行程を舐めるように見せつけられる。
息詰まる凄惨な戦場を駆け抜けて、戦友を失い、他の部隊に出会い、銃撃戦を耐え、証明弾の中を駆け抜け、言葉の違う女性と赤ん坊に出会い、滝下りまでやってしまう。
最後に任務は全うできたものの、虚しさが募るラストだった。ほとんどセリフがないので、主人公のバックグラウンドが語られず、想像するしかないが、それがかえってリアルである。
主人公が経験した119分間は、肉体的にも精神的にもとてつもなく密度の濃い時間であるが、私は冷房の効いた部屋でAmazonプライムビデオでのうのうと鑑賞している。
時間は機械的な尺度であって、その中に詰め込まれた内容によっては、たった119分間でも人生を変えてしまうようなことだってある。
そんなことを映画で想像しながらこんな感想を書いていられる平和って、いいものだなあと思った。
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