劇場公開日 2020年2月14日

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「「1917」である必然性はなかった?」1917 命をかけた伝令 シンさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「1917」である必然性はなかった?

2020年3月8日
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 ストーリーを簡単にまとめてしまうと「舞台は第一次世界大戦。上官より重要な伝令を託された若き二人の兵士が最前線を越えて敵兵が潜んでいるかもしれない危険地帯を走り抜け味方へそれを届ける一部始終。その途上に遭遇する様々な困難を克服して…」といったところか。
 他にも第一次世界大戦を扱ったドキュメンタリー映画が同時期に上映されており、この時代への世界的な見直しの風潮があるのだろうか。
 観賞の途中からいくつかの雑念が頭をよぎった。(雑念が生じたのは私がこの映画に没入していない証左である。)

雑念①
この映画の舞台は「1917」でなくてもよいのではないか?

雑念②
 この映画は「戦争映画」でなくてもいいの ではないか?

雑念③
この映画は失敗作ではないか?

 雑念①~③に対する自分なりの答えは以下の通り

答え①
  唯一「1917」でなければならなかった事情で思い当たるのは、この時代に「スマホ」がまだなかったこと。スマホがあればチャチャと電話して上官の重要な伝令を離れた部隊の長に伝えればよい。危険地帯を走り抜ける必要も時間的制約も無い。

答え②
 「危険地帯」「時間的制約」「使命」
「友情」等々。いくつかの条件(具)を鍋にブッ込み火に掛ければそれはカレー味でも、塩コショウでもよかったなのでは?
 わたしは戦争映画を観たかったのだが。

答え③
私の多くはない映画体験の中で断定するのは思い上がりかもしれないが、この映画は失敗したのか?と思う。
 「ワンカット風に戦争映画を作る」アイデアに拘泥し視野狭窄を起こしたのではないか。
 また取って付けたような凡庸なセリフ、カット、お化け屋敷のセットレベルの遺体。なぜここで?と思わせる戦場での一女性との心の触れ合い。
 アカデミー賞を獲った「パラサイト」など観客を監督の足元にひれ伏させる映画は、やはり作品の全て、細部に「必然性」が宿っている。
 マーケティングと「斬新なアイデア」を足したらこんな作品できました❗な感じがしてなりません。

シン