「思い出した!あの生き物だ!」1917 命をかけた伝令 masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
思い出した!あの生き物だ!
時は1917年、第一次大戦がはじまって3年、フランス西部戦線で長大な塹壕を挟んで対峙する英仏連合軍とドイツ軍。
第8連隊に所属するスコフィールド上等兵とブレイク上等兵に雲上人のエリンモア将軍からお呼びがかかる。
狭い塹壕を急ぐ。急ぐ。カメラは正面から彼らを捉える。手振れは無い。最新のステディカム。
将軍からの伝令。退却したドイツ軍を追撃するマッケンジー大佐率いる第二大隊へ。ドイツ軍は戦略的撤退。トラップ。向こうは要塞化されている。
このままでは1600人の友軍は全滅確実。攻撃を中止しなければ!しかもそこにはブレイク上等兵の兄がらいる!
二人は伝令として向かう。まずは長い長い塹壕の最前線に。進む。進む。狭い塹壕を進む。途中に休憩所がある。兵士が沢山いる。人をかき分け進む。カメラはストーカーの如く彼らに付き添う。長過ぎる塹壕。進む。進む。
あれっ?いきなりストーリー?枕は無いの?
いやあります。しかもかなり長い。
さてここから全く関係ない話になります。私はこの狭く長い塹壕を見てある生き物を思い出しました。その生き物とは・・・
2年前の8月、私は上野動物園に行った。お目当てはジャイアントパンダの赤ちゃん香香(しゃんしゃん)である。予想通り大行列。炎天下1時間待ち。苦行である。やっと着いた。ところがなんと・・・
寝てた。お尻しか見えない。まあこんなもんかと思った。言いたい事はある。
ごめん。君は私の可愛いリストからはずす。私に愛されなくても世界から愛されているからいいよね。
私が思い出した生き物はパンダじゃない。
しかし隣に可愛い生き物がいた。それは・・・
アジアゾウ!暑い盛りである。自分の鼻に水を溜めて自分に掛けている。ずっとだ。声が聞こえた。
あー暑い、暑い。やってられないよ❗️しかも、飼育員さんがホースで水を掛けている。時々口に水を突っ込んで飲ませている。ダイナミック。そして二頭いる。
一頭がゴロンと横になった。飼育員さんを潰さないように気を使っている。お腹にも水を掛ける。掛ける。なんか楽しそうだ。水遊びみたいに見える。
可愛い。君たちは私の可愛いリストに入れたよ。頭が良いよね、君たち。確かに象も暑いと思うけどその絆に感動したよ。
ただ私が思い出したのは象ではない。
園内を歩いているとガラスがある場所があった。その先には小さな滝がある。滝から何かが流れて来た。その刹那、でっかく黒い生き物が出てきた。それは・・・
ヒグマだ。流れて来たのはスイカだ。
食っている。一心不乱に食っている。害獣と思う人もいるだろうが本来はドングリが主食の生き物だ。臆病な生き物だ。いつのまにか人が集まって見入ってる。
可愛い。君も私の可愛いリストに入れたよ。飼おうとは思わないけどね。
ただ私が思い出したのは、ヒグマではない。
暫く歩くと夜行性哺乳類の建物がある。中は暗い。ヒュンヒュンと木の間を飛び回る生き物がいる。
モモンガだ。
目がクリクリしてる。少女マンガのようだ。光を効率良く取り入れる為に目が大きい。
可愛い。君も私の可愛いリストに入れたよ。高尾山で君を見て大喜びしていたハーフの少女を思い出したよ。
ただ私が思い出したのはモモンガではない。
そして階段を下り、地下一階に行った。そこに奴はいた。生まれて初めて見たあの生き物。誰も知らないあの生き物。決して可愛いと言えないあの生き物。その名は・・・
ハダカデバネズミ
アフリカにいるネズミ。その名が示す通りハダカだ。体毛が一切なくピンク色だ。蟻の巣のような場所に住んでいる。小さなトンネルの中に沢山いる。いくつも部屋もある。
真社会性の生き物だ。蜂みたいなものだ。女王が繁殖担当だ。それぞれの個体には役割かある。外敵の見張り、食物調達係、子育て、巣の補修、etc・・・そしてネズミの仲間にしては異常に長命である。普通のネズミは寿命が3年ほど、ハダカデバネズミはなんと・・・
30年だ❗️有り得ない。拍動のトータル数で寿命が決まると言う常識を超えている。
私が思い出したのはこの生き物だ❗️似てる。
ハダカデバネズミ。穴を掘り分業化してる所。
ただ決定的に違う部分がある。
ここは徹底的に平和である。天敵はいないし、餌は与えられる。当然温度も最適だ。仰向けでお腹丸出しで寝ている。よく見るとお腹が少しだけ動いている。
同種族で殺し合いをする動物はいない。当たり前だ。種の保存の原則は揺るがない。但し例外がある。それは霊長類で最も知能が高い人間だ。(稀にボノボチンパンジーも同種を殺す事がある)
知能は高いが愚かな生き物だ。
さて長い枕が終わりました。冒頭のストーリーの続きです。
なんとかドイツ軍の塹壕に着きました。人間はいません。しかし思わぬ事が起こりました。
ストーリーに関してはここまでにします。
厳密にはワンカットではありませんがカメラは主役の二人に寄り添い、時に主観、時に状況説明と活躍しますが最後はカメラの存在を忘れてしまいます。物語に没入して。いわば・・・
体験型戦争映画です。
エリンモア将軍を英国の名優コリン・ファースまたマッケンジー大佐をベネディクト・カンバーバッチが演じます。物語に重厚さを与えてくれます。流石です。
楽しいとか楽しくないと言うより記憶に残る映画です。
今回は殆ど笑う所が無くてすみません。そしてこんな長文を読んで頂きありがとうございます。
PS ハダカデバネズミくん君たちも可愛いリストに入れたよ。
クララさんコメントありがとうございます。馬鹿レビューばっかりなんで自信がなかったのですがお褒めのお言葉多謝でございます。ハシビロコウも面白いですよね。漫画の鳥みたい。
いや~非常におもしろいレビューで、ハートをロックオンされました~!
私も上野動物園の香香は、遊具の影に隠れてて母パンダしか見れませんでした(泣)が、ハダカデバネズミには釘付けでした、そしてハシビロコウにも。
カールさんコメントありがとうございます。カールさんもあの建物に入ったんですね。冷んやりして真夏は最高です。真冬は逆に暖かいのでしょう。アイアイもいました。
kossyさんコメントありがとうございます。確かに触ってみたい。ハリネズミカフェがあるのだったらハダカデバネズミカフェがあってもいいかもしれませんね。
あー暑い、暑い。やってられないよ❗️
はタコ社長ですよね
上野動物園のアイアイとかタスマニアンデビルがいるひんやり涼しい暗いところですね。裸出歯鼠がいたのは。アホの坂田師匠に似てると思った記憶が………探す必要のない楽して見れる展示動物なので、スルーしたかな?
そんなに長生きとは、知りませんでした。
真夏の夜の動物園で見ました。2年か3年前に。
ハダカデバネズミが気になったので画像検索してみました!
あ、可愛いというか、なんというか、バラゴンのソフビに似てる?
それとも大群獣ネズラかな?
ペイルオレンジが何とも言えない・・・触ってみたい!
琥珀さんコメントありがとうございます。えーその本を読んでるとは流石です。
私も読んでますよ。チコちゃんでもやってましたけど。ハダカデバネズミは
常識外れてますよね。
私が思い出したのは『ゾウの時間 ネズミの時間』という新書だ。
(すみません、文体パクリました。)
心臓の鼓動数と寿命との関係を素人にも分かるように解き明かしてました(気がする)。懐かしい記憶が蘇りました。
毎度、ありがとうございます。
シドニー金メダリストのQちやんこと高橋尚子さん、全盛期の脈拍数はなんと37回/分だったそうです。