「友のために戦場を駆け抜ける、イギリス版「走れメロス」🏃」1917 命をかけた伝令 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
友のために戦場を駆け抜ける、イギリス版「走れメロス」🏃
1917年の西部戦線を舞台に、命懸けのミッションに挑む2人の若き伝令兵の姿を描く戦争映画。
監督/製作/脚本は『アメリカン・ビューティー』『007』シリーズの、オスカー監督サム・メンデス,CBE。
主人公ウィリアム・スコフィールドを演じるのは『パレードへようこそ』『はじまりへの旅』のジョージ・マッケイ。
イギリス軍の将校、スミス大尉を演じるのは『イミテーション・ゲーム』『キングスマン』シリーズのマーク・ストロング。
ウィリアムの戦友トムの兄、ジョセフ・ブレイク中尉を演じるのは『シンデレラ』『ロケット・マン』の、名優リチャード・マッデン。
イギリス陸軍エリンモア将軍を演じるのは『英国王のスピーチ』や『キングスマン』シリーズの、オスカー俳優コリン・ファース,CBE。
イギリス陸軍マッケンジー大佐を演じるのは『イミテーション・ゲーム』「MCU」シリーズの、名優ベネディクト・カンバーバッチ,CBE。
👑受賞歴👑
第92回 アカデミー賞…撮影賞、音響賞、視覚効果賞の三冠を達成!✨✨
第77回 ゴールデングローブ賞…作品賞(ドラマ部門)、監督賞の二冠を達成!✨
第73回 英国アカデミー賞…作品賞、英国作品賞、音響賞、監督賞、撮影賞の五冠を達成!🌟🌟✨✨
イギリスが誇る名優たちが揃う本作。
全編ワンカットの様に見える撮影方法で撮られており、映画への没入感が半端ではない。
長い長い塹壕を主人公2人が進むシーンでは息が詰まりそうになったし、廃墟でスナイパーに狙われるシーンでは、心臓が汗をかいた様にドキドキした。
戦争映画でありながら、直接的に大きな戦闘のシーンが描かれるわけではない。
描かれるのは無造作に転がる死体や、ぷかぷか浮かぶ土左衛門、そしてこの非日常的空間に順応している兵士たちの姿である。
直接的に戦闘を描かないからこそ、戦争について想像が働き、地獄の様な戦場のリアリティが胸に迫ってくる様だった。
悲惨な戦争を描く映画だが、敵兵に追われるシーンや、墜落する飛行機にあわや衝突しそうになるシーン、洞窟内でのブービートラップのシーン等、ハラハラする様なエンタメ的な展開もあり観客を飽きさせない。
家族や故郷への愛というテーマを始まりから終わりまで一貫して描き切った、非常に完成度の高い映画。
戦争映画を苦手としている人にも観てもらいたい一作。
ただ、イギリス軍を誇り高く描いているのに対して、ドイツ兵を悪役として描きすぎている様にも感じました。
まぁ、微妙なバランスの問題ですが…。