「ある長回し教徒の独白 ver.3.1」1917 命をかけた伝令 なおさんの映画レビュー(感想・評価)
ある長回し教徒の独白 ver.3.1
それまで普通にカット割った映像でしたのにラスト数秒ひっきりなしに砲撃による爆発が起こり多数の兵士が入り乱れる戦場でたいした装備もつけずに疾走するジャック兄さん(from『マローボーン家の掟』)が延々と写し出され、さらにカメラが引いて引いて引いて画面サイズが小さくなっていくと思いきや…『1917』タイトルドーン!という予告編を初めて見た時点で私は長回し教に入信することを決めたのですが(元から信者でしたが失念しておりました)公開されているメイキング映像を拝見するとワンカットではないのは分かりますがそれでも驚異的な撮影技術と綿密な準備が必要だろうというのは素人でも容易に推測できますがただそれまでに周囲の方に「2時間ワンカットのとんでもない戦争映画がある」と吹聴していた私の立場はどのように贖っていただけるのかということとが最大の不満点ですがもう一つ言うといくらディーキンス氏に「撮影技術を意識しないで」とお願いされても「映画を観る=どのように撮影されているか解析しながら観る」になっている長回し教徒にとっては無理な話なのですアカデミー賞は3部門にとどまりましたが撮影賞はしっかり取れたのでホッとしましたがもし逃していたら世界中の長回し教徒がハンガーストライキを起こすところでした危ないところでしたといったことが事前にありつつIMAXでの上映が近場ではないため次善の策としてDolby Atomsで鑑賞いたしました
…気絶…
映画が始まったらそこはもう戦場の最前線で三人目の伝令としてトメン君(from『ゲーム・オブ・スローンズ』)の代わりに何とか任務をまっとうすることができましたが別に必ずしもこのような撮り方しなくてもと言われたらそれはその通りでいたずらに難易度やコストのハードルを上げてしまうだけの愚かで馬鹿げたことかもしれませんが『前田建設ファンタジー営業部』を観たばかりの私にとってはそれこそが大人の仕事に思えて仕方がないのですと映像のことばかり書き連ねておりますが観賞後しばらく経つとJos Slovickの美しい歌声が胸を打つ“I am poor wayfaring stranger”そして静動緩急硬軟自在に彼らの道行きを包むトーマス・ニューマンによる音楽の素晴らしさが思い起こされスコア盤にも関わらずサウンドトラックを延々と聞き続けながらこれを書いておりますが察しの良い方はお気づきのように句読点なしのワンカット文章という趣向でしたが読みにくくて仕方がないようですので書きたいことの半分も書けておりませんがここまでにさせていただきます。
ひどいね、うん。
IMAXでの鑑賞できるか難しいところでしたが、とりあえず通常タイプで再鑑賞いたしました。今回はカメラワークよりは映し出される物により注目して観ました。死体にたかるハエや醜悪なラットから桜や業火に浮かび上がる幻想的な街の風景など美醜明暗大小様々に映し出される映像を堪能しました。それとスコフィールド疾走場面はすべて段取り通りだったのかアクシデント込みだったのかが気になりました。
今となってはもうIMAXでの鑑賞どころか劇場での再々鑑賞すら怪しくなってきましたので、BD発売を気長に待つ事にします。
BD購入につき3〜4度目鑑賞。気づかないところで結構繋いでいるようだ。ああやはり劇中で使用されている照明器具以外は自然光での撮影だったのか。手持ち、バイク、車、複数台のクレーン、ワイヤーなどを組み合わせたり連続して使ったりしてるのね。ストーリーの進行に合わせて塹壕2キロ作るとかバカなの。街をきちんと作った上でぶっ壊してセットにするプロダクションデザインのイカれ具合。死んだ後は色調整してるけど、死ぬまでの間にみるみる顔色が変わっていくのは特殊効果じゃなくて演技って、演技って…。そのトメン王子にばかり気を取られていたが、ロブもいたんかい。
スコ激走シーンは何度見てもテンション上がる。段取りではないとのことだが、そのおかげでさらなる臨場感が出ていたと思う。
サム・メンデスに加えて、ロジャー・ディーキンスのオーディオコメンタリー付とかクソ最高だなユニバーサルは。いつも小馬鹿にしててごめんね。