劇場公開日 2020年2月14日

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「すごくよかった…」1917 命をかけた伝令 R.S.さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0すごくよかった…

2020年2月18日
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鑑賞方法:映画館

まず終始、絵面がピクチャレスクですごくよかった。構図は長回しの腕の見せ所のひとつだと思うが、その点で本当に最高のクオリティ。腐った死体がわんさか出てくるし、ほとんど何もかも泥だらけなのに、決してむさ苦しくなく、戦場の恐怖や緊張、そして時には疲労感がむしろピュアに研ぎ澄まされて伝わってくる。スコフィールドが無表情なのもいいのかもしれない。戦争もの(しかも前線)でありながらクサさが一切ない。
音楽もまたよい。特にひねりがあるわけでもなく、場面場面で分かりやすく恐怖と緊張を煽ってくるのだが、これにも醜悪さが全くない。
この作品は、戦争を嫌悪の対象として醜悪に脚色するというよりも、ただひたすら恐ろしいもの・虚しいものとして描いている。そういう表現ができるのだということにとても衝撃を受けた。
何度も言うが、構図は本当によくもまあというくらい極上なので、それだけでも映画館の広いスクリーンで見る価値がある。

R.S.