「僕は3人目の同行者」1917 命をかけた伝令 カメさんの映画レビュー(感想・評価)
僕は3人目の同行者
個人評価:4.5
味わった事のない程の没入感は、この撮影方法だからこそ生み出せたモノだろう。
いつの間にか3人目の同行者に自分がなっている。
守られた塹壕から出て、身体を開けた場所に置いた時、どこからでも弾が飛んでくる恐怖は、自分自身に実際に降り掛かる恐怖の様に体感できる。
また007スカイフォールのラストでもみせた、夜の闇を、燃える建物の炎が揺らめき照らす演出。本作でもその闇に揺らめく炎の演出を存分に魅せ、戦場の闇を、レンブラントの絵画の様に美しく演出している。
また死と桜をメタファーとして用いており、美的に優れた作風である。
日本では2時間通してワンカットかの様な、誤解を生む宣伝をされてしまい、撮影方法ばかり目がいくが、本作は第一次大戦時代の兵士達の生き様と、終らない戦争の闇を生きる人間を描いた戦争映画として、非常に優れた作品である。
また少しのカットだが、この時代の指揮官にピッタリな3人の名優のキャスティングもにくい。
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