「出発時の行きたくない感は異常!!」1917 命をかけた伝令 アンジェロさんの映画レビュー(感想・評価)
出発時の行きたくない感は異常!!
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出だしは新しい洋ゲーを買った時のように緊張しました。出発時に視野が広く開けた時の行きたくない感が異常で、素晴らしかったです。二人が息を切らせて荒野を進むのに、カメラが揺れもせずスムーズなのは本当に凄いです。入らなくていい場所で罠に嵌まる、目の前に飛行機が落ちる、どの戦闘も2分位で回避等、イベントがどれもリアルというよりは取って付けたような印象で、長回しをしつつイベントを詰め込まなきゃという弊害のようなものを感じました。真面目な作りなのに、そこはリアル志向をやりつつも楽しませようとするエンタメ精神を感じました。友人を救う為に発砲して、近くに大勢いた味方に全く気付かれないのはがっかりしました。中隊の突撃は泣けましたが、急ぐ主人公との2つのベクトルを1画面で撮り、とても良い構図でした。世界史に突撃損は無数にあったと知りました。「バードマン」の長回し風、「レヴェナント」のサバイバル感とイニャリトゥが好みそうなダブル要素でアカデミー作品賞を狙いに行きましたが、「パラサイト」の激しいロビー活動の前に及ばず残念です。草原に座って始まり、草原に座って終わるのは詩的な表現を感じて痺れました。全体的に綺麗に収まり過ぎていて、何かの洋ゲー大作のような印象ですが、他の映画では味わえない身体感覚と緻密な構成が魅力だと思います。
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