「奮い立たせるもの」1917 命をかけた伝令 yuinenさんの映画レビュー(感想・評価)
奮い立たせるもの
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楽しみにしていた一作。
主人公コンビを演じる俳優二名についてはまったく知らなかったが、それが逆にこの映画の中における彼らの立ち位置のようなものを如実に示していたように思う。
全編ワンカット撮影の煽り文句は伊達ではなく、とにかくカメラが主人公に張り付いて進んでいく。
スペクタクルシーンの合間に適度な緩みも設けてあり、その構成が絶妙。
その道中はさながらゲームをプレイしているようで、「メタルギアソリッド」シリーズをプレイしているような感覚に陥り、それも楽しかった(ファンです)。
そのゲーム感も良かったのだが、特に胸を打ったのは繰り返し逆境に立たされる主人公をその都度奮い立たせる演出。
塹壕の崩落から辛くも脱出した主人公はミルクを飲んで回復。
そして戦火の村で出会った新しい命へとそれが受け継がれていく(すげー直接的に)。
激流に飲まれながらも美しい桜の花びらに包まれてまた覚醒。
透き通るような歌声の中、なんということはない、しかし生命を感じさせる森の中で小休止。
最後の地獄を走り抜け、彼は再び野に臥し、樹の根元で命の絆を感じて幕。
かくも無惨な地獄の中で、主人公は幾たびも諦めかけながら、豊かな命に背を押されて前に進んでいく。
その姿に素直に感動させられた。
ちなみに、脇を固める俳優陣があまりに豪華で、それも楽しめた。
たいへん面白い映画でした。
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