すばらしき世界のレビュー・感想・評価
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笑って泣いて、考える映画
かなり楽しめて、考えさせられる映画だった。役所広司は上手いねぇ!ある時は可愛いオジサン、でもスイッチが入ると本物のヤクザに思えるから。そして前科のある人を避けず正面から向き合って見離さない「すばらしい人達」。三上さん(役所広司)は幼少期の辛い経験から、弱い者いじめとか見過ごせないし真っ直ぐ過ぎる性格が災いしている。
先日、保護司さんが刺された事件があったが、最悪のケースだって起こりうる。犯罪歴のある人の社会復帰は本当に難しい問題だと思った。
ラスト、三上はなんとか感情コントロール出来る様になって、本気で心配してくれる人に囲まれ仕事や近所付き合いなど上手く行き始めた矢先だったから凄く悲しくなった。
お母さんとあの世で再会しているのかな?
ただの一市民に"成り上がる"
真っ直ぐに生きるというのは、軋轢や不寛容に晒されるということだと思う。
役所広司演じる三上という男。極道では無いのだが、目の前の悪を許せない実直な男で、すぐに怒ってしまう。
昭和の典型のような男で、現代であれば「老害」などと揶揄されてしまう男である。しかし、完全なる「老害」などいないのだ。みんな己の正義を持って、だからこそかち合ってしまう。いがみ合ってしまう。「老害」とされる男を描いた作品。
とても良かったシーンは、障害を持った人が三上に花束を渡すのだが、三上の泣きそうで、それでも微笑んでる時の顔。perfect days で役所広司に惚れた私は、この顔が世界で出来るのはただ一人、役所広司だけだと思っている。どれだけの俳優が、泣きそうで、それでも微笑むという顔をできるのだろうか?
惜しかったシーンは、最後に三上は死ぬ必要があったのだろうかという疑問だ。彼は最後社会に適応した。手を差し伸べるべき所で手をさしのべず、違うと思うことを違うと言えずに、ただの一市民となった。私たちはそれを望んでいたし、周りの人達もそれを望んでいた。
三上は悔しかっただろう。「喧嘩のマー坊」と呼ばれた彼が、一回り二回り下の年齢の者に追従する事に。否定できないことに。
しかし、彼は社会で生き始めた。
そんな彼が死ぬ必要があったのか?
「鉄砲玉」としてなら死ぬという終わりが納得できるだろうが、ただの一市民に"成り上がった"彼にその結末は不当では無いのか?
概ね良い作品だった。心に問題を投げかける作品だった。
私はガキなのでハッピーエンドが好きだ。だから4.5にした。
二度と、間違った道に戻らないで
ほしい、とこの作品を観ながら思わせる、魅了たっぷりの主人公、三上。
まっすぐで、気が短いだけ、では簡単に片付けられないが、ある意味で勧善懲悪の精神を持った人物であるからこそ、共感をもてる。
せっかく、職を得ることができた福祉施設で、障害のある同僚がいじめられたり、陰口を言われたりするのを、なんとか、堪える三上。
そんな我慢が、限界なのか、どうだったのか、ラストのシーンが意味深。
自害なのか、急死なのか…
三上にとって、この世の中で生きていくのは、限界が近かったのかも…
更生するということの難しさ
人が更生することの難しさを感じさせる映画でした。主人公である三上正夫が、施設で障害者の職員がいじめを受けている現場に出くわした時のシーンが印象的でした。私たちが社会で上手に生きている今は、見て見ぬふりをしてきた多くの犠牲や諦め、正義感の喪失によって成り立っているのだと思わされました。正義感を無くさず困っている人を見捨てない人こそがこの社会では生きづらいものなのだとこの映画を見て感じました。
前科のない人間がまっとうなのかという疑問
一番印象に残ったのは、介護施設で前科のある障害者の職員を、同僚たちが嘲笑うシーン。
あの職員たちには前科はなく、自分が至極真っ当な人間のような顔をして生活している。もちろん犯罪者を擁護するつもりはないが、罪を償い、社会でまた生きていこうとしている人たちを、『前科がある』というだけであんな不当に扱っていいわけがない。
もちろん警戒心や疑心を抱くことは否定しない。必要以上に距離を縮めないことも。仕事でミスをしたら指導することだって必要だ。
しかし彼らのように見下し、差別し、卑しめるようなことは、許されないと思う。何よりもあの場にいた職員4人共に、なんの罪の意識もないことが許せなかった。まるで『犯罪者には何を言っても許される』とでも思っているようにも見えた。
彼らに前科はなくとも、私の目には犯罪者と同じくらい軽蔑に値する人間に映った。
そして『前科持ちになるということ』について。
前科がある人間が社会で生きていくことの難しさ、辛さがつまっていた。三上は人に恵まれ、組に戻ったり、再犯を犯すことはなかったが、そんなにうまくいかないのが現実なのかも知れない。自業自得といえばそれまでだし、前科があるという生きにくさを抱え、時には我慢し、生きていくしかないのだとも思う。
犯罪者はきっとみんな、そんなことは想像せずに罪に手を染めるのだろう。一度も犯罪に手を染めないで生きることが何よりも一番楽な人生なのに、目の前の欲に負けて罪を犯す。その先にはもっと生きにくく、辛い人生があるのに。
ラストの展開は、三上が世の中でうまく生きていくための処世術を身につけたが故にあの結末なってしまったのか?もしくは結局どんなに足掻いて努力しても幸せにはなれないということなのか?と考えさせられた。
わたしは前者だと信じたい。見て見ぬふりをし、聞こえないふりをする。思ってもいないことを言い、笑いたくないのに笑う。そんなことをしていたら心が死んでしまう。ということを本当の死とリンクさせたのではないかと感じた。
全体を通して強く思うのは、世の中のすべての子供が、両親のせめてどちらかだけからでも、十分な愛情と温もりをもらえる世の中になることだ。そして、愛情を注げなかった親の罪は何よりも重い。
役所広司さん、仲野太賀さん
素晴らしい演技でした。特に三上の愛される性格は役所広司でなければ演じられなかったのではないかと思いました。
長澤まさみさんは、個人的にとても好きなので、今回の役柄は見てて複雑な気持ちになりましたが、演技が素晴らしいということですね。
すべてのキャストの方が素敵でした。
シロウトとして世間におもねる寂しさ
優しさのためだと信じて握った拳を、振るわず躊躇わなければならないってのも、やるせないもんだな
人によって倫理観や正義の尺度は違うだろうとは思うけど
極道と報道屋ってのはなかなか面白い対比だった
それぞれにイカれてる。
「普通になるんですよ。三上さんは」ってセリフ良かったし、
教習所で受験番号つけられて威勢よくなるのには笑った。
最期に空を写して「すばらしき世界」のタイトルを表示するのは皮肉なのか?
ケツと満月
役所広司さん演じる三上の喜怒哀楽の表情が魅力的。
雪景色も東京タワー周辺の夜景も一流映画の風格があり、三上の過去の白黒写真等の映像のクオリティもリアルであった。
仲野太賀さん演じるダメ男ツノダを長澤まさみさん演じるキャリアウーマンのヨシザワが追いかけてカメラをぶん投げて叱責する場面が好き。
今の時代の象徴。
三上は母に捨てられたのではなく愛されていたのだということが、出産経験のある女性とのピロートークの時に確信する場面が好き。
会話の中で地震と自信をかけていたようにも感じた。
『見上げてごらん夜の星を』を歌う時に六角精児さん演じる店長がギターを弾いて三上の就職祝いをする場面が好き。
ピッカピカの黄色い自転車も素敵。
満月の夜にツノダに背中を流してもらう場面が好き。
裸を見せた相手には心身ともに無防備になる。
三上が土いじりをする時の障害を持った介護施設要員との交流の場面が好き。
無邪気で美しく、すばらしき世界を感じた。
世知辛い世の中に牙を向けずに過ごせるようになった三上には、もっと長く生きていて欲しかったし、その生きざまをもっと見たかった。
正義感強男
アマプラ無料鑑賞
アンガー💢はマネジメントできないと
どしよもないよね🤦🏻♂️詰む
で、最後の介護施設で苛めっ子らをモップで制裁💥した件は不問なん❓🤔
老いぼれてボケて生きながらえてしまうより、サッと死ねるの、良いと思う🌸 羨ま死
役所さんの醸す雰囲気でおまけ+0.5⭐️
育った環境の影響はとても大きい
主人公の三上は劣悪な環境で育ち、学も無い。そこから抜け出すために成人する前にヤクザの世界に足を踏み入れた。そのため人生の半分は刑務所暮らし。問題の解決方法は暴力のみ。彼にとってはアウトローな世界の方が楽なのだ。そのような人間が、今までの生き方、考え方、身に付いた習慣を変えて、社会復帰するのがどれだけ大変か、考えさせられる映画。低所得者や社会からドロップアウトした人間などを指して、不遇な環境にいるのは努力が足りないからだという意見を耳にすることがある。確かにその通りな面もあるだろう。しかし、目標を定めて努力できること自体、育った環境によるところが大きいのだと、この映画を観て改めて感じた。
三上は終盤で介護施設に就職する。そこで同僚の障害者が虐められている場面を目撃する。以前の彼なら、我を忘れて暴力を振るい止めていたところを、グッとこらえて見て見ぬふりをする。一見すると、普通に割って入ればいいじゃないかと思うシーンだ。しかし彼は暴力以外の問題解決方法を知らない。そのため、不器用な彼はどうしていいのか分からず、見て見ぬ振りをするしかなかった。このようなシーンからも、彼の生い立ちが行動に大きな影響を与えていることを感じる。
映画でも言われていたが、彼のようにアウトローな世界で生きてきた人間にとって、通常の社会は生きづらいのだ。
答えのない世界
ヤクザであり、人生の大半を刑務所内で過ごした主人公が刑期を終えて日常生活を送るが、社会に居場所が見つからない。それどころか、居場所がどんどん無くなっていく・・・
アパート下界住人との騒音トラブル。そこで自分がヤクザであることを利用し、有利な展開にもっていこうとするのは、現代社会においては「弱さ」だと感じる。
一般人はとかくストレスだらけの毎日で、それを我慢したり、いなしたり、何らかの方法で緩和をして生きている。
主人公の三上は、ヤクザ稼業から足を洗っているのにヤクザであることをチラつかせたり、恫喝したりするのは・・・・「弱さ」である。
その「弱さ」からの自業自得で自分の居場所を狭めていることに気がつかない。
とはいえ、幼少期に母親から虐待(若しくは育児放棄)を受けていたような描写もあり、「考えて、判断して、対応する『学力』」が無い。学力は現代社会において大切な「力」のうちの一つだ。 「自業自得」の一言でまとめるのは残酷過ぎる。
彼のことを思って忠告をしてくれたり、助けようとしてくれる人がいるのだが、耳の痛い正論を言うと三上のほうでその気持を拒絶をする。。。。。
主な原因は彼にあるが、現代日本の社会構造にも要因はあると考えさせられる。
そして、物語の後半、覚悟を決めて「今できる限りのペースで強く、この世界で生きていこう」とすることで、彼の人生が好転していくのだが・・・・
介護施設の同僚がいじめを受け、悪口を言われる場面で「我慢をして、いなす」のだが・・・・皮肉なことにそれは「強さ」ではなく「弱さ」なんだよね。でもその強さを持ち合わせ、行動を起こせる人は少数。
そこで同僚を庇うことで全てが円満解決するわけではなく、三上の手に余る状況になっていくのは想像出来る・・・・そこは「学力」ではなく「立ち居振る舞い」の処世術の経験値が必要とされてくるが、三上にはそれはきっと備わっていない・・・・・
そういう複雑な要素などを感じて、考えていると「すばらしき世界」というタイトルが重くのしかかる。一体誰にとって「すばらしき世界」なのかと。
そして、役所広司である。
2024/1「Perfect Days」
2023/12 「孤狼の血」
を見た。3作品全く違う役どころである。演技の事は素人だけど、役所さんの演技、空気感が「凄まじい」ことは判る。
ヤクザでなくても、生活保護受給で「自分で自分の世界を狭めて、苛ついている」人を知っているので、胸にぐっとくる作品でした。ちょっと胸が痛いので2度目は見たいとは今は思えません。
考えさせられました
始まって、わりとすぐに全裸になるシーンがあるのです(背中側ですけど)。そこまでは「役者さんって大変なお仕事だなぁ……」みたいな感じで観ていたのですが、話が進むにつれ役所広司さん演じる元ヤクザの「三上」という人物に、すっかりと魅入ってしまいました。声色、目つき、表情、しぐさ。刑務所の中で見に着けさせられた整理整頓の習慣、歩くときは手足を大きく振って、返事も大きくはっきりと。
実話に基づくお話とのことで、三上の母親探しは叶うことがありませんでしたが、一度、社会から外れてしまった人が刑務所から社会に戻ること大変さや、社会に適合するために自分を律することの難しさ、葛藤、そして周りの協力も必要なのだということが伝わってきて、とても切なくなりました。終盤、障がいのある人を心無い言葉でバカにする施設職員のシーンが出て来るのですが、元ヤクザだった三上が何とも言えない表情で感情をこらえているのを観ると、犯罪者と言われて肩身の狭い思いをしている人たちよりも、よほどひどい言動をしているな、と、ハッとしました。
心臓を患っていた三上は、最後、畳の上で花を握りしめて絶命します。その命の灯が消えゆく様が、ゆったりとした時間とそよ風で描かれていたのに加え、周りでサポートしてきた人たちの悲しみも丁寧に描かれていて、涙腺崩壊の映画でした。機会があれば、一度は観ていただきたい作品です。
すばらしき世界とは
主人公の人生とは全く異なる人生を送っていたとしても、誰もが共感できる映画。
歪んだ世の中を受け入れることに体が拒否反応を示してしまうほどまっすぐな三上にとって、「すばらしき世界」とは、死後の世界のことなのかなと思いました。
自分らしさとは
久しぶりの西川美和監督作品。ラスト、施設で自分を殺し、見て見ぬふりをしたが、その先は・・・。自分らしく生きることが正しいのか、どうなのか、ずしりと胸に響く作品でした。
ハッピーエンドにして欲しかった。
主人公の三上の気持ちが痛いほど分かる、今の社会の中で反社と呼ばれる暴力団は詐欺、窃盗、違法薬物の密売と自分の様な還暦世代からは考えられない集団に成ってしまっている、自分達の世代にはまだ辛うじて組織のテリトリーがありがとう、ソコを侵すことや、人様の物を盗む、老人をの様な弱者を騙す、未成年の様な子供を脅して犯罪に使う等の弱い者虐めはしない等の最低限のルールが辛うじてあったが今はそれも無くなり、刑務所帰り、前科者、の社会復帰はホントに我慢!我慢!の一言に尽きる、自分の選んだ事や自分がやって来た罪ならばそれも当然と言えば当然なのだが、せめて今の努力は努力で認めてあげるべきでは無いのだろうかと考えさされた作品でした。
リアリティと「三丁目の夕日」のどちらかにすべきだったかもしれない。
殺人の罪で服役していた元殺人犯の三上が社会復帰を試みる。
復帰、といってもずっと極道の世界で生きてきた人間がカタギの世界で生きようとするのだから、もといた場所に戻るのとは違う。彼が今まで生きてきた世界とはまったく違う。三上はカタギの世界に馴染もうと努力する。しかし、体に染みついている感覚が、庶民の世界との違いを浮き彫りにする。
それでも彼を見守ってくれる人々はいた。
元極道の社会復帰という設定にはさほど新鮮さはないが、三上の母親探しや、それをテレビにするという名目で彼をネタにしようするテレビ局の人間とのやりとりなど、サイドストーリーが本作に奥行きをもたせている。
役所広司の演技はなまなましくて、極道がカタギになるというのは、こんなに大変なのかと信じ込ませる説得力がある。ただ、その熱演ゆえに、まわりの人々の優しさが嘘くさく見えてしまうという皮肉な効果もあった。
三上のまわりにいる人々は、とにかく優しいのだ。リアルな世界を描きたいのか「三丁目の夕日」をやりたいのか。そこはどちらかにしたほうがよかった。
長澤まさみ演じるテレビプロデューサーが「刑務所から出てきた人が普通の社会に復帰するのは本当に大変だ。だからこそ取材したい」という。その言葉は、彼女の企画のテーマであり、この映画のプロットでもある。
映画そのものは、刑務所から出てきた人間が苦労する話を伝えたいわけではなく、むしろ、人と人がつながることの大切さを伝えている。
だから、やたらと優しいのだが、他人に対してこんなに本気でぶつかる人が、こんなにたくさんいるだろうか。そこはどうしても疑問が残る。
実在の人物をもとに
実在の人物を基にその人の人生を描いた作品。
元ヤクザの男が刑務所から出所して、カタギの生活を試みようと思っていても世間は、なかなかに認めてくれない。
犯罪を犯しているというだけその男に対する視線は、とても厳しいものになる。
それでもまともであろうと奮起している次第に力になってくれる人があらわれる。
この作品で感じたのは、前半から後半にかけて、これほどまでにハッピーエンドで終わらない作品は、なかなかにないなと感じた。
けれども、後半にかけてのそれぞれの今まで思っている感情と真逆の部分を演じるのがすごいと感じた。
俳優さんと脚本の力でこれほどに彩られる作品は、なかなか見ない作品だなと感じた
最後は、えーーーっ?
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元ヤクザで妻を守るために殺人を犯した役所が出所。
弁護士が後見人になってくれて、仕事を探すが難航する。
正義感が強く短気で暴力的、という純粋さのためだった。
最初はおもしろがってTVが取材についてたが、その話もなくなる。
そんな中でも力になってくれる人達はいたが、素直に受け入れられない。
他人の施しを受けるのは恥という心が常にあった。
そしてついに昔の兄弟分に連絡を取るが、今はヤクザは苦しかった。
ちょうどそんな折、その組に警察の手入れが入り、壊滅(たぶん)。
あなたは堅気で生きなさいという、兄弟分の妻の言葉が響いた。
やがて介護の仕事につく。そこで職員同士のいじめを目撃。
チャラくて頭悪そうなその職員の言動にキレそうになる役所。
でも自分を支えてくれる人達のことを考えて辛抱した。
その帰り、昔の嫁から電話があり、娘と共に会えることになる。
でもこのささやかな幸福感が死亡フラグだった。
持病のあった役所は帰宅後急死したのだった。
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元ヤクザにとって今の時代が生きにくいことは間違いない。
おれはその世界には縁がないが、少数派の人間なので共感はある。
主人公が根は純粋で真面目なのもまた共感できた。
身元引受人の弁護士・役所の生活保護課の人・彼を取材してたライター
・偶然同郷だったスーパーの店長・・・みんな優しいし温かい。
ラスト15分くらいになって、急に物事が好転し始めるもんだから、
結局ダメでした~・・みたいなオチが待ってる気がして怖かった。
だってそのまま終了、じゃ映画として面白くないだろうから。
でもつまらん終了でいいから、何事もなく終わってって祈ってたな。
自分を信じ、更生を祝ってくれる人達を裏切って欲しくないから。
もちろん一生懸命頑張って来た自分自身のことも。
そしたらまさかの急死。えーーーーっ?って思ったけどな。
でもこれ、また道を踏み外すよりはハッピーエンドなんよな。
そんなことに胸をなでおろす、謎な自分がいたわ。
私達が生きている世界は素晴らしいか
ストリーミングで視聴
とても良かった
役所広司演じる一匹狼のハグレモノ、三上が刑務所から出所後、カタギに戻っていく話
正義感が強く、真っ直ぐで不器用なやくざ者を演じる役所広司、流石だ
実生活で近くにいたら、怖いだろうな。。。
彼が殺してしまう、傷つけてしまうのは、弱いものいじめをするもの、ということである意味、ダークヒーローとしても描かれている
刑務所よりも、外の世界のほうが、我慢の連続で、よほどヤクザな世界だ
弱いものいじめも起こる、見て見ぬふりをして周りと上手くやっていかなければならない場面も往々にして起きる
そんな世の中に対し『すばらしき世界』というタイトルが印象的だった
仲野太賀が身分帳を下に、記事を書く中で三上と心を通わせていくのだが、ここはもう少し、厚みがあっても良かったかもしれない
後半、俗世になじむために自分の正義感をぐっとおしころす三上の姿にはハラハラしながらも、胸が痛く、涙が出てしまった
強い人間ならば、社会経験をもう少し積んでいたならば、ああいう難しい場面も上手くコントロールできたのではないだろうか
自分を押し殺すんだよ、という極端な押しつけではなく、対人スキルを身につけることで、解決する方法もあったろうに、と思うと悲しい気持ちになる
最後、三上の死因は、解剖学的には病死だろうが、本当の理由は『すばらしい世界』の理不尽さだったのかもしれない
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