すばらしき世界のレビュー・感想・評価
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見方を少し変えれば、皆の優しさに気づける
どうしたらいいかわからなくて、 とりあえず今まで通り過ごしてみる。 うまく行かなくて荒れる。 新しいことに目を向けて見るのも大事なことなんだと気付かされました。
みんな適当に生きている
当時者でもない限り気にもされない社会の問題を
三上という男を通して笑いも入れつつ温かみも感じる
素敵な作品になっていました
いや社会問題って気にされないから解決しないんですよね
みんなが本気になってくれたら問題になるまでもないんですよね
素直で真面目な人間には生きづらい世界
みんな適当に生きているというありふれた言葉が重かったです
嘘がなく不器用で生い立ちが複雑で
おまけに前科持ちの三上にとって
この世界で生きていくには圧倒的弱者になる
それでも腐らず自立するため諦めない姿に
応援してくれる温かい人間がいるのもまたこの世界
最後に施設員として働き始め、
弱きものを助けるという三上の絶対的正義を
押し殺して感情を殺して社会に順応しようとする姿に
やり場のない怒り悲しみがこみ上げてきました
世界が適当に回っているだけなのに
三上のような人間がいちいち正義をみせるから
すばらしき世界が存在するんだと思いました。
あと役所広司さんが三上でよかった、、
必死悪とは?
本来あってはならない。しかし、人間である以上、公にできないこともある。その部分を引き受けている? そんな世界に引き込まれてしまった三上。彼なりの正義があることは、この映画の中ではわかった。 どうすれば良かったのか、そんな答えは無いと思うが、最後に必死に社会のルールに従おうとした三上に、現代の矛盾を感じる。 後味は良くないが、観るには値する。
タイトルの意味
素晴らしき…この映画で、この世の中、捨てたものではないと気持ちが温かくなりました。
六角さん演じる店長(町内会長)がキレた三上に対し、今日は機嫌が悪いんだと言うところ、北村有起哉さん演じる定期訪問に来た役所の人が失礼な物言いをしたことを詫びること、そうした小さな事が三上を包んでいる。
丁寧なストーリーでした。
仲野くんの演技も良かったなぁ…。
とてもいい映画でした、観てよかった。
外の世界は窮屈だけど空が広いと聞きます。
この作品も「ヤクザと家族」も現代社会で生きていくには人との繋がりが欠かせないことを描いてて、どちらも傑作に仕上がってる。それだけ人と繋がることが難しい世の中になってるってことなんだろな。
やくざでなくとも生きにくい世界を生きていこう言う主人公の気概
兎に角、主人公役の役所広司さんの人懐っこい笑顔と刑務所を出たからこの世界を 生き抜くため前向きの姿勢が上手いと思います。最初はことごとく,上手くいかなくて周りの保護司や役所の人・コンビニの人に噛みついていましたが、本当はたよえる人達と分かり、人との繋がりが、この時代には素晴らしい世界だと言っているように思えます。仲野太賀君は今まで見た作品の中で1番大人な役をこなしていると思います。介護事務所で働くちょっと仲間はずれの青年からもらったコスモスは主人公への最後のプレゼントだったと思います。(やくざとファミリー)を見た直後なので比較してしまいますがあちらはインパクトのある作品ですが、こちらはコメデーにも似た安心感のある作品だと思います。
ありがとう西川美和!ありがとう役所広司!
久々に映画館で映画を観た。 これはすばらしい日本映画でした。これが日本の映画の真骨頂でしょ。西川美和監督、本当にスゴイです。あなたが日本にいてくれてよかった。 そして役所広司!この人は本当にスゴイ役者です。演じてるなんて微塵も感じさせない、その人でしかないという有り様です。それ以外の役者さんもみんな素晴らしかった。ただ、長澤まさみだ けが完全に浮いていた。この人要らなくない?一人だけ、異次元のお女優感。でももしやこれはあえての監督なりのなにかのメタファーなのかも…と思ったりしたり、しなかったり。 それはそれとして、 日本映画は、このような人にスポットをあてて丁寧に人間を写し出すことに長けているはずです。もっと日本にすばらしい映画が生まれますように…!西川美和監督、一生ついていきます!!
今年ベスト映画になりそうです!!!
役所広司さんは日本の宝ですね。 表情、佇まい、姿勢、視線 全てがリアルに伝わってきます。 すごすぎる。 役所さん演じる三上のことを 危なっかしいし理解してあげられないけど、 何故かずっと幸せを祈るように見ていました。 どこか愛しいというか生きているというか。 本当の意味での生きるとは? 自分に正直に信念を貫いて生きることなのか、ある程度仕方ないと目を瞑って上手く回避することなのか? 常に自問しながら2時間釘付けになっていました。 脇を固める役者さんも素晴らしいです。 特に小説家志望を演じる仲野大賀さん! 三上との出会いを通して心が通っていく様子が 言葉がなくても伝わってきました。 お風呂場でのシーンは思わず涙が溢れました。 長澤まさみさん演じるテレビプロデューサーの 放った言葉は、自分自身に言われているようで グサッと刺さりました。 一つ一つのセリフや映像が 見終わって1週間経った今でも ずっとぐるぐるしています。 コスモスを見たら三上さんを思い出すでしょう。 他人事ではない物語です。 本当にオススメします!こんなご時世ですが是非映画館で!!
あったかい
じんわり ほんわりみたいな… 観終わった後 それこそ「すばらしい世界」に ふんわり包まれた気分になりました なんだろう 決して明るいお話しではないのに 少しだけ明るい気分にさせてもらえた もちろん 人のイヤなズルい部分も 介護施設の幼稚な人たちで描かれていたけど 実際、あるだろうし… キムラ緑子さんとのやりとり 粋でした 西川監督は嘘を描かない オリジナルでも既存のものでも 真実を優しく描く 本当に人間が好きなんだろうなぁ… そんな監督の作品が大好きです もう すでに次回作が待ち遠しい 原作を読み始めました
見応えのある邦画
秀作を送り出している西川美和監督の最新作であり、予告を見て興味を惹かれたので鑑賞。
俳優陣は上手い方々ばかりで撮影も編集も素晴らしかった。
物語としては長い間獄中にいたヤクザが現代社会に馴染もうとするも馴染めないというこれまでも何度か見たような物語だった。
良くも悪くもすぐカッとなる性格で喧嘩っ早い、真っ直ぐだけど融通が効かない主人公を役所広司が演じている。
この手の物語は客観的に見ると、要領良く出来ず自分で自分の首を絞めていくのがこれまでよく見た展開だ。
この作品もやはり大筋は同じ展開で節目節目で問題を起こしそうになるが、周りの人達がどこか優しく元殺人犯の三上を支えて力になってくれる。
そこが今までの作品とは少し違うが、難しいのは周りの人達が優しいと三上の行動が愚かに見えてしまう所である。
教習所の受付で怒鳴ったり試験で無茶な運転をしてしまったり、彼を想ってアドバイスしても凄んだりするのは、立ち直りたいのか、ただ頑固なだけなのか、途中感情移入出来ずにイライラしてしまった。
ラストの自分を殺して社会に適応出来たあと死んでしまうのはなるほどと思った反面急だなと思ってしまった。
総評としては良かったが、少し残念な所も散見された。
抑圧で成り立つ「すばらしき世界」
反社。嫌な言葉だ。非道いことしてきたのだろうが、普通に生活しようとしても難しい。 切れて力ずくで倒す役所広司、人懐こい笑顔をみせる役所広司。 暴風に揺れる取り込まれない洗濯物。濡れた花。
現実世界の縮図
映画では分かり易い形になっているが、現実はこれよりほんの少し巧妙なだけで、この映画とほとんど変わらない。 真っ当な神経の持ち主が生きづらい世の中であることを上手に描いているように思う。 役所さんの演技には迫力があって、とても感動しました。ありがとうございます。
大傑作だと思う。
この世の中は生き続けるに値する、すばらしき世界だ。 そんな思いがかすかでもあるなかで死ねたとしたら、幸せじゃないだろうか。 生き直す、なんて簡単に言う。 出来やしない。 おのれの欠落も偏りも埋まらない。 そして、まだまだ知らないおのれの恐ろしさがありそうなことも受け入れて、この生きづらい世の中で毎日を生きていけるのかもしれない。 埋まらない自分を分かってくれて、それでもこの世の中で共に立とうとしてくれる人、そんな人が必要なんだと思う。そして、すべての人間が必要としてるんだと思う。生きている限り必要なんだと思う。 大傑作だと思う。 上映中に何度も泣いた。映画館を出て街の風に吹かれて泣いた。地下鉄でも泣いた。 主人公が生き続けようと出来たのは、出所後に出会った人たちによってだけではないと思った。 別れた妻と一緒にいた短かっただろう時間がきっと大きかったんだろうなと思った。施設で感じた何かの温もりも大きかったんだろうなと思った。 今は花が咲かなくても、届かなくても、それがいつかの支えになる、そんなことも考えたりした。 すばらしき世界。 まさしく。 この世の中は生き続けるに値する。 そんな世の中を僕らは作ろうとしないといけない。 僕らが死んだあとに花が咲くのかも知れなくても。
大海を知らず、されど空の蒼さを知る
セリフが本当に良くて生きていました。西川監督と役所広司さんの相乗効果は凄かったです。 三上の人物像が映画の枠におさまりきれない生々しさというかもどかしさとして最後までつかみきれない感じがリアルです。 その三上の生々しさが、普通というこの世の中の正しさの矛盾をむき出しにしてくるようで、正面から向き合うのが怖いくらいです。 人を殺すことに躊躇しないのに嵐の中に咲くコスモスを慈しむ人物をこの世界は、私たちはどう受け入れるのかを問われます。 井の中の蛙は三上なのか、私たちなのか?
チャーミングな笑顔
期待通りに心の動かされるすばらしき映画でした。役所広司演じる三上さんのなんと不器用でチャーミングなことか。あのラストは…どうしても、受け止めきれない自分がいますが、それほどに三上さんを好きになってしまったのでしょう。途中のスーパー梶芽衣子タイムが俺得でした。
短気は損気、純粋も損気
ただし、損か得かは一般的な価値観に基づいたものにすぎない 男は出所した元ヤクザ、 短気で純粋で率直という性格もあり周囲とぶつかりがち。 その暮らしにくさと奮闘が描写される。 良い点 ・演技 ・周囲の支え ・資料のデジタル化が求められる 悪い点 ・シーンが間延びしがち ・曲が場面を先取りしすぎ ・強引なオチ
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