「素晴らしき世界とは?鑑賞後に考察したくなる映画」すばらしき世界 趣美さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしき世界とは?鑑賞後に考察したくなる映画
前科者の三上がシャバにでて、身元引受人の弁護士夫婦やケースワーカー、近所のスーパーの店長の交流を得て更生していく話かと思ったら、そうだよね、そう簡単にはいかないのねってところがリアルだった。
生い立ちのせいか、短気でキレやすい性格、善悪の区別の感覚が一般社会のそれとズレている、(もしかしたら三上自身にも軽度な障害があったのかもしれない)やっぱりヤベェやつだという感じの役所広司の演技が特に素晴らしかった。
全くの偽善ではないんだけれど、弁護士夫婦にしろ、ケースワーカーにしろ、スーパーの店長にしろ、やっぱり自分の手には負えない瞬間というのがある。現実、多くの人が自分たちのことで精一杯なんだから。ここもリアル。
結局、周りのサポートのおかげで、就職ができて三上のカタギの人生軌道に乗ってきたと思いきや、カタギの生活もそれはそれで大変で…。
問題を起こさないように、自分を殺して周りに合わせる。これが素晴らしき世界?
前科者、障害者、外国人労働者…社会的弱者と言われる人にとって生きにくい日本社会。でもそうではない人にとっても決して幸せな社会じゃない。だからこそ、私たちはレールに乗っていない人に対して厳しいのだと吉澤が言っていた。
そしてあの最後。
タイトルの意味を考えさせられ、鑑賞後に映画のレビューをみて自分の中の答え合わせをするような、そんな良い作品でした。
監督の策にはまっただけかもしれないけど。
