「ケツと満月」すばらしき世界 Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)
ケツと満月
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役所広司さん演じる三上の喜怒哀楽の表情が魅力的。
雪景色も東京タワー周辺の夜景も一流映画の風格があり、三上の過去の白黒写真等の映像のクオリティもリアルであった。
仲野太賀さん演じるダメ男ツノダを長澤まさみさん演じるキャリアウーマンのヨシザワが追いかけてカメラをぶん投げて叱責する場面が好き。
今の時代の象徴。
三上は母に捨てられたのではなく愛されていたのだということが、出産経験のある女性とのピロートークの時に確信する場面が好き。
会話の中で地震と自信をかけていたようにも感じた。
『見上げてごらん夜の星を』を歌う時に六角精児さん演じる店長がギターを弾いて三上の就職祝いをする場面が好き。
ピッカピカの黄色い自転車も素敵。
満月の夜にツノダに背中を流してもらう場面が好き。
裸を見せた相手には心身ともに無防備になる。
三上が土いじりをする時の障害を持った介護施設要員との交流の場面が好き。
無邪気で美しく、すばらしき世界を感じた。
世知辛い世の中に牙を向けずに過ごせるようになった三上には、もっと長く生きていて欲しかったし、その生きざまをもっと見たかった。
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R41さんのコメント
2024年4月16日
コスモスの花束を握りながら心臓が停止する…
母の所在はわからなかったけど、三上はあのコスモスの花を母に届けることができたような気がしました。
こちらの河岸に咲いていたコスモスを、向こう岸の母に渡したんだと思います。