「私達が生きている世界は素晴らしいか」すばらしき世界 サニーインティライミさんの映画レビュー(感想・評価)
私達が生きている世界は素晴らしいか
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とても良かった
役所広司演じる一匹狼のハグレモノ、三上が刑務所から出所後、カタギに戻っていく話
正義感が強く、真っ直ぐで不器用なやくざ者を演じる役所広司、流石だ
実生活で近くにいたら、怖いだろうな。。。
彼が殺してしまう、傷つけてしまうのは、弱いものいじめをするもの、ということである意味、ダークヒーローとしても描かれている
刑務所よりも、外の世界のほうが、我慢の連続で、よほどヤクザな世界だ
弱いものいじめも起こる、見て見ぬふりをして周りと上手くやっていかなければならない場面も往々にして起きる
そんな世の中に対し『すばらしき世界』というタイトルが印象的だった
仲野太賀が身分帳を下に、記事を書く中で三上と心を通わせていくのだが、ここはもう少し、厚みがあっても良かったかもしれない
後半、俗世になじむために自分の正義感をぐっとおしころす三上の姿にはハラハラしながらも、胸が痛く、涙が出てしまった
強い人間ならば、社会経験をもう少し積んでいたならば、ああいう難しい場面も上手くコントロールできたのではないだろうか
自分を押し殺すんだよ、という極端な押しつけではなく、対人スキルを身につけることで、解決する方法もあったろうに、と思うと悲しい気持ちになる
最後、三上の死因は、解剖学的には病死だろうが、本当の理由は『すばらしい世界』の理不尽さだったのかもしれない
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