「役所広司さん渋いなぁ」すばらしき世界 Normanさんの映画レビュー(感想・評価)
役所広司さん渋いなぁ
人によって生まれた場所、育った環境によって
受け取り方、解決の仕方、全然異なってくるものですね。
刑務所から出て、母親を探すためにテレビ局に身分調という、自分の事件や、刑務所の中でも色々なことを書いてあるノートを送ります。
そこから小説家をしている太賀の元へ、身分調がわたり、太賀の撮影とともにいろんなことを話したりしました、そんなとき、街でカツアゲされてるおじさんを助けて不良2人をぶっ飛ばします。
そこに居合わせた太賀は役所広司の素性をみて、怖くなって逃げてしまいます。
刑務所から出たけど、結局最後頼る先は
前と同じヤクザの知り合い。
しっかりカタギになりたくてもなれずにいる。
ヤクザの親分、足なくてびっくりしました。
ソースにいる時にベットでソープ嬢とおしゃべりしてる役所広司さんの微笑み方とかがめちゃくちゃ渋くてかっこよかったです。
そしてやっぱり演技のうまさがえぐいです。
役所広司さんってすごいなぁってなります。
ちゃんと向き合って言葉をくれる女将がいてよかったですね。
役所広司さんは棒に振ることなく、逃げて戻ってきましたね。
前に見た【ヤクザと家族】って映画でも、ヤクザは結局ヤクザに戻ってしまうみたいのを見たことがありますが、これもまさしくそうなる構図が見える作品でした。
けど救ってくれる人や言葉、太賀さんとの出会い、母親を見つけることができたことによって、いろいろ役所広司さんは変わっていけてます。
母親に会ったら何を話したいかと聞かれて
お産の時の話を聞きたいと。
なぜ?って問われて、かあちゃんしか覚えとらんばいって。
その通りだなぁって思いました。
そしてお母さんと再会できた!と思ったら全然違うおばあさんで、残念すぎる。
2人がお風呂で背中を流すシーン。
役所広司さんの背中には無数の傷があって
どんな大変な世界だったことかと。
もう元にヤクザに戻らないでくださいって泣きながら太賀が言うシーンはジーンときました。
10代からずっとヤクザの世界に足を入れていた人が
大人になっておじさんになってから
カタギの世界のすばらしさに気づいていく。
就職が決まった時の嬉しそうな顔や
就職が決まって喜んでくれる仲間が出来て。
けどやはり変われず、スタッフのいじめをみて人を棒で殴ってしまいます、と思ったらそれは想像で
ちゃんと変わろうと頑張って頑張って耐えてました。
よく耐えれましたね。いつ怒り出すかヒヤヒヤしました。
いじめられてた障害のあるスタッフが
お花を嵐が来る前に切ったんだよ。って言った後に
役所広司さん、泣きましたよね。
ほんと3秒ほどの泣きシーンなのに
一瞬で涙出ます。
あの一瞬に色んな感情が入ってました。
元奥さんと電話した時、奥様もいい人だなぁが溢れてました。
やっと頑張って来れてたのに、亡くなってしまって、
かなしい、はぁーーってなりました。
けど役所広司さんはきっと変わることができたんです。
ヤクザではないこの世界が彼にとって
すばらしき世界になっていますように。
見てよかった作品でした。