「普通になることの難しさ…」すばらしき世界 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
普通になることの難しさ…
しかし、普通ってなんだ?苛めが行われてても、見て見ぬ振りをする、争いごとには巻き込まれぬようにする、助けない、この描き方は極端過ぎる気もするが、梶芽衣子が言っていた皆、いい加減に生きている、これが合ってるのかもしれない。十数年も服役していた元ヤクザにとって、身寄りもなく、資格もなく、働き先もない社会生活は過酷だろう。生活保護を糧に働く意思があっても、そうはさせない現実があり、再び悪の道に戻るのが精神的にも楽だろうし、生きる道、出所しても半分がまた戻ってしまうというのがよく分かる。しかし、ヤクザの世界も現代では法のもと、生きにくい世の中になっており、キムラ緑子は好演だった。主人公はキレやすく、罪を心の底から反省していない点もあり、共感はできないが、そこがリアリティある。映画では彼の更生を支える仲間たちがいて、恵まれているが、現実はそうではないだろう。ラストどう終わるのかと思っていたが、ようやく新たな人生のスタートを切ったかに見えたが死んでしまったのはとても残念で、やはり彼の住む世界ではなかったということなのか。色々考えさせられる映画だった。
おはようございます。
優しい人達が大勢でしたが、職場のいじめられていた青年が、雨が降るからとその前に花を摘んで三上にも分けてあげていた、みんなに馬鹿にされていても、花にまで優しくなれる彼もとてもいい子だなあ、と感動してしまいましたっ!
ケイさん
コメントへの返信を有難うございます。
そうですね。私にも難しいかも知れません。。もしそれが我が子だったとしても、以前と同じレベルで愛する事は出来ない気がします。殺人を犯した人と深く関わる仕事をされている方々の心の強さ、懐の深さを、改めて今感じています。
ケイさん
ケイさんがレビューに書いていらっしゃるように、西川美和監督の映画を、未だ4作しか観ていませんが、どの作品にもちょっとしたユーモアと人の優しさが描かれていて、感情の描き方が巧い監督さんですよね。