「自己責任社会への警鐘」すばらしき世界 ゴンザレス基文さんの映画レビュー(感想・評価)
自己責任社会への警鐘
この映画が伝えたい事を簡潔に言うならば、現代の日本が抱える自己責任論への警鐘だろう。
犯罪を犯した者だけでなく、一度躓いた者達への不寛容な風潮がどれほど社会を危険なものに陥れているか。現代に蔓延る様々な問題の諸悪の根源は、この不寛容さにあるのではないか?
それを最後のすばらしき世界という皮肉を込める事によって問題提起しようという強いメッセージを感じることができる。
演技は役所広司始め、脇役に至るまで熱演であり、大変素晴らしかった。
しかし長澤まさみ演じる女性はノイズ気味、かつ主人公との繋がりも薄く心的描写も少なかったので必要だったか?という疑念も生じたのが正直な感想である。
このコロナ禍だからこそ、人との繋がりを再認識することの大切さを感じさせてくれる作品である。少しでも興味があるなら是非、劇場に足を運んでいただきたい。
コメントする