「この世界に居場所を見つけるには」すばらしき世界 Kikiさんの映画レビュー(感想・評価)
この世界に居場所を見つけるには
「素直で真っ直ぐで義理堅くやさしい人。それでいて整理整頓が得意」と言われたら、すぐにヤクザだと思う人はいないだろう。
「あり方」だけじゃなく「やり方」を知らないと生きづらい世界なのだと教えてくれる映画だった。
犯罪者や貧困の再生産をしないためにできることは、その人の過去ではなく今望むものに目を向けて、辛抱強く寄り添い、居場所をつくることなのかもしれない。でもそれが、とてつもなく難しい。怖いから。守りたいものを思ってしまうから。
それでもしっかり関わると、この主人公のように、その魅力的な側面が見えてくるんだろう。
「褒められるところに行きたかろ?」という役所さんのセリフが印象的でした。
不寛容な世界で居場所を手にする方法は、ほんとうに他者への無関心しかないんだろうか。
そんな問いを受け取った映画でした。
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